S-GPS
S-GPS（エスジーピーエス 英語：Simultaneous GPS ; サイマルテニアスGPS）は、携帯電話でGPSの受信信号とCDMA通信を同時に動作させる技術。
CDMA方式の携帯電話から発信された緊急通話であるエンハンスド911に於いて発信者の位置を特定するため、ユーザーの位置情報を取り扱う技術であるセルラー・ジオロケーションと携帯電話に内蔵されたGPS受信機が使用される。TM-GPSと呼ばれる時分割多重化技術を用いることで、電話の位置情報とGPS信号の受信を交互に受信できるため、受信機は一台で済む。
S-GPSは、携帯電話でGPS情報と音声データを同時に受信できるため受信感度も向上し、電気通信事業者（キャリアサービスプロバイダ）もユーザーの現在地ベースのサービスを提供することが可能となる[1][2]。なお、1つのアンテナで2つの周波数帯を共有するため、音声信号がGPS回路に流れるなど設計上の課題が生じるが[3]、クアルコムなどがS-GPSチップセットの商品化に成功したことで、新しい端末にはこの方式が採用されている[4]。
脚注
[編集]- ^ Milette, Greg; Stroud, Adam (2012-05-18) (英語). Professional Android Sensor Programming. John Wiley & Sons. p. 6. ISBN 9781118240458
- ^ “Geolocation”. IT用語辞典バイナリ. 2022年8月23日閲覧。
- ^ Xu, Y.; Wang, K.; Pals, T.; Hadjichristos, A.; Sahota, K.; Persico, C. (1 September 2007). “A Low-IF CMOS Simultaneous GPS Receiver Integrated in a Multimode Transceiver”. 2007 IEEE Custom Integrated Circuits Conference: 107–110. doi:10.1109/CICC.2007.4405692. ISBN 978-1-4244-0786-6.
- ^ “Improving S-GPS sensitivity”. Avago Technologies (2008年6月1日). 2022年8月23日閲覧。
関連項目
[編集]- IPアドレス
- 緊急通報位置通知 - 日本でも110番、119番、118番などに通報した時点で通報者の位置情報がピンポイントで表示される。
- 非通知 - 184を頭に付け緊急対応機関に通報を行うと基本的に位置情報は非表示となり、電波対応を行った基地局の情報となる。
