コース: ビジネスマナーの基礎:ツールとドキュメント

社外向けのビジネス文書の型を理解する

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社外向けのビジネス文書の型を理解する

社外向けのビジネス文書の基本について 解説します。 社外向けビジネス文書は 取引先やお客様など 自社以外へ向けたビジネス文書です。 会社の代表としての 見解を伝える役割があるため 正確さ、客観性が求められます。 社外文書の作成手法や マナーを理解して 適切なビジネス文書を 作れるようになりましょう。 社外の取引先や お客様とやり取りする文書には 業務連絡を目的とするものと 社交的な内容の文書があります。 それぞれに会社から発行する 正式な文書ですが 重視すべき点が多少異なります。 案内状や契約書などの業務文書は 内容の正確さが最も重要になります。 間違いのないように 細心の注意を払って作成し 上司確認の上で発信するようにします。 業務文書の中には 依頼状や督促状のように 相手の行動を促す文書もあります。 その場合は 相手の立場を考慮するマナーも必要です。 また、挨拶状やお礼状のような 社交文書の場合は 相手への敬う気持ちを表す 敬語の扱いに注意して作成します。 いずれも会社の代表として作成し 上司の確認を得てから 発行するようにします。 社外取引先へ向けた文書を例に どのような要素で構成されているのかを 確認してみましょう。 文書管理上の番号を入れる場合は ルールに従って番号を取得し 日付の上に記します。 発信日付は文書を作成した日ではなく 発信する年月日を入れます。 西暦、和暦のいずれかは 会社によって異なります。 自社のルールで記述するといいでしょう。 宛名は 会社名、 部署名、 役職、 氏名、 敬称、という順番で記述します。 発信者も 会社名、 部署名、 役職、 氏名の順に入れます。 請求書や見積書などの場合には 所在地、 電話番号、 FAX 番号を加えたり 押印する場合もあります。 件名は一目でわかる 具体的な件名を書きましょう。 社外文書では一般的に 「拝啓」で始まる頭語と 「敬具」のような結語の 組み合わせによる挨拶部分があります。 頭語に続く前文では 時候の挨拶、 受取人の繁栄を喜ぶ言葉を入れます。 次に主文を入れます。 主文の文末を改行して末文を入れます。 続けて頭語と対応する結語を入れます。 主文の要点や同包した内容物などは 箇条書きで明記します。 追記では担当者の連絡先など この文書を受け取ってから 相手がアクションを起こすときの 受付窓口となる担当者の電話や メールアドレスなどを明記しておきます。 最後にこのビジネス文書が これ以上続かないことを示すために 「以上」と記して締めくくります。 宛名に記載する内容に応じて 敬称を使い分けましょう。 会社や部署などの 組織宛ての場合は「御中」 役職名の場合は 「部長」などの役職名で止める場合と 「様」などをつける場合があります。 自社のルールに合わせるといいでしょう。 個人宛ての場合には 最後に「様」をつけます。 また複数の相手に同報する場合は 「各位」をつけます。 ビジネス文書では 頭語と締めくくりの言葉である結語の 組み合わせがあります。 一般によく利用されているのが 「拝啓・敬具」という組み合わせです。 これをセットで使用して 字下げしないのが基本です。 「拝啓」よりもかしこまった表現の場合は 「謹啓」、「敬白」や 「恭敬」、「謹言」などを使います。 他、前文を省略する場合は 「前略」、「早々」(草々) 返事の文書の書き出しでは 「拝復」、「敬具」という具合に それぞれの組み合わせがあります。 なかでもオールマイティなのが 「拝啓」、「敬具」です。 時候の挨拶は頭語の後に使います。 「〇〇の候」は季節の言葉で 「貴社ますます」は 相手の繁栄を喜ぶ言葉です。 また、一年中使えるのが 「時下ますます」ですが 季節に合わせたほうが より丁寧な印象を与えます。 季節の言葉としては ご覧のように月ごとにあります。 季節ごとの言い回しを いくつか用意しておくといいでしょう。 「貴社ますます」の後に続く 相手の発展を喜ぶ言葉も いくつかあります。 一般によく使われているのが 「貴社ますますご清栄のことと お慶び申し上げます」ですが 他「貴社ますますご発展のことと 拝察申し上げます」なども使います。 「拝察」は自分をへりくだる謙譲語です。 また個人のお客様の場合には 「ご清栄」、「ご清祥」、 「ご健勝」などを使います。 このように敬語の言い回しも ビジネス文書では使います。 正しい敬語と正しい文書表現を マスターするといいでしょう。 次に 日頃のお心遣いに対するお礼を入れます。 一般には「平素は格別のご高配を賜り、 誠にありがとうございます」と入れます。 他、組み合わせとして 表のようにいくつかありますので 文書内容や相手との関係性を考慮して 使い分けるといいでしょう。 このレッスンでは 社外向けビジネス文書の基本について 解説しました。

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