OpenAFS
OpenAFSは、分散ファイルシステム Andrew File System (AFS) のオープンソース実装の1つ。AFSはカーネギーメロン大学で開発されたもので、商用版はトランザークが開発した(同社は後にIBMに買収された)。2000年8月15日のLinuxWorld誌で、IBMは商用AFS製品をIBM Public Licenseでリリースする計画であることを発表した[1]。これが OpenAFS となった。その後活発な開発が行われ、多数のオペレーティングシステムに移植された(AIX、macOS、Darwin、HP-UX、IRIX、Solaris、Linux、Windows、FreeBSD、NetBSD、OpenBSD など)。
プロジェクト運営
[編集]運営は、今後の戦略的方向性を考える委員会と、ソースリポジトリの管理部門とに分かれている。実際には、ソースリポジトリ管理者は全て委員会のメンバーである。
ライセンス
[編集]OpenAFS のソースコードを所有する法的実体は存在しないが、多くのファイルにはIBMのコピーライトが記述されている。ソースの多くはIPLでカバーされるが、一部のファイルは元の大学のライセンスなどに従う。適用される全てのライセンスはソースリポジトリ内のopenafs/doc/LICENSEというファイルにある。
開発
[編集]オープンソース化後、開発には多数のコントリビュータ[2]が参加して多大な改良が行われ[3]、従来版との相互運用性を保ちつつ AFS3 プロトコルも実装された。また、大掛かりな移植プロジェクトも行われ(64ビット版Windowsサポート、Windows Vistaサポート、Mac OS X v10.4/v10.5サポート)、デマンドアタッチ型ファイルサーバの開発プロジェクトも行われている[4]。
他にも様々な開発プロジェクトが進行している。以下はその一部である。
- ファイルサーバのバックエンドにオブジェクトデータベースを使用するプロジェクト
- rxtcp
- rxgk
- rxk5
- instrumentation framework
- byte-range locking support
配布
[編集]現存のユーザーベースには、単一サーバセルから大規模な国際的学究システム、各種研究所、政府機関、企業など様々な組織が含まれる。運用されているAFSセルのごく一部のスナップショットとして、OpenAFSのパッケージに含まれているCellServDBファイルがある。
商用サポート
[編集]OpenAFSの商用サポートや開発を請け負う企業としてSine Nomine AssociatesやSecure Endpoints Inc.などがある。
脚注
[編集]- ^ Opening up AFS IBM、2000年9月1日
- ^ OpenAFS Contributors openafs.org
- ^ OpenAFS celebrates its 5th birthday by releasing OpenAFS 1.4.0 Jeffrey Altman、2005年11月1日
- ^ Demand Attach / Fast-Restart Fileserver