管理会計の詳細を理解する

管理会計では、社内の人に 伝えるためのデータを扱います。 日々の意思決定に活用される、 会社に関する詳細な情報です。 管理会計には、非公開、詳細、 日常的という特徴があります。 簡単な例を使って管理会計と 財務会計の違いを説明しましょう。 例えば、ウォルマート社の 2018 年１月 31 日までの １年間の売上高は 4,950 億ドルでした。 この金額は財務会計上の数値で、 会社の外部の人々に向けた 損益計算書で確認しました。 では、店舗を運営する立場で考えてみます。 店長かエリアマネージャーだったとします。 つまり、店で何をすべきか、 日々決定を下す立場です。 昨年の売上高は 4,950 億ドルだったと聞いたら、 こう思うかもしれません。 「そうですか。 私はこの店舗を運営しているので、 4,950 億ドルという数値について 細かいことが知りたいです。 内訳はどうですか。 具体的な詳細情報はありますか」 考えてください。 売上高 4,950 億ドルという数値に関して 店長が知りたいとことは何でしょうか。 たくさんあると思いますが、 いくつか取り上げます。 まず、全世界の総売上が 4,950 億ドルだったということに加えて、 北米、メキシコ、南米、ヨーロッパ、 アジア、アフリカの内訳がどうなっているか 知りたいのではないでしょうか。 店舗別の売上も知りたいでしょう。 またそれだけでなく、各店舗での 昨年度の売上や、今年の売上目標も 知りたいでしょう。 さらに、売り場ごとの売上も気になります。 食料品の売上が多いのか、 それとも子供服か。 紳士服か、園芸用品か。 店舗を運営しているなら、 そうしたことをできるだけ 詳しく知りたいはずです。 最も売れている商品と、 最も売れていない商品、 季節ごとの売上も知りたいでしょう。 １月には何が売れたか。 ホリデーシーズンはどうか。 さらに、曜日でも違うかもしれません。 月曜、火曜、水曜はどうでしょう。 営業時間は24時間にすべきか。 午前の開店にしたほうがよいか。 購買層別の売上も確認したいはずです。 具体的な情報を活用すると、 特定の購買層を対象としたキャンペーンや クーポンの発行を展開できます。 財務会計上の売上高、4,950 億ドルは 外部に報告するには良い値です。 一方、店長として知りたいのは、…