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4C 37.11

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
4C 37.11
星座 ペルセウス座
見かけの等級 (mv) 18.5[1]
視直径 1.243 × 0.796 [1]
分類 セイファート銀河[1]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  04h 05m 49.2624s[1]
赤緯 (Dec, δ) 38° 03′ 32.236″[1]
赤方偏移 0.054501 ± 0.000707[1]
視線速度 (Rv) 15894 ± 212 km/s[1]
距離 7億5000万 光年[2]
(2億3000万 pc)
絶対等級 (MV) -18.3
物理的性質
色指数 (B-V) 0.0[1]
色指数 (V-J) 6.196 ± 0.091[1]
色指数 (V-H) 7.473 ± 0.068[1]
色指数 (J-H) 1.277 ± 0.159[1]
色指数 (H-K) 0.480 ± 0.145[1]
他のカタログでの名称
4C 37.11,
B2 0402 37,
B3 0402 379,
BWE 0402 3755,
CJ1 0402 379,
CJF B0402 379,
DW 0402 37,
GB6 B0402 3755,
87GB 040229.6 375521,
IVS B0402 379,
JVAS J0405 380,
1Jy 0402 379,
LEDA 2820486,
MITG J040550 3803,
OHIO A 142,
OHIO F 304,
RGB J0405.8 3803,
RX J0405.8 3803,
S4 0402 379,
TXS 0402 379,
UT 0402 379,
VCS1 J0405 3803,
VSOP J0405 3803,
WB 0402 3755,
WN B0402.5 3755,
MY 040229.2 375524.2,
NVSS J040549 380332,
2MASX J04054928 3803320[1],
4C 37.11,
Galaxy 0402 379[2].
Template (ノート 解説) ■Project

4C 37.11 (Galaxy 0402 379) とは、地球から見てペルセウス座の方向に7億5000万光年離れた位置にあるセイファート銀河である[1][2]

連星ブラックホール

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4C 37.11は、他の多くの銀河と同じく、中心部に超大質量ブラックホールを持つが、そのブラックホールは連星関係にある。4C 37.11の連星ブラックホールは、合計の質量が太陽の約1500万倍もあり、銀河系の中心部にあるブラックホールの3.5倍の質量を持つが、ブラックホール同士の距離はわずか24光年しか離れていない。これは、確実に連星系であると判明している超大質量ブラックホールの中では、最も近い距離にある連星ブラックホールである。4C 37.11の場合は、非常に接近した2つの強力な電波源として分離して観測された。ブラックホールは、互いの重心を15万年かけて公転していると考えられている[2]

4C 37.11のような超大質量ブラックホールの連星は、銀河同士の合体によって生じると考えられている[2]

重力波

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4C 37.11の連星ブラックホールは、重力波の放出によって少しずつ軌道が小さくなっており、最終的には合体して1つのブラックホールになると考えられている。合体時にはとても強力な重力波が放出されると考えられている。しかし、ブラックホールの軌道落下はとても遅く、100京年 (1018年) もかかると考えられている[2]

他の天体との比較

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銀河系の中心部にある超大質量ブラックホールのいて座A*の周辺には、中間質量ブラックホールGCIRS 13Eがわずか3光年の軌道を持つと言われているが、現在ではGCIRS 13Eの正体がブラックホールであるという明確な証拠はない[3]。また、クエーサーOJ 287には、太陽の180億倍もの質量を持つ超大質量ブラックホールの周辺を12年周期で公転する、やはり太陽の1億倍もの質量を持つ超大質量ブラックホールが公転していると言われており、正しければ4C 37.11の連星ブラックホールよりも近い軌道にある事になるが、連星として分離して観測されたわけではない[4]

関連項目

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出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 4C 37.11 -- Seyfert Galaxy SIMBAD
  2. ^ a b c d e f Scientists Find Closest Pair of Supermassive Black Holes Phys.org
  3. ^ The nature of the Galactic Center source IRS 13 revealed by high spatial resolution in the infrared arXiv
  4. ^ A new model for the periodic outbursts of the BL Lac object OJ287 Astronomy Abstract Service

座標: 星図 04h 05m 49.2624s, 38° 03′ 32.236″