コース: ビジネスアナリシスの基礎:ビジネスプロセスモデリング

コンテキスト図の作成方法

どんな図においても、目的は複雑なものを シンプルにすることです。 詳しすぎると、人は関心を持ちません。 でも、情報が不十分だと 見落としがないか心配になります。 適度なバランスが大切です。 優れたコンテキスト図を作る 簡単なステップがありますが、 作業を始める前に、組織を包括的に 把握するために調査を おこなう必要があります。 イントラネットでの調査や同僚への質問、 必要な知識を持つ人たちとの ワークショップなどを実施します。 経験上、これらはコンテキスト図を 作るのに必要な知識を得るための 有効な手段です。 重要なのは、 これがビジネスプロセスモデリングの 始まりであるということです。 シンプルで包括的なものにする 必要があります。 基本的には1ページで作ります。 大きな視点から見る 必要に迫られるからです。 でないと、詳細に情報を 詰め込み過ぎてしまうことになります。 もし、すべての情報を収めるのに ページが足りないようなら、 おそらく複雑にし過ぎているため、 詳細を省く必要があります。 ページの中央に円を描き、 コンテキストを加える対象となる 主要エンティティの名前を入れます。 外部エンティティとのやり取りは その円が起点になるか、 円に向けて発生します。 円は、コントロールができるもの、 つまり、組織内で何がどのように 起きるかを示すものです。 調査や話し合いで分かった外部の ステークホルダーを円の外側に 加えていきます。 外部の組織なので、四角で表します。 それぞれの四角がやり取りのある 単一のエンティティです。 分析を進める中で、より多くの 外部エンティティに気づいたら、 徐々に加えていきます。 四角は影響を与えることだけができる エンティティを意味します。 影響とは、たとえば、 契約を交渉することや、 提供するテンプレートの使用、 電子決済のセキュリティ基準への 準拠を求めるなど、組織のニーズに 応じてもらうことです。 コントロールを持たないというのは 規則や規制、業界の基準や国際基準など、 外部エンティティによって課される 制約の中で業務をおこなうということです。 外部エンティティを特定し、 図に加えると同時に、 組織との関係性を矢印で表します。 矢印は、組織から発するか、 組織に向かって描きます。 関係性を示す矢印は、 直角で描くことで図を簡素化し、 ラベルを付けるためのスペースを 空けることができます。 矢印にラベルを付け、 どのようなやり取りがおこなわれているか、 そして、やり取りの方向性を明確にします。 組織に向けておこなわれたやり取りは、 組織内の業務を開始する トリガーとなります。 コンテキスト図のドラフトができたら、 分析を検証する必要があります。 ドラフトを組織内で共有し、 関わる人やプロセスについて 見解を求めましょう。 作成に参加してもらうことで、 彼らのプロセスや関係性が分析に 反映されていることを確認してもらい、 重要なエンティティの見落としを 防ぐことができます。

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