Rain (大江千里の曲)
「Rain」 | ||||||||||
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大江千里の楽曲 | ||||||||||
収録アルバム | 『1234』 | |||||||||
リリース | 1988年7月21日 | |||||||||
録音 |
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ジャンル | J-POP | |||||||||
時間 | 4分47秒 | |||||||||
レーベル | EPIC/SONY RECORDS | |||||||||
作詞者 | 大江千里 | |||||||||
作曲者 | 大江千里 | |||||||||
プロデュース | 大江千里 | |||||||||
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「Rain」 | ||||||||
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大江千里 の シングル | ||||||||
リリース | ||||||||
規格 | 7インチシングル | |||||||
レーベル | GREAT TRACKS | |||||||
作詞・作曲 | 大江千里 | |||||||
チャート最高順位 | ||||||||
後述を参照 | ||||||||
大江千里 シングル 年表 | ||||||||
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「Rain」(レイン)は、大江千里の楽曲である。1988年に発売された7作目のオリジナル・アルバム『1234』の4曲目に収録された。作詞作曲は大江千里。オリジナル版の編曲は大村雅朗。後に『Sloppy Joe』や『2000 JOE』などのベスト・アルバムに収録され、2018年に発売された『Boys & Girls』には、ジャズ調のインストゥルメンタルが収録された。
楽曲が発表されて以降、槇原敬之や秦基博など多数のアーティストによってカバーされており、秦によるカバー・バージョンがBillboard Japan Hot 100で最高位64位を記録した。
曲の構成・リリース
[編集]歌詞は雨が降る街並みや人を想う不安定な心情を描いたもの[1]。大江は本作の情景について「つつじヶ丘や調布市にあるロータリーを想い描いていた」としている[2]。曲の中で幾度か転調し、その瞬間で歌詞の時系列が進むという構成になっており、Aメロ部分にはカノン進行が使用されている[3]。
1988年7月21日にEPIC/SONY RECORDSからアルバム『1234』が発売され、「Rain」は「ROLLING BOYS IN TOWN」と「ハワイへ行きたい」の間の4曲目に収録された[4]。その後『Sloppy Joe』や『2000 JOE』などのベスト・アルバムにも収録された。2008年のジャズ・ピアニストへの転向後は、本作をジャズ調にリアレンジしたインストゥルメンタルとして演奏しており、2018年に発売されたアルバム『Boys & Girls』には、このジャズ調のインストゥルメンタルが収録されている[5][6]。 楽曲制作当時にディレクターを担当していた松浦善博は、本作を聴いてシングル化を希望していた[7]が、長らくシングル・カットされることはなかった。
2022年3月18日、デビュー40周年プロジェクトの第1弾として、シングル『Rain』とアルバム『Letter to N.Y.』のアナログ盤を5月25日に完全生産限定で発売することを発表[8]。楽曲の発表から約34年の月日を経てのシングル・カットとなった[9]。シングルのカップリングには、2018年に発売されたアルバム『Boys & Girls』に収録のジャズ・バージョンを収録[8]。盤面はクリアブルー仕様になっていて、ジャケットには大川直人が撮影した写真を使用[8]。
チャート成績
[編集]チャート (2022年) | 最高位 |
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日本 (オリコン)[10] | 57 |
日本 (Top Singles Sales)[11] | 60 |
カバー・バージョン
[編集]「Rain」は他のアーティストによるカバー・バージョンが発表されている。
槇原敬之によるカバー
[編集]「Rain」 | ||||||||||
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槇原敬之の楽曲 | ||||||||||
収録アルバム | 『Listen To The Music』 | |||||||||
リリース | 1998年10月28日 | |||||||||
