コース: 会計の基礎

負債とは何か

貸借対照表には会社の負債を記入します。 負債とは、将来的に資産、または 何らかのサービスを引き渡す 義務のことを言います。 ウォルマート社の例を使って、 買掛金について説明しましょう。 「掛け」とは後で精算する約束で 売買することで、「買掛金」とは、 購入代金を支払う義務のことです。 ウォルマート社は商品を仕入れる時、 P&G 社などの仕入先に代金を後で 支払うことを約束します。 これが負債です。 ウォルマート社は買掛金の金額を 記録する必要があります。 P&G 社から商品を購入した という事実だけではなく、 商品の代金を後で支払う必要が あることも記録します。 会計等式に従うと、資産のほかに、 資産を購入した方法を 記録する必要があります。 この例では商品が資産であり、 購入した方法は後払いです。 買掛金は、負債の代表的なものです。 ウォルマート社に限らず、 世界中のほぼすべての企業では、従業員が 一定期間勤務したら賃金を支払います。 そのような企業が特定の締め日に 貸借対照表を作成する場合、 その時点の未払い賃金を 記録する必要があります。 まだ支払っていない賃金は いくらでしょうか。 この未払い賃金も負債の一例です。 税金も同じです。 税金は徐々に積み上げられていきます。 貸借対照表を作成する場合は、 その日の時点で、まだ納付していない 税金の金額を記します。 エクソンモービル社のように、 世界各国で税金を納めている 会社の会計処理は膨大です。 財産税、所得税、消費税、輸出入税など、 さまざまな税が課せられますが、 こうした税金を毎日その都度 納めているわけではありません。 同社が貸借対照表を作成する際は、 その日の時点で納付義務のある税金の リストを作成します。 ディズニー社には、長期借入金があります。 長期借入金とは、借りたお金のうち、 返済期日が5年後、10 年後など、 1年を超える期間のものを言います。 長期借入は、資産を購入する資金を 用意するための重要な方法です。 ここで興味深い負債の例を紹介します。 ユナイテッド航空などの航空会社を 最後に利用した時のことを 思い出してください。 航空券の支払いは、搭乗前と 搭乗後のどちらでしたか。 航空会社は常に搭乗前に支払いを求めます。 航空会社には、料金を支払って まだ搭乗していない乗客を航空機に 乗せる義務があります。 この負債は、前受収益と呼ばれます。 以前、ユナイテッド航空の前受収益を 確認すると、39 億ドルでした。 ユナイテッド航空は乗客から 39 億ドルを集め、まだ航空機に 乗せていないことになります。 もちろん、この債務は 記録しなければなりません。 負債とは、将来的に資産または 何らかのサービスを引き渡す 義務のことを示しています。 会社が資産を獲得するための 有力な方法のひとつは、 資産を得ることと引き換えに 債務を引き受けることです。

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