ゴルフ練習場で勤務する者が、「日本のゴルフを良くするために」思う事 ゴルフ練習場勤務 今井 和浩

第2回JGJA論文大賞決定

私の提言「日本のゴルフをよくする」というテーマで、広く一般から募集した「第2回JGJA論文大賞」の入賞者が決定した。
大賞受賞者は東京ゴルフ専門学校に通う湯浅武晴さん(61歳)、準大賞はゴルフ練習場勤務の今井和浩さん(44歳)が受賞した。
応募者の名前経歴等を完全に伏せた状態で当協会の理事全員で審査の結果、大賞、準大賞を選定した。当号では、大賞作品、準大賞作品に加え、興味深い主張が展開されている入賞2作品を掲載した。


 

ゴルフ練習場で勤務する者が、「日本のゴルフを良くするために」思う事

ゴルフ練習場勤務 今井 和浩
大阪府枚方市 44歳

私は24年前からゴルフ練習場で勤務しています。練習場で勤務する者として、最近の日本のゴルフ事情を見て思うことは、「手軽なスポーツになりつつあるなぁ~」という事です。一番はっきりわかる変化は、ゴルフ練習場を利用している年齢層です。20年ほど昔は、明らかに40~50歳代以上の方が多く利用されていらっしゃいましたが、現在では、20~30歳代の方が、利用者の半分近くを占めるほどの状況になってきています。

利用者の性別をみても、明らかに女性層が増えてきており、深夜の練習場でも女性が数人のグループで練習する光景を見かけることも多くなっています。また、数十年前に比べて、明らかに高年齢の方の健康度のレベルも高くなり、ゴルフで体を動かすことがたやすくできるお年寄りも増え、1週間に数日ゴルフ練習に通われる方も珍しくありません。

さらに、子供の活動や行動に興味を持つ親が多くなり、子供とともに時間を過ごすためや、コミュニケーションの手段として、子供とともにゴルフ練習を楽しむ親たちが増えていると思います。子供にとっても、昔と違ってゲームやテレビなどでゴルフに親しむ機会が増え、ゴルフが身近なスポーツとなってきているのでしょう。

このように、多くの方が気軽にゴルフを楽しむようになった現況を見て、私が考える今後の日本のゴルフを良くしていくために必要と思われる事は、

①ゴルフ動作やゴルフ知識に関して、明確な指導やアドバイスが手軽に聞けたり受けたりすることができる環境や施設の確立。
―例えば、ゴルフコースやゴルフ練習場で働くスタッフは、全員が必ず一定の共通したゴルフ基礎知識および技術指導講習会を受け、施設利用者からの要望があれば、業務に支障が出ない範囲でゴルフのアドバイスを行う。

②ゴルフ場やゴルフ練習場において、安全面や爽快さ、健康面の向上を考慮した施設や環境つくり
―例えば、ゴルフコース及びゴルフ練習場施設内に、医療やリラクゼーションなど健康管理に関する施設や、趣味の習得や知識の獲得などの情報設備を充実させる。これにより単にスポーツとしての利用ばかりでなく、年齢や性別の違う人でもさまざまに複合的な要素が体感できる利用環境を作り出す。

③年齢や体力、技量に合わせて誰でも参加できる新たな競技方法やルールの確立
―例えば、ゴルフコースでは、年齢に応じてティーマークを変えるのではなく、基準打数に違いを設けるとか、18ホールプレーにこだわらず、3ホールプレーや6ホールプレーなど、短時間でプレーできる流れを作る。あるいは、バンカーに入った場合もプレーヤーの希望に応じてウオーターハザードの処置対応にするなど……。

この他に今後、日本のゴルフを良くしていくには、やはりゴルフに関係するさまざまなプロ(ツアープロ、ティーチングプロ、ゴルフ用品製作者、練習場管理者、コース設計者、コース管理者など)が、一般の方々と交流する機会を増やすことが大切です。それぞれのプロが知っている、ゴルフコースや練習場で、ゴルフの楽しみ方や面白さの情報を広く提供していくことだと思います。