JRA-UMACA
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JRA-UMACA(ジェイアールエー ウマカ)は、日本中央競馬会が2018年10月より順次導入しているキャッシュレス投票ICカードシステム。中央競馬の競馬場・場外発売施設(ウインズ)でペーパーレスの勝馬投票券を購入できる電子マネーサービスである。
概要
[編集]従前の勝馬投票券は、現金での購入により馬券を発行する形で購入することができていたが、このJRA-UMACAは、専用のICカードを利用することにより、「現金レス・馬券レス」によりスムーズで手軽な馬券購入ができるシステムとなっている[1]。
これを使用することで、馬券の購入記録がカードのデータとして保存(その代わりとしてレシートを発行)されるとともに、払戻金は自動的に振り込まれるため、従前の投票券の払い戻し有効期間「60日間」を気兼ねすることなく馬券を購入することができる。また第三者への悪用を防ぐため、手のひら生体認証(静脈認証)システムを採用している[2]。
UMACAによる電子マネー馬券購入システムは、インターネット投票システムに接続している設定となっており、インターネット投票限定発売でスタートした海外競馬の馬券とWIN5の購入が、UMACAの誕生で競馬場・ウインズでも可能になった(後述)。またUMACAは、以前中央競馬の競馬場・ウインズに存在した「オッズカード」の後継商品を兼ねており、UMACAユーザー向けの情報端末「UMAポート」は、当日のレースのオッズを印刷できる従来のオッズボックスの機能が内蔵されている。
利用方法
[編集]- まず、JRA-UMACAを導入している競馬場・ウインズにて、「UMACA会員」への登録を済ませる必要がある。入会は無料であり、手続きに際して、ニックネーム・生年月日・暗証番号・手のひら認証用の静脈を登録する。年齢を確認するため[注釈 1]運転免許証、パスポート、住民基本台帳カード、マイナンバーカード他、公的機関・自治体などが発行する、顔写真付きの身分証明書を提示すること[3]。
- UMACAカードには、入金専用口座と払戻金・返還金を受け取るための出金専用口座の2つの口座がある。入金口座に投入した金額は「投票専用残高」となり出金はできないが、出金専用口座に振り込まれた払戻金[注釈 2]は「精算可能残高」として出金可能(ただし、有効期限は最終投票日・入出金日から数えて5年)[3]。
- 入金は、導入競馬場・ウインズにある専用の端末装置を用いる。端末にカードをかざして入金ボタンを押す。入金は100円以上10円単位とし、投入した金額を「全額入金」か、「一部入金」かを選んでタッチし、一部入金である場合はその希望入金額を入力したうえで、入金専用口座に入れる。その後確認をしたうえで、もう一度UMACAカードをタッチして、レシートを受け取る。
- 投票は、まずUMACAカードを専用端末にかざし、手のひら認証の場合は端末にあるセンサーに手のひらを載せる。暗証番号の場合は暗証番号(4桁)をタッチする。次に、マークシートカード、スマッピー(スマートフォンの投票アプリ、二次元コードを使用[5])のいずれかを読み取るか、またはタッチパネルで直接入力して、希望する競馬場・レース番号・投票方式・馬(枠)番号・投票金額を入力し、内容を確認したうえで、UMACAカードをタッチして、レシートを受け取る[6]。
- 投票履歴の確認をする場合は暗証作業までは上記と同じやり方で、タッチパネルの「投票履歴」をタッチし、受け付け番号を選択→投票した受け付け番号ごとに投票内容を確認して終了ボタンを押す[6]。
- 入出金履歴を確認する場合も、暗証作業までは上記と同じやり方で、タッチパネルの「入出金履歴」をタッチし入出金した内容を確認して終了ボタンを押す[6]。
- 払戻金・返還金の出金をする場合は、カードをかざし、「出金」のタッチパネルを押したうえで、手のひら静脈による認証を行い[注釈 3]、「全額出金」か「一部出金」かを選んでタッチし、一部出金である場合はその希望出金額を入力して、確認画面を見た後、UMACAカードをタッチして、レシート・現金を受け取る[6]。
- 購入できる競走はJRA主催の中央競馬の全競走(WIN5も含む)、ならびにJRAが指定した日本国外で行われる競馬開催競走(いわゆる「海外馬券」)である[注釈 4]。なお当面の間、海外馬券に関しては、JRAの中央競馬開催日に行われる競走のみが対象であり[注釈 5][7][注釈 6]、平日に行われる海外馬券発売の対象競走、並びに地方競馬、また八大競走のうち、牡馬クラシック三冠・天皇賞・ジャパンカップ・有馬記念で行われている金曜日前売り発売は投票することができない。
- 2019年9月の時点では、JRAの競馬の競走が開催されている10の競馬場はすべて導入済みであり、ウインズについては、システムが整備された会場から順次導入していく[8]。
- 2023年4月からは、このJRA-UMACAの利用額などに応じた特典が利用できる「JRA-UMACAポイントサービス」が開始された[9]。
JRA-UMACA導入履歴
[編集]- ☆をつけた競馬場・ウインズは、特定の指定席にて、「i-Seat」をリニューアルした在席型投票サービス「UMACAシート」が採用されている発売所[11]。
- ◾をつけたウインズ・エクセルは、UMACA投票機のみを設置するキャッシュレス専用の販売場となり通常の勝馬投票券の販売は行われない。
導入済み
[編集]- 2018年9月
- 2018年10月
- 2018年11月
- 2019年4月
- 2019年6月
- 2019年7月
- 2019年8月
- 2019年9月
- 2019年10月
- 2019年11月
- 2019年12月
- 2020年1月
- 2020年2月
- 2020年8月
- 2020年9月
- 2020年10月
- 2020年11月
- 2020年12月
- 2021年4月
- 2021年9月
- 2023年3月
- 2023年11月
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 競馬法により満20歳未満は購入・登録ができないため
- ^ 投票成立後に当該投票に関して発生した返還金を含む。
- ^ 出金に限り暗証番号での認証は認められていない。
- ^ 結局のところIPATと同じ
- ^ 発売時間は各会場ごとの馬券発売開始時刻~当日の営業終了時刻まで。ただし営業終了時刻前までに対象となるレースが行われる場合は、対象レース発走予定時刻の2分前までをもって締め切る。
- ^ ただし、中央競馬開催日に行われるものであっても、アメリカ合衆国など一部の国や地域では、当初出走が予定されていた馬が疾病その他により欠場(出走取消)となった場合、補欠馬上位順位からの繰り上げ処置が発生する可能性があり、その場合UMACA発売ができない場合もある。(例:2021ブリーダーズカップのUMACA投票での発売は行いません)
出典
[編集]- ^ JRAがICカード「UMACA(ウマカ)」の導入を発表、“課税逃れ対策”という声も?(競馬ヘッドライン・2017年10月16日)
- ^ a b JRAキャッシュレス投票サービス「UMACA投票」について(9月22日(土曜)に東京競馬場からサービス開始)(2018年8月20日JRAリリース)
- ^ a b 初めての方へ
- ^ 事前登録とは
- ^ JRAスマッピー
- ^ a b c d e 馬券の購入
- ^ 海外競馬の勝馬投票券 発売のルール
- ^ JRA-UMACA特設サイト・UMACA投票機・UMAポート設置場所
- ^ UMACAポイント
- ^ UMACA投票・スマッピー投票の導入予定
- ^ UMACAシート
- ^ 11月11日(土曜)ライトウインズ阿見へUMACA投票を導入日本中央競馬会、2023年10月2日配信・閲覧