SYSTEM246
SYSTEM246(システム246)は、ソニー・コンピュータエンタテインメントが開発したPlayStation 2ベースの互換基板にナムコ(後のバンダイナムコアミューズメント)が開発したI/O基板を組み合わせた構成のアーケードゲーム基板(ハード)である[1]。
概要
[編集]ナムコ独自設計のSYSTEM23、PlayStation互換のSYSTEM12と11それぞれの後継基板にあたる。ネットワークゲームの対応、違法コピー防止用にセキュリティの高いドングルを採用などの特徴がある。246という名前はソニー・コンピュータエンタテインメントの社屋が国道246号線そばにあったことに由来する[2]。
SYSTEM246にはいくつかバージョンがあり、メモリが少ない無印版、ラックA、ラックBはソニーから供給された業務用専用のPlayStation 2ボードとナムコ製のI/O基板を組み合わされた構成になっている。ラックCと呼ばれるバージョンはソニーからICチップのみの供給が解禁され、基板が1枚に、ネットワーク接続端子が標準装備となり筐体が小型化された。
上位基板としてEE GSに差し替わり、CPUのクロックアップとVRAMを2倍に強化した「SYSTEM256」やさらに性能向上を図った「SYSTEMスーパー256」、SYSTEM256の廉価版としてストレージにフラッシュメモリを使ってネットワーク機能をオプション化するなどした「SYSTEM147」が存在する。
変わったところではパチスロ機『鉄拳R』[注釈 1]の液晶演出部分の基板にも使われている。
SYSTEM246・SYSTEM256・SYSTEM147の修理サポートは部品調達難に伴い、バンダイナムコアミューズメントはほとんどのタイトルが2017年10月に終了した他[3]、カプコンの全タイトルも2019年2月28日に終了した[4]。SYSTEMスーパー256を唯一採用している『タイムクライシス4』も、2018年6月に修理サポートを終了することが発表された[5]。
主なタイトル
[編集]発売されたタイトル
[編集]稼働時期 | 作品名 | 開発元 発売元 |
備考 |
---|---|---|---|
2000年11月 | リッジレーサーVアーケードバトル | ナムコ | PlayStation 2用ソフト『リッジレーサーV』のアレンジ移植[6]。 |
2001年3月[7] | ヴァンパイアナイト | ワウエンターテインメント ナムコ |
ワウエンターテインメントにとっては初めてのナムコ作品で、システムは同社が開発した『THE HOUSE OF THE DEAD』をベースとしている[8]。 |
2001年12月 | 湾岸ミッドナイト | ナムコ | 同名漫画のゲーム化[9] |
湾岸ミッドナイトR | ナムコ | 『MAXIMUM TUNE』と『2』はChihiro、『3』はSystem N2を採用。 | |
2002年7月[10] | ソウルキャリバーII | ナムコ | |
2006年3月 | ソウルキャリバーIII ARCADE EDITION | ナムコ | [注釈 2] |
ブラッディロア3 | エイティング | ||
テクニクビート | アリカ | ||
バトルギア3 | タイトー | ネットワークシステム「NESYS」対応[12] | |
バトルギア3 Tuned | タイトー | ||
2001年7月[13] | 鉄拳4 | ナムコ | |
2003年4月 | タイムクライシス3 | ナムコ | タイムクライシスシリーズ第3弾[14] |
2003年 | ドラゴンクロニクル | ナムコ | 2008年までオンラインに対応していた[2]。 |
2003年 | PRIDE GP 2003 | カプコン | 同名PS2用ソフトのアーケード移植版[15] |
クイズ機動戦士ガンダム 問・戦士 | |||
2003年9月 | 機動戦士Ζガンダム エゥーゴvs.ティターンズ | カプコン バンプレスト |
バンダイ、カプコン、バンプレスト、KDDIによる「4社合同ガンダムプロジェクト」の第2弾[16] |
2004年[注釈 3] | 機動戦士Ζガンダム エゥーゴvs.ティターンズDX | カプコン バンプレスト |
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CAPCOM FIGHTING Jam | |||
みんなで鍛える全脳トレーニング | |||
あそんでゲッチュ! とっとこハム太郎 | |||
戦国BASARA X | カプコン[18] | ||
2008年 | Fate/unlimited codes | エイティング カプコン[19][20] |
稼働時期 | 作品名 | 開発元 発売元 |
備考 |
