ゴルフ競技の発展という意味ではオリンピックはあくまでもアマチュアで構成させた方が良い結果を与えたかもしれない
私が今回取材撮影して感じたのは、ゴルフに関しては競技の面白さを周知し、ゴルフ競技の発展という意味ではオリンピックはあくまでもアマチュアで構成させた方が良い結果を与えたかもしれないということ。結果として、世界ランキングの上位の選手が男子女子ともにメダルを獲得したわけだから。
結局大人の話にはなるが、ゴルフ協会からしても衰退し続けるゴルフ競技者を復活させるという目的は明白で、その手段としてオリンピックを利用したいのであれば、そうすべきである。なぜならプロ試験に受かったとしても、収入を得ることが難しいゴルフの世界で、少しでもアマチュアでいるメリットを出す必要が急務のはず。世界的に見てもアジアでゴルフが盛んなのは日本と韓国だけであろう。
そこに潜在的に眠っている、人口の多い中国やインドの選手が世界的に活躍すれば、それはゴルフ業界においても大きな起爆剤となるのは間違いないし、そうなれば日本の隣国でもあり、日本のゴルフ業界も少しは明るくなるのではないだろうか?
あと女子でいえば野村敏京選手が大健闘と言えるだろう。最終日はトーナメントリーダーでボギーなしの6アンダー、ホールアウト直後は3位とメダル圏内まで上がっていた。ホールアウト後、後ろにはまだ5組控えておりその5組の結果待ちだったが、可能性としては十分メダル獲得の可能性はあった。結果は、メダルに1アンダー届かなかったが4位でホールアウトという結果には本人も満足していたであろう。
女帝の朴仁妃選手が圧倒的強さで優勝し、韓国ゴルフ界の底力を示した結果となった。またリオオリンピックでは世界ランキング上位15位以内に多く集まっている国は最大4名まで出場できるレギュレーションがあり、韓国は世界であと女子でいえば野村敏京選手唯一4名出場した国だった。
銀メダルニュージーランドのリディア・コー選手も韓国系ニュージーランド人で史上最年少である17歳で世界ランキング1位となった選手で昔から優勝した朴仁妃選手と常に優勝争いをし続けている。
開催コースはオリンピック終了後十年間、パブリックコースとして開放される
あとオリンピックのコースだが、起伏もあまりなくコースとコース間が非常に隣接していて正直日本のゴルフ場にはない形状だ。言い方を悪く言えば、日本の河川敷コースを大きくした感じだが、ブラジルのゴルフ人口を増やすためのコースを思えば凄くイージーで、入門者にも受け入れやすいコースとなっているだろう。
周りの環境としては、元々計画された段階では環境保護地域の一部をコースとして設計されたため非常によく、また車などのアクセスもいい場所である。
またオリンピック終了後十年間はパブリックコースとして開放されることも決まっており、気軽にゴルフに触れる機会が増えることを狙いとしているそうだ。このコースのほかにリオには3つのゴルフ場が存在するが、そのすべてがプライベートコースとなっている。
サッカーは先進国のブラジルだがオリンピックをきっかけにどれだけ発展していくのかをひそかに注目していきたい。
またブラジル人選手が、いつしか日本のツアーに参加してくれることを今から凄く楽しみにもできる。実際、ブラジル人選手の男子は1オーバーのダ・シルバ選手、女子はナグル選手とラブレイディ選手と2人を出場させた。
このように今後伸びていきそうな選手を追い続けていくという撮影は私が目指すカメラマン像でもあるので、非常に楽しみだ。(続)
GOLF&GOLF 1月号 掲載
- ★Sports photograph 小中村政一★
http://www.purosangue.co.jp/