コース: 幸せなキャリアを築く

幸せなキャリアとは何かを考える

幸せなキャリアとは何でしょうか。 幸せもキャリアも、とても抽象的で、 どのように考え始めたらいいか わからないということはありませんか。 ここではまず、幸せとキャリアについての 定義を整理するところから スタートしていきます。 キャリアとは、一般に、 仕事、経歴、就職や出世などの イメージで使われることが 多い言葉ですが、 キャリアの語源をたどると、 ラテン語の Carrus(キャラス)、 車輪の付いた乗り物であると言われます。 車輪の通った後には、 わだちができますね。 そこから転じて、 キャリアという概念が 出来上がってきました。 キャリアとは、 職業人生に限らず、 人生全体を包括する、 非常に多義性のある言葉ですが、 厚生労働省が提唱している キャリアの概念には、 時間的持続性ないしは 継続性を持った概念として定義され、 過去から将来の長期にわたる 職務経験や、これに伴う 計画的な能力開発の連鎖を指すものと 示されています。 ご覧の通りですが、 職業、職務ということに 重点を置いています。 本コースで扱うキャリアも、 人生全体の中で、働くということを 中心に考えていきます。 さて、今日現在までに皆さんは、 どのようなキャリアの歩み方を してきたでしょうか。 行先がわからず、さまよいながらも、 なんとなくここに たどり着いたのかもしれませんし、 誰かが用意してくれた レールに沿って進んできたかもしれません。 もしくは、自ら、目的地に向けて 真っすぐに走ってきたかもしれません。 いずれにしても、今日に至るまで、 すでに人生の分岐点において、 さまざまな選択を積み重ねてきました。 それらの選択が、 自分で決めたものであっても、 他人にゆだねたものであっても、 皆さんのキャリアは、 出来上がってきました。 現在の皆さんは、今どれくらい ご自身で満足のいく人生を 生きているでしょう。 そして、未来のキャリアは、 これから皆さんが進んでいく 未開の地です。 ですから、皆さんの選択次第で、 どのような人生の道でも、 さまざまに築いていくことができます。 このキャリアの目標を主体的に考え、 行動指針を設計していくことが キャリアデザインです。 では次に、幸せについて考えます。 ここでの幸せとは、 自分自身が満ち足りている、 幸せだと感じる、 ポジティブな気分や感情です。 ではこの幸せという ポジティブな気分や感情は、 どのようなときに、得られるのでしょうか。 一例として、時間軸と 物質的、体験的な軸で、 4象限に整理することができます。 例を挙げて見ていくと、 短期的・物質的、 例えば、ご褒美の買物、 プレゼントをもらう、 毎月の給料など、 短期間で手に入れられるものなど。 長期的・物質的、 例えば、車や家など、 入手には計画性が必要で、 また、長期にわたって 所有するものなど、 短期的・体験的、 例えば、試験に合格する、 昇格する、表彰される、 映画で感動する、 ご褒美デザートを食べるなどの 短期的な体験など、 長期的・体験的。 例えば、自己実現に向けて 研鑚しているプロセス、 人生をかけて取り組んでいることや、 何年も続けている社会貢献活動などが あるかもしれません。 さて皆さんのこれまでの人生の 幸せエピソードを分類すると、 どこに当てはまることが多いでしょうか。 なお、これらの打ち合わせの感じ方は、 固定されたものではなく、 人生のフェーズや、 その人の価値観や考え方、 それまでの体験によって変化します。 ここまで見てきたように、 キャリアも幸せも、人の数だけ存在します。 幸せなキャリアとは、 自分の願う人生の実現に向けて、 自ら人生を創り続けるプロセスです。 自分の人生を創るのは、 他の誰でもなく、 自分自身であるという意識を、 ぜひ持ち続けてください。

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