コンテンツにスキップ

STS-51-B

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
STS-51-B
STS-51-Bでのチャレンジャーの打上げ
任務種別微小重力実験
運用者NASA
COSPAR ID1985-034A
SATCAT №15665
任務期間7日8分46秒
飛行距離4,651,621 km
周回数111
特性
宇宙機チャレンジャー
打ち上げ時重量111,980 kg
着陸時重量96,373 kg
ペイロード重量15,610 kg
乗員
乗員数7
乗員ロバート・オーバーマイヤー
フレデリック・グレゴリー
ドン・リンド
ノーマン・サガード
ウィリアム・ソーントン
ロデウェイク・ファン・デン・バーグ
王贛駿
任務開始
打ち上げ日1985年4月29日 16:02:18(UTC)
打上げ場所ケネディ宇宙センター第39発射施設
任務終了
着陸日1985年5月6日 16:11:04(UTC)
着陸地点エドワーズ空軍基地第17滑走路
軌道特性
参照座標地球周回軌道
体制低軌道
近点高度346 km
遠点高度352 km
傾斜角57.0°
軌道周期91.5分

前列:左から、オーバーマイヤー、グレゴリー
後列:左から、リンド、王、サガード、ソーントン、ファン・デン・バーグ

STS-51-Bは、アメリカ航空宇宙局(NASA)のスペースシャトル計画の17回目の飛行であり、チャレンジャーにとって7回目の飛行である。1985年4月29日のチャレンジャーの打上げは、打上げ作業管理上の不具合のため、2分18秒遅れた。チャレンジャーは、当初STS-51-Eのミッションで用いられる予定で発射台に運ばれたが、TDRS-B衛星のタイミングの問題が発生し、戻された。STS-51-Eが中止になると、チャレンジャーはSTS-51-Bのペイロードを積み直した。シャトルは、1週間のミッションの後、1985年5月6日に帰還した。

乗組員

[編集]

バックアップ

[編集]
  • ペイロードスペシャリスト1 - マリー・ジョンストン
  • ペイロードスペシャリスト2 - ユージン・トリン

ミッションの概要

[編集]

チャレンジャーは、1985年4月29日午後0時2分(EDT)にケネディ宇宙センターの第39発射施設Aから打ち上げられた。乗組員は、船長のロバート・オーバーマイヤー、操縦手のフレデリック・グレゴリー、ミッションスペシャリストのドン・リンド、ノーマン・サガード、ウィリアム・ソーントン、そしてペイロードスペシャリストのロデウェイク・ファン・デン・バーグ、王?駿であった[1]。以前のスペースラブのミッション(STS-9)と同様に、乗組員は12時間毎のシフトの2組に分かれ、オーバーマイヤー、リンド、ソーントン、王はゴールドチーム、グレゴリー、サガード、ファン・デン・バーグがシルバーチームとなった。

STS-51-Bは、欧州宇宙機関のスペースラブの2回目の飛行であり、スペースラブモジュールが完全な形態となって初めてのミッションとなった。スペースラブでは、複数の微小重力実験が可能であることが示された。オービタの高度は非常に安定で、デリケートな材料実験や流体力学の実験を行うことができた。乗組員は、12時間毎のシフトで運営を行った。2匹のリスザルと24匹のラットが檻に入れられて宇宙を飛び[2]、これはアメリカ合衆国にとって、ヒト以外の哺乳類をスペースシャトルに乗せた2回目の飛行となった。軌道上の乗組員は、ジョンソン宇宙センターに置かれた管制センターから24時間のサポートを受けた。

このミッションで、スペースラブでは15個の実験が行われ、そのうち14個は成功した。2つのGetaway Special実験では、この計画で初めて、キャニスターから放出される必要があった。これらは、NUSAT(Northern Utah Satellite)とGLOMR(Global Low Orbiting Message Relay Satellite)であり、NUSATの放出には成功したが、GLOMRは放出されず、そのまま地球に帰還した。

チャレンジャーは、1985年5月6日午後0時11分に、7日間と8分46秒のミッションを終え、無事エドワーズ空軍基地に着陸した。

チャレンジャー号爆発事故との関係

[編集]

1986年のチャレンジャー号爆発事故の調査に参加した際、オーバーマイヤーは、STS-51-Bの打上げの際にも、事故に繋がったものと同様のOリングの問題が発生していたことを知った。ATKランチ・システムズ・グループの技術者は、このミッションの後、リンデに対し、「あなたたちは死まで0.3秒のところにいた。左側の固体燃料ロケットのOリングには問題が発生していた」と語っていた[3]

出典

[編集]
  1. ^ Fichtl, George H.; Theon, John S.; Hill, Charles K.; Vaughan, Otha H.. “Spacelab 3 Mission Science Review”. NASA. Marshall Space Flight Center. 27 September 2011閲覧。
  2. ^ PROGRAMS, MISSIONS, AND PAYLOADS STS-51B/Spacelab 3, NASA
  3. ^ NASA Johnson Space Center Oral History Project”. Don L. Lind oral history transcript (May 27, 2005). 2013年10月29日閲覧。

外部リンク

[編集]