---|---|---|---|
2004年 | 鉄拳5 | ナムコ | ナムコで初めてISDNによるネットワークサービスに対応[21] |
2005年11月 | コブラ・ザ・アーケード | ナムコ | 漫画『コブラ』のゲーム化[22] |
鉄拳5 DARK RESURRECTION | ナムコ | 『鉄拳5』のバージョンアップ版[23] | |
太鼓の達人 | ナムコ | 『7』から『14』まで。『1』~『6』まではSYSTEM10を、新筐体~『グリーンVer』まではSYSTEM357を採用。 | |
2005年 | 超ドラゴンボールZ | バンプレスト | テレビアニメ『ドラゴンボールZ』を原作とする対戦型格闘ゲーム[24] |
ドルアーガオンライン THE STORY OF AON | |||
機動戦士ガンダムSEED 連合vs.Z.A.F.T. | SYSTEM246互換機能のみを使用 | ||
機動戦士ガンダムSEED DESTINY 連合vs.Z.A.F.T.II | SYSTEM246互換機能のみを使用 | ||
THE IDOLM@STER | ナムコ | ||
2006年 | THE BATTLE OF幽遊白書 -死闘!暗黒武術会- | バンプレスト | 漫画『幽☆遊☆白書』を原作とする対戦型格闘ゲーム[25] |
2007年3月 | クイズ&バラエティ すくすく犬福2 もっとすくすく | ハムスター/AMI[26] | |
2006年 | キン肉マン マッスルグランプリ | バンプレスト | 漫画『キン肉マン』を原作とする3D対戦型格闘ゲーム[27] |
2007年 | キン肉マン マッスルグランプリ2 | バンプレスト | 『キン肉マン マッスルグランプリ』の続編[28] |
機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム | バンプレスト | 『機動戦士ガンダム VS.」』シリーズの1作品[29] | |
機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム NEXT | バンプレスト | 『機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム』の続編[30] |
- SYSTEMスーパー256
- SYSTEM147
組み込み専用で小型化されており、汎用筐体で動作するビデオゲーム基板としての使用例はない。 旧PlayStation互換の廉価基板SYSTEM10が使われていた場面を置き換える形で使用されているほか、海外向けマシンやモニター画面がついた子供用の乗り物など、高度な描画能力が必要ない用途で多く使用されている。
開発中止となったタイトル
[編集]- SYSTEM246
- CAPCOM FIGHTING ALL STARS
- スターブレード オペレーションブループラネット
関連項目
[編集]- Triforce - ゲームキューブ互換アーケードゲーム基板
- NAOMI - ドリームキャスト互換アーケードゲーム基板
- Chihiro - Xbox互換アーケードゲーム基板
- SYSTEM357 - PlayStation 3互換アーケード基板。本基板の後継基板にあたる。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ "PRESS ROOM/ナムコ、「システム246」(仮称)を発表" (Press release). ナムコ. 31 August 2000. 2024年10月26日閲覧。
- ^ a b "『ワニワニパニック』開発者からグループ会長にまで上り詰めた男が語る、ナムコ激動の40年。創業者・中村雅哉との思い出、バンダイ経営統合の舞台裏【バンダイナムコ前会長・石川祝男インタビュー:ゲームの企画書】(2ページ目)". 電ファミニコゲーマー – ゲームの面白い記事読んでみない? (Interview). Interviewed by TAITAI. 14 September 2018. 2024年10月25日閲覧。
- ^ 保守終了一覧バンダイナムコテクニカ 2017年10月1日
- ^ 弊社製品のサービス対応終了に関するご案内カプコン 2018年11月12日
- ^ 『㈱バンダイナムコアミューズメント商品の保守対応終了について』 バンダイナムコテクニカ 2018年6月7日
- ^ “SBG:システム246採用のAC版「リッジV」稼動開始”. SOFTBANK GAMES (2000年11月30日). 2024年10月25日閲覧。
- ^ “ナムコ・セガが共同開発!ガンSTG『ヴァンパイアナイト』公式サイトオープン! - 電撃オンライン”. dengekionline.com (2001年6月19日). 2024年10月25日閲覧。
