【この記事は2020-2-07に大西久光ブログに掲載したものを転載しております】
前回の記事で私は、「見せるゴルフ」として、観客に喜んで貰えるような運営に変えてほしい。という意見を述べさせて貰った。
というのも、1990年ゴルフ界のバブルが崩壊して30年、当時と現在をデータでみると、ほとんどのデータが当時の60%に大きく落ちこんでいるからである。
2020年男子ツアーは25競技、賞金総額32.6億円と発表されたが、バブル最高潮の1990年は44競技、賞金総額32.9億円だった。
競技数はー19と大きく落ち込んでいだが、1競技平均でみると、1990年の1試合平均賞金額は約7500万円。30年後の2020年は平均賞金額が約1.3億円。
不況のゴルフ業界の中で競技数は減少したが、賞金は増加しているから、すべての競技に参加できるシード選手にとっては都合の良い状況だ。
しかし、シード権のない、これからの若いスター候補のプロにとって、競技数が少なく、競技経験を積めないことは致命的だ。シード権のないプロが出場したいアベマツアーも3競技減少しているから、次世代のプロを育てる環境は劣化した。
これではフレッシュな若いスターは出てきにくい。
この状態を改善するためには視聴者が楽しめる競技を増やすしかない。
視聴者がゴルフを見放したら「見せるゴルフ」は終わりになる。
大会数やその賞金が減少しても困るのはプロだけなのだから、トーナメントプロ自身が意識改革して、ファン目線で考えることだ。
1957年カナダカップ優勝して、ゴルフブームのきっかけを作った大功労者の中村寅吉氏も大きな賞金を手にしたことはないし、1969年杉本英世が日本オープンで優勝した時の賞金は50万円だった。
過去の功労者と比べ、現在のトーナメントプロがいかに恵まれているか?
プロゴルファーは強ければ、「大きな賞金を貰えて当然」と、考えているかもしれないが、「ファンから賞金を頂いている」と、いう感覚が薄いのではないか?
今こそ、トーナメントプロが一丸となって、ファンサービスを考え、大会数やその賞金が減少しないように行動する時である。
視聴者が楽しめない競技であれば、いずれ滅んでいく。。。
現状のままであれば、競技数も賞金総額も減少していくだろう。
今、ツアー機構の経営、運営に批判が強いが、トーナメントプロの意識改革ができない限り、ファンから見放され、さらに競技や賞金が減少することになる。
大相撲、プロ野球、サッカーその他多くの「見せるスポーツ」がファン目線になり、いかに楽しんで貰えるかを考えている時男子ゴルフがその一角に残れるかどうかの、瀬戸際にあると強く感じている。
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