ジャンル | J-POP | |||||||||
時間 | 5分16秒 | |||||||||
レーベル | ソニー・ミュージックレコーズ | |||||||||
作詞者 | 大江千里 | |||||||||
作曲者 | 大江千里 | |||||||||
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槇原敬之は、1998年に発売したカバー・アルバム『Listen To The Music』で「Rain」をカバー[12]。大江は槇原のカバー・バージョンをコンサートのMCで称賛しており、槇原は「僕らが影響を受けた時代の男性シンガーソングライターの祖のような方なので、すごくうれしかった」とコメントしている[13]。
2014年に発売されたカバー・アルバム『Listen To The Music 3』でもカバーしており[14]、2019年に発売のカバー・ベスト・アルバム『The Best of Listen To The Music』には、2014年に発表した音源が収録されている[15]。槇原は本作について、高校時代から大江の曲の中でも「本当に素晴らしい」と思っていたとし、『The Best of Listen To The Music』に収録した理由について『男性シンガーソングライター』の祖として尊敬している気持ちと、この曲の構成のすばらしさに敬服して
とコメントしている[16]。
秦基博によるカバー
[編集]「Rain」 | |||||||||||||||||||
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秦基博の楽曲 | |||||||||||||||||||
リリース | 2013年5月29日 | ||||||||||||||||||
A面 | 言ノ葉 | ||||||||||||||||||
ジャンル | J-POP | ||||||||||||||||||
時間 | 4分53秒 | ||||||||||||||||||
レーベル | Ariola Japan | ||||||||||||||||||
作詞者 | 大江千里 | ||||||||||||||||||
作曲者 | 大江千里 | ||||||||||||||||||
チャート順位 | |||||||||||||||||||
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2013年2月21日、同年5月31日に公開のアニメ映画『言の葉の庭』のイメージソングとエンディングテーマを秦基博が担当することが発表され、エンディングテーマとして「Rain」のカバー・バージョンが使用されることが合わせて発表された[18][注釈 1]。同映画の監督である新海誠のラブコールに応えてのカバー[18]であるが、秦は本作を知らなかったため、「なぜ監督はこの曲を使おうと思ったのか」を考えたとのこと[21]。アレンジについて、秦は「音楽で少し晴れやかな感情を表現しようと、アレンジャーの皆川(真人)さんとサウンドにこだわって作りましたね。ドラムやコンピュータの打ち込みはわざと80年代っぽくしたり、アコギは自分で弾いたり、サウンドメイクは自分らしくできたと思います」と語っている[21]。また、秦は新海が「エンディングに込めようとした気持ち」もわかっていたことから、「その気持ちを見ている人に手渡すように」エピローグとして仕上げたと説明している[21]。
2013年5月29日にシングル『言ノ葉』[注釈 2]が発売され、「Rain」は2曲目に収録された[22]。Billboard Japan Hot 100では最高位64位を記録[17]。その後、2016年に配信限定で発表されたミニ・アルバム『秦 基博と映画主題歌』[23]や、2017年に発売されたオールタイムベストアルバム『All Time Best ハタモトヒロ』(初回限定はじめまして盤)[24]に収録された。
2013年10月18日に放送されたフジテレビ系『僕らの音楽』では大江と共演し[25]、2016年12月7日に放送されたフジテレビ系『2016 FNS歌謡祭 第1夜』ではmiwaや藤原さくらと共演した[26][27]。
その他のアーティストによる主なカバー
[編集]2006年、TRADITIONAL BOXがシングル『航海』のカップリング曲としてカバー[28]。
2016年、アイドルネッサンスが5月4日にTSUTAYA O-EASTで開催したワンマンライブ「シブヤで2周年を感謝するネッサンス!!」で本作を歌唱[注釈 3]。メンバーの比嘉奈菜子は、大江の楽曲の中で本作を1番好きであることから、「皆さんからのリクエストをもらえて通じ合えてるなって思いました。カバーさせていただけて本当にうれしい」と語っている[29]。同年に朝倉さやがアルバム『日本漬け』でカバー[30][31]。
