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業績評価を活用する:採掘コンテストの場合

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業績評価を活用する:採掘コンテストの場合

管理会計を応用して、情報を内部で 活用する方法をもうひとつ紹介します。 ここでは業績評価を取り上げます。 旧ソ連の有名な石油採掘コンテストの 話を例に説明しましょう。 数年前に見た時に出典を 控え忘れてしまったのですが、 実際にあった話です。 旧ソ連時代の話です。 ある時、石油採掘コンテストが 開催されました。 石油採掘業者のやる気を引き出すために、 チーム間で掘削を 競わせることになりました。 コンテストの主催者は、優勝を決める 測定基準を次のように定めました。 何メートル掘削したか。 つまりメートル数が 最も多いチームが優勝です。 ここで、あるチームのメンバーが、 メートル数を稼ぐいい方法を 考えつきました。 浅めの穴を掘り、100 メートルに 達したところで止めます。 掘削リグを引き出し、少し移動して、 また 100 メートルの穴を掘ります。 その後も同様に、少し移動して、 100 メートルの穴を掘ります。 掘り始めから 100 メートルは、 労力とコストの負担が最も軽いのです。 穴が深くなればなるほど、 パイプを増やしたり、多くの水が 必要になったりして、 掘削は難しくなります。 ですので、100 メートル程度の 浅い穴をたくさん掘るのです。 これが、限られた時間で メートル数を稼ぐ方法です。 優勝したチームは 100 メートルの 穴を無数に掘りましたが、 石油は全く出ませんでした。 石油が出る深さには達していない 100 メートルの穴がたくさんできました。 この場合、各チームの成績を もっとうまく評価する 方法はあったでしょうか。 ありますよね。 たとえば、石油を掘り当てた 穴の深さだけを数に入れます。 石油が見つからなければ、 その穴は評価から除外します。 あるいは、100 メートルまでは 1メートルにつき1ポイント、 そこから 200 メートルまでは 1メートルにつき2ポイント、 300 メートルまでは 3ポイント、とします。 各チームがより深く掘るように、 報酬に何らかの重みづけをする方法です。 つまり、もし会社が、掘削したメートル数を 測定して評価するシステムを導入したら、 従業員はどうするでしょうか。 よりメートル数を稼ごうとし、 石油の量には関心がなくなります。 掘るだけです。 ですから、何を測定するか注意が必要です。…

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