鷹ノ巣駅
鷹ノ巣駅 鷹巣駅 | |
---|---|
右:JR東日本 鷹ノ巣駅 左:秋田内陸縦貫鉄道 鷹巣駅 (2022年5月) | |
たかのす Takanosu | |
所在地 | 秋田県北秋田市松葉町 |
所属事業者 |
鷹ノ巣駅(たかのすえき)は、秋田県北秋田市松葉町にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)奥羽本線の駅である[1]。
本記事では、隣接している秋田内陸縦貫鉄道秋田内陸線の鷹巣駅(たかのすえき)についても、併せて記述する。
概要
[編集]秋田内陸線が国鉄阿仁合線だった時代には鷹ノ巣駅という1つの駅だったが、第三セクター転換時に秋田内陸縦貫鉄道の駅舎が敷地内西側に別に建てられ、同鉄道全線開業時に鷹巣駅と改称した。これは、鷹巣町が北秋田市へと合併する前の表記に合わせたことによる[2]。JRと秋田内陸縦貫鉄道の改札は別になっているが、ホームは繋がっており、実質的には同一駅である。
JRと秋田内陸縦貫鉄道はレールがつながっており、当駅を経由する両線間の直通運転は2009年度(平成21年度)には25本あり、青森ねぶた祭や桜の開花期に合わせて運行されており[新聞 1]、2015年(平成27年)でも弘前 - 鷹巣 - 角館間で臨時快速列車(森吉山麓紅葉号など)が運行されている[3]。ただし、手動で分岐器を動かしてレールの切り替え、列車の入換作業をする必要があり、その作業に30分ほどかかっている[新聞 1]。信号機や連動装置などを整備して分岐を自動化するには1億6000万円の費用が必要と試算されており、導入の是非が議論されている[新聞 1]。
-
JRから秋田内陸縦貫鉄道への入換作業(2018年9月)
歴史
[編集]- 1900年(明治33年)10月7日:官設鉄道である奥羽北線(現在の奥羽本線)の一般駅として鷹ノ巣駅が北秋田郡鷹巣町に開業[1]。
- 1934年(昭和9年)12月10日:国鉄阿仁合線が開業する[4]。
- 1947年(昭和22年)8月12日:昭和天皇の戦後巡幸があり、弘前駅発 - 鷹ノ巣駅着、鷹ノ巣駅発 - 羽後飯塚駅着のお召し列車が運転[5]。天皇は駅歩廊にて、同年発生した水害の復旧に携わった職員らに「ご会釈」の挨拶[6]。
- 1961年(昭和36年)9月1日:乗降場番号を変更[新聞 2]。
- 1973年(昭和48年)7月21日:鷹ノ巣駅にみどりの窓口がオープン[新聞 3]。
- 1984年(昭和59年)2月1日:貨物の取り扱いを廃止[7]。
- 1986年(昭和61年)
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、奥羽本線の駅はJR東日本の駅になる[7]。
- 1989年(平成元年)4月1日:秋田内陸縦貫鉄道の全線開業に合わせ、同鉄道の駅は鷹巣駅と改称する[8][新聞 5]。
- 2006年(平成18年)3月16日:JR駅のみどりの窓口を廃止[新聞 6]。同月、「もしもし券売機Kaeruくん」設置[新聞 7]。
- 2007年(平成19年):直営のハンバーガーショップ「パナデリア・アッキー」が閉店[新聞 8]。
- 2012年(平成24年)
- 2014年(平成26年)
- 2015年(平成27年)10月1日:JR駅が業務委託化。鷹ノ巣駅長・助役を廃止し、大館駅長管理下となる。同時に夜間早朝の駅員配置がなくなる[要出典]。
- 2018年(平成30年)12月1日:大館駅の業務委託化に伴い、東能代駅に管理駅が変更となる。
- 2019年(平成31年)4月26日:秋田内陸線旅行センターにおけるJR券・航空券の取り扱いを終了。
- 2024年(令和6年)10月1日:えきねっとQチケのサービスを開始[11][報道 2]。
駅構造
[編集]両社の駅は駅名が異なり、かつ駅舎も個別に設けられている[2]が、構内は共用しており改札内の乗り継ぎが可能となっている。また、両社の線路も繋がっている。
-
駅構内。右端は秋田内陸線、他は奥羽本線
-
秋田内陸線のプラットホームと車庫
JR東日本
[編集]JR 鷹ノ巣駅 | |
---|---|
JR駅舎(2021年8月) | |
たかのす Takanosu | |
◄前山 (5.4 km) (3.2 km) 糠沢► | |
所在地 | 秋田県北秋田市松葉町3-1[1] |
所属事業者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
所属路線 | ■奥羽本線 |
キロ程 | 384.9 km(福島起点) |
電報略号 | タス |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面3線[1] |
乗車人員 -統計年度- |
440人/日(降車客含まず) -2023年- |
開業年月日 | 1900年(明治33年)10月7日[11][1] |
備考 | 業務委託駅 |
単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線のホームを持つ地上駅である[1]。互いのホームは跨線橋で連絡している。1番線には北秋田市に伝わる「牛の一枚皮を使った世界一の和太鼓」と書かれたモニュメントが展示されている[2]。
東能代駅管理の業務委託駅(JR東日本東北総合サービスが受託)。直営駅時代は管理駅でもあり、前山駅・糠沢駅の2駅を管理していた。駅舎には自動券売機、指定席券売機、待合室のほか、観光案内所が設置されている[2]。2006年(平成18年)にみどりの窓口が廃止され、その代替として「もしもし券売機Kaeruくん」が設置されたが、2012年(平成24年)に営業終了し撤去された。
のりば
[編集]番線 | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | ■奥羽本線 | 上り | 秋田方面[12] |
