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1988年の近鉄バファローズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1988年の近鉄バファローズ
成績
パシフィック・リーグ2位
74勝52敗4分 勝率.587[1]
本拠地
都市 大阪府藤井寺市
球場 藤井寺球場
球団組織
オーナー 佐伯勇
経営母体 近畿日本鉄道
監督 仰木彬
« 1987
1989 »

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1988年の近鉄バファローズ(1988ねんのきんてつバファローズ)では、1988年近鉄バファローズの動向をまとめる。

この年の近鉄バファローズは、仰木彬監督の1年目のシーズンである。

概要

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岡本伊三美前監督の辞任を受け、長くヘッドコーチを務めた仰木彬がこの年から監督に就任。チームは4月を11勝7敗とまずまずのスタートを切るが、4連覇を目指す西武も開幕から好調でそれを追いかける展開。そのさなか4番のリチャード・デービスが大麻所持で6月7日に逮捕され、打線の大黒柱を失ったチームはこの月を7勝9敗と負け越すと7月も7勝6敗1分でなかなか西武との差を縮めることができず後半戦を開幕。デービスに代わって入団したラルフ・ブライアントとバリバリの大リーガー・ベン・オグリビーの活躍で8月に14勝8敗と勝ち越し、9月も10勝7敗と勝ち越して徐々に西武との差を詰めた。10月はBクラスへの取りこぼしもあったが12勝5敗と大きく勝ち越し、2位ながらも近鉄にマジックが点灯。リーグ優勝が懸かったロッテとのダブルヘッダー「10.19」は第1試合に引退を決意していた梨田昌孝の勝ち越しタイムリーで4対3で勝利するが、続く第2試合はリリーフの阿波野秀幸がロッテの高沢秀昭に同点本塁打を浴び、最後は羽田耕一が併殺打で終戦。最終戦で力尽きて2位に終わったが、10.19の雪辱が翌年の「10.12」につながり、9年ぶりのリーグ優勝へとつながった。投手陣は2年目の阿波野をはじめ、山崎慎太郎小野和義ら5人が2ケタ勝利をあげる活躍でチーム防御率3.23は日本ハムに次ぐ2位[2]。打撃陣はブライアント・オグリビーらの活躍でリーグ3位の154本塁打を記録したが、チーム打率は.253のリーグ5位に終わった。

順位 10/1終 10/2終 10/4終 10/5終 10/7終 10/8終 10/9終 10/10終 10/11終 10/12終 10/13終 10/14終 10/15終 10/16終 10/17終 10/18終 10/19終
1位 西 -- 西 -- 西 -- -- 西 -- 西 -- 西 -- 西 -- 西 -- 西 -- 西 -- 西 -- 西 -- 西 -- 西 -- 西 -- 西 優勝
2位 2.5 1.5 0.5 西 0.0 1.0 2.0 2.0 1.5 1.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 1.0 0.5 0.0
試合
結果
西6-0近 近10-5西 急9-6西
近1-0日
近2-0日 西5-2近 西4-2近 西8-0南
近5-3ロ
西6-4南
近3-0ロ
近7-2ロ
西17-5南
近4-2ロ
南9-8西
近2-0ロ
西3-2日
近4-3ロ
西5-2ロ
近8-3急
日3-1西
南6-4近
西2-1急
近6-4南
急2-1近 近12-2ロ 近4-3ロ
ロ4-4近

チーム成績

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レギュラーシーズン

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オーダー変遷
開幕:4/8 5/1 6/4 7/1 8/2 9/1
1 大石第二朗 大石第二朗 村上隆行 新井宏昌 大石第二朗 大石第二朗
2 新井宏昌 新井宏昌 大石第二朗 大石第二朗 新井宏昌 新井宏昌
3 オグリビー オグリビー オグリビー 金村義明 金村義明 ブライアント
4 デービス デービス デービス オグリビー オグリビー オグリビー
5 淡口憲治 栗橋茂 淡口憲治 ブライアント ブライアント 鈴木貴久
6 金村義明 淡口憲治 金村義明 梨田昌孝 羽田耕一 村上隆行
7 鈴木貴久 金村義明 鈴木貴久 村上隆行 村上隆行 吹石徳一
8 梨田昌孝 光山英和 真喜志康永 谷真一 谷真一 谷真一
9 安達俊也 安達俊也 山下和彦 山下和彦 山下和彦 光山英和
阿波野秀幸 小野和義 阿波野秀幸 山崎慎太郎 阿波野秀幸 佐々木修

[3]

