キャッシュフローの例を確認する

ウォルマート社の 2018 年度の キャッシュフロー計算書を見ていきます。 キャッシュフロー計算書には、 ３つの分類があることを 思い出してください。 一番上の営業活動、中央の投資活動、 そして一番下の財務活動です。 営業活動から見ていきます。 ウォルマート社の営業活動による キャッシュフローは約 280 億ドル、 つまりウォルマート社は１年間で、 業務を通じて約 280 億ドルの 現金を獲得しました。 すごいことです。 ここで最初に確認すべき数値は、 営業活動によるキャッシュフローです。 この約 280 億ドルは 何に使われるのでしょうか。 まず思いつくのは、生産能力を 拡大するための新たな投資です。 建物やトラックを新調する 必要があるかもしれません。 投資活動による支出の合計額は、 ここでは約 90 億ドルとなっています。 ウォルマート社は、この１年間で、 この金額を生産能力拡大のために 現金で支出したということです。 ここで、営業活動で得た現金の金額と、 投資活動に使った現金の金額を 比較してみます。 ウォルマート社は営業活動により 約 280 億ドルを獲得し、 投資活動に約 90 億ドル使いました。 差額は約 190 億ドルです。 このような事業は、 キャッシュ・カウと呼ばれます。 日々の営業活動によって得られる現金が多く 土地や建物、トラックなど、 さまざまな設備投資を現金で行っても、 まだ多額の現金が残るような 事業のことです。 キャッシュフロー計算書の 最後の項目は財務活動です。 ウォルマート社は、新たな借入で 現金を受け取り、以前の融資の返済に 130 億ドルを使っています。 また、株主への配当として 約 60 億ドルを支払っています。 ウォルマート社は、１年で生み出した 余剰現金が多かったため、 会社の現金約 80 億ドルで 株主から自社株買いを行っています。 重要な数値は、営業活動による キャッシュフローで、 ウォルマート社の場合は 約 280 億ドルになります。 会社の日々の営業活動による キャッシュフローがプラスの場合、 それはいい兆候です。 この数値がマイナスの場合は 問題があります。 ウォルマート社のキャッシュフローに 問題はありません。