コース: 会計の基礎

損益分岐点分析をする:計算

管理会計のもうひとつの活用例に、 損益分岐点分析があります。 私の妻の実体験に基づく例から 説明しましょう。 1985 年に、妻は、チャリティーパーティー と抽選会の準備を手伝っていました。 パーティーのチケットは 250 ドルでした。 今でも高く思えますが、 当時は本当に高額でした。 パーティーの最後に、参加者のチケットを 箱に入れて、抽選会を 行うことになっていました。 当選者への賞品は新車です。 値段は1万8千ドル。 今ではそれほど高くありませんが、 当時はかなり立派な車でした。 他の主な費用はケータリングの 料理代で、1人 40 ドルでした。 では、見ていきましょう。 参加者は、チケット1枚につき 250ドル支払い、ケータリング会社が 用意した料理の代金は、1人 40 ドル、 また、主催者は1万8千ドルで 新車を購入する必要がありました。 私は、これらの数値が正しいかどうか、 妻に念を入れました。 妻からすべての数値について 説明を聞いたあと、私は、 このパーティーに何人が参加すれば 収支が合うのか尋ねてみました。 私が妻にした質問の答えを 皆さんも考えてみてください。 このパーティーに何人参加すれば、 損失を出さずに済むでしょうか。 どう計算すればいいでしょうか。 まず、車の費用は固定です。 このパーティーの参加者が1人でも、 3千人でも、車の値段は変わらず、 1万8千ドルで、固定です。 日常でも固定の費用はたくさんあります。 レストランを経営している場合、 賃料は固定です。 ハンバーガーの売上が 10 個でも、 1万個でも、賃料は同じです。 次に、パーティーの参加者はそれぞれ 250 ドルを支払います。 全額が主催者の手元に残りますか。 いいえ。参加者1人当たり 40 ドルを ケータリング会社に支払う必要があります。 これを変動費といいます。 変動費の金額は、パーティーの 参加者が増えると上昇します。 レストランの場合、変動費の例として 食材の費用があります。 レストランで食事をする客が多いほど、 食材の費用がかかります。 参加者は 250 ドル支払いますが、 ケータリング会社に支払う金額を差し引くと 残るのは1人当たり 210 ドルです。 管理会計では、これを貢献利益といいます。 貢献利益とは、チケット代の中から 手元に残る金額です。 この例の場合、貢献利益は 1人当たり 210 ドルです。 これは非常に重要な数値で、 損益分岐点の計算を左右します。 チケット1枚につき主催者に 210 ドル残る場合、何枚のチケットが売れれば 固定費の1万8千ドルを 支払うことができるでしょうか。 1万8千ドルを1人当たりの 210 ドルで割ると、 86 人がパーティーに参加しなければ、 チャリティーの収支が 合わないことがわかります。 損益分岐点分析では、費用を固定費と 変動費に分けて考えます。 ここでは、車の1万8千ドルが固定費で、 1人 40 ドルのケータリング代が変動費です。

目次