1988年パシフィック・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 9月終了時 最終成績
1位 西武 -- 西武 -- 西武 -- 西武 -- 西武 -- 西武 -- 西武 --
2位 近鉄 1.5 近鉄 4.5 近鉄 7.5 近鉄 5.0 近鉄 4.0 近鉄 1.5 近鉄 0.0
3位 ロッテ 2.0 ロッテ 8.0 日本ハム 11.5 日本ハム 8.5 日本ハム 12.0 日本ハム 9.0 日本ハム 12.5
4位 日本ハム 3.0 日本ハム 9.5 ロッテ 11.5 阪急 10.0 南海 13.0 阪急 12.5 阪急 15.0
5位 阪急 6.5 南海 10.0 南海 11.5 南海 10.5 阪急 13.0 南海 13.5 南海 17.5
6位 南海 8.0 阪急 13.0 阪急 15.0 ロッテ 11.0 ロッテ 15.0 ロッテ 14.5 ロッテ 21.0
期間
成績
11勝7敗
勝率.611
12勝10敗1分
勝率.545
7勝9敗1分
勝率.438
7勝6敗1分
勝率.538
14勝8敗
勝率.636
10勝7敗
勝率.588
13勝5敗1分
勝率.722

[4][5][6][7][8][9]

1988年パシフィック・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 西武ライオンズ 73 51 6 .589 優勝
2位 近鉄バファローズ 74 52 4 .587 0.0
3位 日本ハムファイターズ 62 65 3 .488 12.5
4位 阪急ブレーブス 60 68 2 .469 15.0
5位 南海ホークス 58 71 1 .450 17.5
6位 ロッテオリオンズ 54 74 2 .422 21.0

[1]

オールスターゲーム1988

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  • 選出選手
ポジション 名前 選出回数
投手 阿波野秀幸 2
小野和義 3
吉井理人
外野手 新井宏昌 2
オグリビー

個人成績

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投手成績

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  • 色付きは規定投球回数(130イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手








































W
H
I
P
 
/阿波野秀幸 29 27 15 3 0 14 12 1 898 220.1 199 21 51 5 181 1 0 66 64 2.61 1.14
/小野和義 30 30 10 4 1 10 10 0 851 208.2 194 14 60 2 144 5 0 69 60 2.59 1.22
/山崎慎太郎 25 23 4 1 0 13 7 0 701 168.1 146 15 67 8 100 3 0 63 58 3.10 1.27
/村田辰美 22 21 5 1 2 10 3 0 516 124.2 128 12 28 2 44 0 0 49 46 3.32 1.25
/高柳出己 22 14 2 1 2 6 6 0 414 104.2 96 10 17 2 61 1 0 41 40 3.44 1.08
/吉井理人 50 0 0 0 0 10 2 24 344 80.1 76 3 27 6 44 0 0 27 24 2.69 1.28
/加藤哲郎 31 6 0 0 0 3 3 1 268 59.2 64 7 33 2 46 3 0 24 23 3.47 1.63
/石本貴昭 32 3 0 0 0 3 3 2 242 54.2 59 6 25 1 25 2 0 25 23 3.79 1.54
/木下文信 32 0 0 0 0 2 1 0 187 44.0 34 5 26 0 38 1 0 18 17 3.48 1.36
/佐々木修 11 4 0 0 0 1 4 0 78 16.2 22 5 10 2 5 0 0 14 14 7.56 1.92
/谷崎浩二 11 0 0 0 0 0 0 0 69 16.1 13 2 4 2 9 0 0 7 5 2.76 1.04
/住友一哉 11 0 0 0 0 1 0 0 63 14.0 14 2 6 0 4 1 0 8 7 4.50 1.43
/山村達也 5 1 0 0 0 1 0 0 63 12.1 23 4 4 0 5 0 0 17 17 12.41 2.19
/池上誠一 8 0 0 0 0 0 0 0 40 7.1 8 0 8 1 4 0 0 6 3 3.68 2.18
/南秀憲 2 0 0 0 0 0 0 0 15 3.2 5 0 0 0 0 0 0 2 1 2.45 1.36
/谷宏明 1 0 0 0 0 0 0 0 14 3.1 5 1 1 0 2 0 0 2 2 5.40 1.80
/久保康生 2 0 0 0 0 0 0 0 14 3.0 3 0 3 0 1 0 0 4 4 12.00 2.00
/小山昌男 1 1 0 0 0 0 1 0 10 1.1 6 0 0 0 0 0 0 4 3 20.25 4.50

