出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
天 衣 無 縫(てんいむほう)
- 無邪気で飾り気のない様子。
- フランス革命の際、暴徒たちが王の居室にまで乱入したが、その時、フランス国王ルイ十六世、暗愚なりと雖も、からから笑つて矢庭に暴徒のひとりから革命帽を奪ひとり、自分でそれをひよいとかぶつて、フランス万歳、と叫んだ。血に飢ゑたる暴徒たちも、この天衣無縫の不思議な気品に打たれて、思はず王と共に、フランス万歳を絶叫し、王の身体には一指も触れずにおとなしく王の居室から退去したのである。(太宰治『津軽』)
- 詩歌に飾り気がなく、しかも美しいこと。
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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推量・意志 |
天衣無縫だろう |
未然形 う
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過去・完了 |
天衣無縫だった |
連用形 た
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否定形 |
天衣無縫でない |
連用形 ない
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自動詞化 |
天衣無縫になる |
連用形 なる
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言い切り |
天衣無縫だ |
終止形のみ
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名詞化 |
天衣無縫なこと |
連体形 こと
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仮定条件 |
天衣無縫ならば |
仮定形 ば
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様態 |
天衣無縫そうだ |
語幹 そうだ
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- 前蜀牛嶠『霊怪録・郭翰』中の句「徐視其衣並無縫,翰問之,曰『天衣本非針線為也』」(天女の衣には縫い目がないという伝説を伝える)より。
- 普通話: tiānyīwúfèng
- 國語: ㄊㄧㄢ ㄧ ㄨˊ ㄈㄥˋ
天 衣 無 縫(簡体字:天衣无缝)
- 物事が完璧で、不整合なところがない。
- 詩歌に飾り気がない様子