2019年6月16日に放送されたテレビ朝日系『関ジャム』で、保本真吾と関ジャニがカバー。楽器の編成は、保本がギター、錦戸亮がギター&ボーカル、丸山隆平がボーカル、村上信五がキーボード&ボーカル[32]。
2020年、Wakanaがカバー・アルバム『Wakana Covers 〜Anime Classics〜』でカバー[33]。
2021年、渡辺美里がカバー・アルバム『うたの木 彼のすきな歌』でカバー。編曲は島田昌典が手がけた[34]。また渡辺は、同年12月1日に放送されたフジテレビ系『2021 FNS歌謡祭 第1夜』内の企画「次世代に歌い継ぎたい名曲カバー特集」で、水樹奈々とともに「Rain」を歌唱した[35]。
2022年、花澤香菜がカバー・アルバム『CrosSing Collection vol.1』にてカバー。同プロジェクトは配信でのリリースを先行して行っているが、本曲はCDのみ収録のボーナストラックとなる[36]。同年には入野自由もミニ・アルバム『NO CONCEPT』の豪華盤に付属の特典CDでカバーした[37]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “秦 基博、大江千里「Rain」をカバー 初のアニメ映画ED曲に”. ORICON NEWS. オリコン (2013年2月21日). 2019年12月3日閲覧。
- ^ 水白京(インタビュアー:水白京)「大江千里:ロングインタビュー(下) 最新刊に新海誠監督がコメント 「言の葉の庭」が結んだ“共演”」『MANTANWEB』、MANTAN、2018年1月28日 。2019年12月3日閲覧。
- ^ “関ジャム 完全燃SHOW 2019/02/24(日)23:10 の放送内容”. TVでた蔵. ワイヤーアクション. p. 1. 2022年3月8日閲覧。
- ^ “1234 | 大江千里”. ORICON NEWS. オリコン. 2022年3月8日閲覧。
- ^ 『『Boys & Girls』再び!大江千里デビュー35周年記念作品が9月5日に発売決定!』(プレスリリース)ソニー・ミュージックダイレクト、2018年7月5日 。2019年12月3日閲覧。
- ^ 田中久勝 (2018年11月23日). “大江千里 47歳でジャズピアニストを志し、58歳の今思う、“千里JAZZ”の美学と、目指すべき場所”. Yahoo!ニュース. Yahoo! JAPAN. 2019年12月3日閲覧。
- ^ 大江千里『2000 JOE』(ブックレット)大江千里、エピックレコードジャパン、1999年。
- ^ a b c “大江千里「Rain」と最新アルバムがアナログ化”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2022年3月18日). 2022年3月20日閲覧。
- ^ “大江千里|『Rain』7inchと『Letter to N.Y.』アナログ盤が5月25日発売”. TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード (2022年3月18日). 2022年3月20日閲覧。
- ^ “Rain | 大江千里”. ORICON NEWS. オリコン. 2022年6月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月30日閲覧。
- ^ “Billboard Japan Top Singles Sales | Charts”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2022年6月1日). 2022年6月30日閲覧。
- ^ “雨がうっとうしい6月を楽しめる5曲”. OKMusic. ジャパンミュージックネットワーク (2014年6月16日). 2022年3月8日閲覧。
- ^ (インタビュー)「槇原敬之「The Best of Listen To The Music」インタビュー|ほとばしる愛を詰め込んだマッキーの成分表」『音楽ナタリー』、ナターシャ、3頁 。2019年12月3日閲覧。
- ^ “槇原敬之『Listen To The Music 3』発売記念! 次にカヴァーしてほしい楽曲アンケート”. TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード (2014年1月21日). 2019年12月3日閲覧。
- ^ (インタビュー)「槇原敬之「The Best of Listen To The Music」インタビュー|ほとばしる愛を詰め込んだマッキーの成分表」『音楽ナタリー』、ナターシャ、1頁 。2019年12月3日閲覧。
- ^ 『オフィシャルインタビュー』(インタビュー)、UNIVERSAL MUSIC JAPAN 。2022年4月13日閲覧。