- ^ “SBG:ナムコに話題の新作「ヴァンパイアナイト」が登場”. nlab.itmedia.co.jp (2001年2月23日). 2024年10月25日閲覧。
- ^ "PRESS ROOM/ナムコ、業務用レースバトルゲーム「湾岸ミッドナイト」を販売". www.bandainamcoent.co.jp (Press release). 11 December 2001. 2024年10月25日閲覧。
- ^ "ナムコ、業務用3D武器格闘ゲーム「ソウルキャリバーⅡ」を発売" (PDF) (Press release). ナムコ. 25 June 2002. 2024年10月25日閲覧。
- ^ “ソウルキャリバーIII ARCADE EDITION”. アミューズメント・ジャーナル. 2024年10月25日閲覧。
- ^ “バトルギア3”. am-j.co.jp. 2024年10月25日閲覧。
- ^ "PRESS ROOM/ナムコ、業務用ゲーム「鉄拳4」を発売". www.bandainamcoent.co.jp (Press release). 31 July 2001. 2024年10月25日閲覧。
- ^ "業務用ガンシューティングゲーム「タイムクライシス3」を発売!" (PDF) (Press release). ナムコ. 1 April 2003. 2024年10月25日閲覧。
- ^ “アーケードに参戦! カプコン、「PRIDE GP 2003」8人の選手を紹介”. Game Watch. インプレス (2003年9月1日). 2024年10月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月20日閲覧。
- ^ "『機動戦士Zガンダム エゥーゴvs.ティターンズ』 プレイステーション2ソフト・業務用ゲームで登場" (PDF) (Press release). バンダイ、カプコン、バンプレスト、KDDI. 18 September 2003. 2024年10月26日閲覧。
- ^ “機動戦士Zガンダム エゥーゴvs.ティターンズDX”. アミューズメント・ジャーナル. 2023年3月20日閲覧。
- ^ “ロケテストも敢行――謎の格闘ゲームは「戦国バサラX(クロス)」”. ねとらぼ. 2024年10月25日閲覧。
- ^ “アーケード対戦格闘として登場――「Fate/unlimited codes」”. ねとらぼ (2007年11月16日). 2023年3月20日閲覧。
- ^ “TYPE-MOONの人気作品がアーケードゲームに! カプコン、AC「フェイト/アンリミテッドコード」”. game.watch.impress.co.jp. 2024年10月25日閲覧。
- ^ "業務用3D対戦格闘ゲーム「鉄拳5」を今秋発売" (PDF) (Press release). ナムコ. 30 June 2004. 2024年10月26日閲覧。
- ^ "業務用ガンシューティングゲーム「コブラ・ザ・アーケード」を発売" (PDF) (Press release). ナムコ. 11 November 2005. 2024年10月26日閲覧。
- ^ “バンダイナムコゲームス、フルHD対応のPS3「鉄拳5 DARK RESURRECTION」をオンライン販売”. game.watch.impress.co.jp (2006年12月8日). 2024年10月26日閲覧。
- ^ “超ドラゴンボールZ”. www.am-j.co.jp. 2024年10月26日閲覧。
- ^ “THE BATTLE OF 幽★遊★白書 ~死闘!暗黒武術会~”. www.am-j.co.jp. 2024年10月26日閲覧。
- ^ “クイズ&バラエティすくすく犬福2~もっとすくすく~”. www.am-j.co.jp. 2024年10月26日閲覧。
- ^ “キン肉マン マッスルグランプリ”. www.am-j.co.jp. 2024年10月26日閲覧。
- ^ “キン肉マン マッスルグランプリ2”. www.am-j.co.jp. 2024年10月26日閲覧。
- ^ “機動戦士ガンダムVS.シリーズ最新作はまるで学園祭のよう――その名も「機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム」発表”. ねとらぼ (2007年9月13日). 2024年10月26日閲覧。
- ^ “第46回「アミューズメントマシンショー」ブースレポート~バンダイナムコ編1”. game.watch.impress.co.jp (2008年9月18日). 2024年10月26日閲覧。