ジャスティン・トーマスのスイングとチェックポイント

2020年のマウイ島での開幕戦、セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズで優勝したジャスティン・トーマス。若干26歳ながらPGAツアー12勝目となりました。

2019年12月にオーストラリアのロイヤルメルボルンGCで開催されたプレジデントカップでは、3.5ポイントを上げる活躍を見せました。特に初日と二日目にタイガー・ウッズとペアを組み、松山英樹を含む世界選抜チームに対して、米国の最強ペアーとして2勝をあげました。松山英樹と対峙した二日目の最終ホール、5メートルのバーディーパットを沈めタイガーと共に歓喜に酔う姿は、通常のトーナメントでは見ることが出来ない姿でした。

今年のカパルア・プランテーションコースでの開幕戦は、強風に加えて時折のスコールが吹き荒れる悪天候でした。昨年のザンダー・シャウフェレの優勝のスコアが23アンダーと、今年のジャスティン・トーマスの14アンダーを比べると、そのことが見て取れます。

4日目の最終ホール、1打リードで来ていながら、18番・662ヤード・パー5の第二打をまさかのグリーン左のハザードに打ち込みボギーをたたきました。日没迫る中、パトリック・リード、ザンダー・シャウフェレとの3人のプレーオフとなり、辛くも優勝を勝ち取りました。

トーマスのゴルフスイングは、基本に忠実なアドレスポジションを取っています(青線で観られるように、上半身の前傾姿勢がスイング中にキープされています)。アップライトなトップオブスイング(黄丸)から、右膝が前に出るダウンスイング(赤丸)が気になるところでしょう。そのためにインパクト前でのグリップの位置が体から離れ気味になりクラブが寝た状態(緑丸)となっています。

インパクトでは、両足つま先立ちのジャンプアップ打法となっています(紫丸)。これは178センチの小柄な身長の為の飛ばす工夫と言えます。右手甲が見えている(青丸)フォローは、クラブが寝たダウンスイング(緑丸)からのフェースローテーションの大きさを物語っています。時折、左に引っかけるショットは、このフェースローテーションの大きさから来るのでしょう。元々ショートゲームに長けたトーマスが、ロングショットの磨きをかければ、鬼に金棒となるでしょう。

日本プロゴルフ協会・A級ティーチングプロ
大東 将啓(オオヒガシ マサヒロ)

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ABOUTこの記事をかいた人

1958年(昭和33)生まれ
1981年 同志社大学経済学部卒業
1983年 ダラス大学院経営修士課程(MBA)卒業
(社)日本プロゴルフ協会(PGA)会員、A級インストラクター
 文部科学大臣認定ゴルフ教師
1997年 PGAコンベンションティーチング部「優秀賞」受賞
1999年 PGA 研究発表 「最優秀賞」受賞
2000年 高知工科大学起業家コース博士後期過程入学
2001年 PGAコミュニケーションプログラム「優秀賞」受賞
2003年 高知工科大学起業家コース博士後期過程終了
主な活動・著書
日本ゴルフ界初の博士プロ。
デビット・レッドベター、ジョー・ティールをはじめ、通訳、翻訳、
インタビュー等を通じて100人を超える海外のティーチングプロと親交を持つ。 主な著書
「ザ・ゴルフボール」ごま書房
「驚異の新ハンマー打法」ごま書房
「ゴルフが上手くなる考え方」週刊パーゴルフ
「目からうろこが落ちまっせ」ゴルフ&ゴルフ
「一人でやれるコンペ必勝法」スポーツニッポン
「ナチュラルゴルフスイング」週刊パーゴルフ
「45分でゴルフがうまくなる!」PHP研究所
「Tee あんどTea」読売新聞のゴルフコラム
東香里ゴルフセンタ― 所属