- ^ a b “Billboard Japan Hot 100 | Charts”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2013年6月12日). 2022年3月8日閲覧。
- ^ a b “秦 基博、大江千里「Rain」をカバー 初のアニメ映画ED曲に”. ORICON NEWS. オリコン (2013年2月21日). 2019年12月3日閲覧。
- ^ “秦基博、新海誠の新作「言の葉の庭」EDで大江千里カバー”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2013年2月21日). 2022年3月8日閲覧。
- ^ 『言の葉の庭』 予告篇 "The Garden of Words" Trailer. cwfilms. 21 February 2013. 2022年3月8日閲覧。
- ^ a b c d 平山雄一(インタビュアー:平山雄一)「男女の心の機微を描いた劇場アニメーションに、秦 基博が独自の視点から光を当てる」『Fanplus Music』、Fanplus、2013年5月24日 。2022年3月8日閲覧。
- ^ “秦 基博、ニューシングルのタイトルが『言ノ葉』に決定&初回盤は新海誠監督の描き下ろしジャケット写真”. rockin'on.com. ロッキング・オン (2013年4月14日). 2022年3月8日閲覧。
- ^ “本日配信の『秦 基博と映画主題歌』に、『言の葉の庭』『君の名は。』の新海誠監督がコメント”. SPICE. イープラス (2016年11月8日). 2022年3月8日閲覧。
- ^ “秦基博オールタイムベスト発売、MV集付き初回盤や“はじめまして盤”も”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2017年3月7日). 2022年3月8日閲覧。
- ^ “秦基博、僕らの音楽でD-LITEと「アイ」&大江千里カバーも”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2013年10月16日). 2022年3月8日閲覧。
- ^ “第1夜 | 2016 FNS歌謡祭”. フジテレビ. 2019年12月4日閲覧。
- ^ “「FNS歌謡祭」長渕剛が初登場、コラボ36タイトル明らかに”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2016年12月5日). 2022年3月8日閲覧。
- ^ “discograhy”. TRADITIONAL BOX official web site. 2022年3月8日閲覧。
- ^ a b “アイドルネッサンス、2周年ライブで「皆さん、ベステンダンク!」”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2016年5月6日). 2022年3月8日閲覧。
- ^ ““民謡日本一”朝倉さや、名曲カバー集でエヴァ主題歌、中孝介とのデュエットも”. ORICON NEWS. オリコン (2016年12月20日). 2022年11月27日閲覧。
- ^ 上野三樹(インタビュアー:上野三樹)「朝倉さや「日本漬け」インタビュー」『音楽ナタリー』、ナターシャ、1頁、2016年12月21日 。2022年11月27日閲覧。
- ^ “『関ジャム』雨ソング特集!錦戸&丸山&村上、大江千里の名曲『Rain』を歌う”. テレ朝POST. テレビ朝日 (2019年6月16日). 2022年3月8日閲覧。
- ^ “Wakana | Wakana Covers 〜Anime Classics〜(通常盤) | ビクターエンタテインメント”. ビクターエンタテインメント. 2020年12月28日閲覧。
- ^ “渡辺美里「うたの木」最新作でスピッツ、大江千里、宮本浩次ほかカバー”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2021年8月7日). 2022年3月8日閲覧。
- ^ “「FNS歌謡祭」第2弾でKing Gnu、スピッツ、東京事変、浜崎あゆみ、ENHYPEN、ジェジュン、TXTら”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2021年11月25日). 2022年3月8日閲覧。
- ^ “カバーソングプロジェクト「CrosSing」、林勇が歌う「逆夢」公開。コレクションアルバムも発売決定”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク (2022年7月13日). 2022年7月13日閲覧。
- ^ “入野自由、7thミニ・アルバム発売 竹内まりや「純愛ラプソディ」や大江千里「Rain」カヴァー楽曲収録決定”. CDJournal ニュース. シーディージャーナル (2022年8月5日). 2024年1月31日閲覧。