打撃成績

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  • 色付きは規定打席(403打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
/大石第二朗 128 558 488 65 123 13 9 5 169 34 16 9 18 1 51 0 0 55 4 .252 .322 .346 .669
/新井宏昌 125 523 465 64 133 23 5 8 190 54 2 2 25 3 29 3 1 31 7 .286 .327 .409 .736
/オグリビー 114 450 392 61 122 22 1 22 212 65 1 2 0 4 54 9 0 39 13 .311 .391 .541 .932
/鈴木貴久 123 428 378 41 93 11 1 20 166 54 1 0 7 6 34 2 3 71 13 .246 .309 .439 .748
/金村義明 99 379 323 37 93 17 0 14 152 48 2 1 5 3 48 2 0 65 7 .288 .377 .471 .848
/山下和彦 117 327 297 29 67 7 1 8 100 29 2 2 15 0 13 1 2 63 7 .226 .263 .337 .600
/ブライアント 74 302 267 50 82 8 0 34 192 73 1 0 0 2 30 3 3 91 5 .307 .381 .719 1.100
/村上隆行 93 264 238 23 59 14 2 15 122 34 1 2 3 1 20 0 2 67 4 .248 .310 .513 .823
/真喜志康永 112 246 221 26 42 11 1 3 64 14 3 1 13 0 12 0 0 39 1 .190 .232 .290 .521
/淡口憲治 90 234 216 22 47 12 0 5 74 18 1 0 2 0 16 3 0 25 4 .218 .272 .343 .614
/デービス 42 169 152 16 46 6 0 7 73 22 2 2 0 4 13 1 0 19 7 .303 .349 .480 .829
/羽田耕一 72 165 156 17 42 9 0 4 63 17 1 0 0 1 8 1 0 21 6 .269 .303 .404 .707
/吹石徳一 56 123 114 10 30 5 0 2 41 10 1 0 5 0 3 0 1 9 4 .263 .288 .360 .648
/栗橋茂 64 112 100 10 17 6 1 2 31 6 0 0 0 0 9 1 3 24 3 .170 .259 .310 .569
/安達俊也 65 84 78 10 12 1 1 1 18 1 3 0 3 0 1 0 2 14 1 .154 .185 .231 .416
/梨田昌孝 52 71 65 4 14 2 0 2 22 8 1 1 0 0 6 0 0 13 2 .215 .282 .338 .620
/谷真一 35 60 49 2 8 0 0 0 8 1 1 0 7 0 4 0 0 9 1 .163 .226 .163 .390
/加藤正樹 30 50 43 5 7 2 0 1 12 2 0 0 0 0 7 0 0 12 3 .163 .280 .279 .559
/古久保健二 29 50 48 2 8 3 0 1 14 5 0 0 1 0 1 0 0 16 0 .167 .184 .292 .475
/吉田剛 41 34 29 8 5 0 0 0 5 0 6 4 2 0 3 0 0 5 0 .172 .250 .172 .422
/光山英和 22 33 29 0 2 0 0 0 2 1 0 0 1 1 1 0 1 11 0 .069 .125 .069 .194
/尾上旭 15 18 15 5 4 0 0 0 4 1 0 0 0 0 2 0 1 4 0 .267 .389 .267 .656
/佐藤純一 34 11 9 6 0 0 0 0 0 0 1 1 1 0 1 0 0 6 0 .000 .100 .000 .100
/柳原隆弘 8 9 8 0 1 1 0 0 2 0 0 0 1 0 0 0 0 2 0 .125 .125 .250 .375
/金沢信彦 3 6 5 2 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 2 0 .200 .333 .200 .533
/中谷忠己 3 3 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000

できごと

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選手・スタッフ

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[10]

表彰選手

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リーグ・リーダー
選手名 タイトル 成績 回数
吉井理人 最優秀救援投手 34SP 初受賞
ベストナイン
選出なし
ゴールデングラブ賞
選出なし

ドラフト

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順位 選手名 守備 所属 結果
1位 米崎薫臣 内野手 日本生命 入団
2位 中根仁 外野手 法政大学 入団
3位 田口茂樹 投手 西城陽高 入団
4位 赤堀元之 投手 静岡高 入団
5位 桑認 外野手 日本大学第三高 入団
6位 太田暁 投手 帝京第五高 入団

出典

[編集]
  1. ^ a b 年度別成績 1988年 パシフィック・リーグ”. 日本野球機構. 2015年6月4日閲覧。
  2. ^ 「お前たちも監督と戦うんだ」監督とコーチの緊迫感が強さ生む/仰木彬氏編7 - プロ野球 : 日刊スポーツ
  3. ^ 『日本プロ野球記録年鑑 ベースボール・レコード・ブック1989』ベースボール・マガジン社、1988年。ISBN 4-583-02720-6 
  4. ^ 『読売新聞』1988年5月1日付朝刊、14版、17面
  5. ^ 『読売新聞』1988年6月1日付朝刊、14版、19面
  6. ^ 『読売新聞』1988年7月1日付朝刊、14版、19面
  7. ^ 『読売新聞』1988年8月1日付朝刊、14版、19面
  8. ^ 『読売新聞』1988年9月1日付朝刊、14版、19面
  9. ^ 『読売新聞』1988年9月30日付朝刊、14版、19面
  10. ^ LEGEND OF Bs 2012 〜劇的、激動の80's〜オリックス・バファローズ公式HP