7.5 cm Pak 41
7.5 cm Pak 41 | |
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A preserved 7.5 cm PaK 41 | |
種類 | 対戦車砲 |
原開発国 | ドイツ国 |
運用史 | |
配備先 | ナチス・ドイツ |
関連戦争・紛争 | 第二次世界大戦 |
開発史 | |
製造業者 | クルップ |
製造期間 | 1941-1942 |
製造数 | 150 |
諸元 | |
重量 | 1,356 kg |
銃身長 |
全体 4,322mm 円筒部 2,950mm 円錐部 950mm |
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砲弾 | 75×545 mm. R |
口径 |
砲尾 75mm 砲口 55mm |
仰角 | -10° ~ 18° |
旋回角 | 60° |
発射速度 | 12-14 発/分 |
初速 | 1,125 m/s |
7.5cm Pak 41は、第二次大戦中にドイツ軍で運用された対戦車砲である。
概要
[編集]1939年の7.5cm対戦車砲開発計画に従ってクルップ社が開発し、1941年に採用されたゲルリッヒ砲(口径漸減砲/円錐砲身砲)である。砲身は内径が75mmから55mmへと先細りしていて、砲弾は輪縁(スランジ)が削り絞られた状態で砲口から射出される。Pzgr.41(Hk)の装甲貫徹力は命中角90度の場合、射程1,000mで177mm、1,500mで149mm、2,000mで124mmだった。しかし砲身の摩耗が早く、砲身寿命は約400発に留まっている。また炸薬量は7.5cm Sprgr.34の約27%に留まるが、専用の榴弾である7.5cm Sprgr.41(初速900m/s)も製作されていた。
全体の構造は独特で、二分割型開脚架を防盾に直接接続する事で、重量の軽減と生産の簡易化を図っている。後に、この構造はアメリカ軍の90mm対戦車砲T9に影響を与えている。また砲身は手前から75mm施条部・75mmから55mmへ絞る無施条円錐部・55mm無施条部の三分割式で、摩耗し易い円錐部だけ交換できるようになっていた。
貴重なモリブデン鋼を必要とする他、Pzgr.41(Hk)製造に不可欠なタングステン・カーバイドは海外からの輸入頼りで、大量生産が認められなかった。命中精度にも問題があったとされている[1]。主要装備となった7.5cm PaK 40が重大な敵であったT-34中戦車に対抗できたため、本砲はわずか150門の限定生産に止まった。ただし卓越した火力はKV-1重戦車に有効で、7.5cm PaK 40における有効距離の倍の1,000mでも正面撃破できた[2]。射耗後は大部が廃棄されたが、数門のみラインメタル社製の通常砲身に換装している[3]。
車載版の7.5cm KwK 41はIV号戦車への搭載も計画されたが、タングステン割当の都合により開発中止となった[4]。
なお、日本も7.5cm PaK 41の設計を参考にして、1943年7月に「ゲ式七十五粍対戦車砲」として開発へ着手し、ナト(後の五式七糎半対戦車砲)への搭載も検討していたが[5]、タ弾(成形炸薬弾)の方が優先され、1944年7月に計画を中止している。
装甲貫徹力[6][7] | |||||||||
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比較対象 | 砲弾 | 角度 | 射程 | ||||||
略称 | 弾薬 | 弾種 | 弾重 | 初速 | 弾着角 | 500m | 1,000m | 1,500m | 2,000m |
7.5cm PaK 40 |
Pzgr.39 | APCBC-HE | 6.80kg | 792m/s | 60° | 104mm | 89mm | 76mm | |
Pzgr.40 | APCR | 4.10kg | 930m/s | 60° | 115mm | 96mm | 80mm | ||
Pzgr.40(W) | APCR | 4.10kg | 930m/s | 60° | 69mm | 56mm | 38mm | ||
7.5cm PaK 41 |
Pzgr.41(Hk) | APCNR | 2.58kg | 1,125m/s | 60° | 171mm | 145mm | 122mm | 102mm |
Pzgr.41(W) | APCNR | 2.48kg | 1,230m/s | 60° | 80mm | 67mm | |||
Pzgr.41(St) | APCNR | 1,170m/s | 60° | 110mm | 70mm | ||||
7.5cm KwK 42 |
Pzgr.39/42 | APCBC-HE | 6.80kg | 925m/s | 60° | 124mm | 111mm | 99mm | 89mm |
Pzgr.40/42 | APCR | 4.75kg | 1,120m/s | 60° | 174mm | 149mm | 127mm | 106mm |
出典
[編集]- ^ 広田厚司『ドイツの火砲 制圧兵器の徹底研究』光人社NF文庫, 2002年, 79頁
- ^ ロバート・フォーチェック『オスプレイ“対決”シリーズ12 ドイツ戦車猟兵vsKV-1重戦車 東部戦線1941-'43』大日本絵画, 2013年
- ^ イアン・V・フォッグ/著, 小野佐吉郎/訳『GUNS Ballantine's lllustrated History of World War II』サンケイ出版, 1972年
- ^ 稲田美秋「クルップ社と戦車再武装計画 - 1 -」『PANZER 2006年6月号 No.411』ARGO NAUTS, 2006年
- ^ 陸軍兵器行政本部『第一陸軍技術研究所関係研究事項』アジア歴史資料センター, Ref:C14011074900
- ^ Ian V. Hogg, German Artillery of World War II, Arms & Armour Press, 1975
- ^ Peter Chamberlain, Hilary L. Doyle, Encyclopedia of German Tanks of World War Two, Arms & Armour Press, 1978