2・3 | 下り | 大館・青森方面[12] |
- 3番線は当駅始発の下り列車が使用する。なお、上下共用の待避線であり、両方向の発着と折り返しに対応している。
-
和太鼓のモニュメント
-
コンコース
-
待合室
秋田内陸縦貫鉄道
[編集]秋田内陸縦貫鉄道 鷹巣駅 | |
---|---|
秋田内陸縦貫鉄道駅舎(2021年8月) | |
たかのす Takanosu | |
(1.3 km) 西鷹巣► | |
所在地 | 秋田県北秋田市松葉町3-2 |
所属事業者 | 秋田内陸縦貫鉄道 |
所属路線 | ■秋田内陸線 |
キロ程 | 0.0 km(鷹巣起点) |
電報略号 | タス |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面1線 |
乗降人員 -統計年度- |
474人/日 -2018年- |
開業年月日 | 1986年(昭和61年)11月1日 |
備考 | 社員配置駅 |
頭端式ホーム1面1線を有する地上駅。JR1番線の秋田寄りにある。
社員配置駅。駅舎には出札窓口のほか、秋田内陸線旅行センター(旅行商品のみ取り扱い)がある[13]。
-
出札窓口
-
改札口
利用状況
[編集]JR東日本
[編集]2023年度(令和5年度)の1日平均乗車人員は440人である[JR 1]。
2000年度(平成12年度)以降の推移は以下のとおりである。
1日平均乗車人員推移 | ||||
---|---|---|---|---|
年度 | 定期外 | 定期 | 合計 | 出典 |
2000年(平成12年) | 893 | [JR 2] | ||
2001年(平成13年) | 852 | [JR 3] | ||
2002年(平成14年) | 787 | [JR 4] | ||
2003年(平成15年) | 749 | [JR 5] | ||
2004年(平成16年) | 726 | [JR 6] | ||
2005年(平成17年) | 694 | [JR 7] | ||
2006年(平成18年) | 673 | [JR 8] | ||
2007年(平成19年) | 671 | [JR 9] | ||
2008年(平成20年) | 674 | [JR 10] | ||
2009年(平成21年) | 663 | [JR 11] | ||
2010年(平成22年) | 624 | [JR 12] | ||
2011年(平成23年) | 646 | [JR 13] | ||
2012年(平成24年) | 165 | 463 | 629 | [JR 14] |
2013年(平成25年) | 165 | 513 | 678 | [JR 15] |
2014年(平成26年) | 153 | 484 | 638 | [JR 16] |
2015年(平成27年) | 145 | 502 | 648 | [JR 17] |
2016年(平成28年) | 137 | 446 | 584 | [JR 18] |
2017年(平成29年) | 137 | 440 | 578 | [JR 19] |
2018年(平成30年) | 127 | 454 | 581 | [JR 20] |
2019年(令和元年) | 114 | 451 | 565 | [JR 21] |
2020年(令和 | 2年)67 | 408 | 475 | [JR 22] |
2021年(令和 | 3年)69 | 399 | 468 | [JR 23] |
2022年(令和 | 4年)75 | 365 | 441 | [JR 24] |
2023年(令和 | 5年)92 | 347 | 440 | [JR 1] |
秋田内陸縦貫鉄道
[編集]1日乗降人員推移 [14][15] | |
---|---|
年度 | 1日平均人数 |
2016年 | 574 |
2017年 | 519 |
2018年 | 474 |
2019年 | 433 |
2020年 | 421 |
2021年 | 363 |
駅周辺
[編集]南側は、北秋田市の中心地である鷹巣市街地が広がる。駅前からアーケードのある商店街が延び、金融機関や医療機関、市役所をはじめとする公共施設が集積している。東側の国道105号沿いには、大型商業施設が進出している。北側には、列車や鉄道施設防護の防風林があり、平坦な田園風景が広がっている。
- 北秋田市役所
- 鷹巣年金事務所
- 北秋田市立図書館
- 北秋田市文化会館
- 北秋田市交流センター
- みちのく子供風土記館
- 北秋田市民ふれあいプラザ
- 特別養護老人ホーム つむぎの彩(いろ)
- 鷹巣郵便局
- 秋田銀行鷹巣支店
- 北都銀行鷹巣支店
- 秋田県信用組合鷹巣支店
- 秋田たかのす農業協同組合本店
- 秋田県道102号大館鷹巣線
- 秋田県道24号鷹巣川井堂川線
- 北秋田市観光物産協会
バス路線
[編集]駅前商店街のアーケード下西側に「降車専用」が、東側に乗車用の「鷹巣駅前」停留所がある。
その他
[編集]北秋田市内の観光地を結ぶ「森吉山周遊乗合タクシー」[18]のほか、市外の「十和田湖・玉川温泉」方面へも予約制の乗合タクシーが運行している[19]。
隣の駅
[編集]- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- ■奥羽本線
- 特急「スーパーつがる」・「つがる」停車駅
脚注
[編集]記事本文
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f 『週刊 JR全駅・全車両基地』 31号 青森駅・弘前駅・深浦駅ほか、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2013年3月17日、20頁。
- ^ a b c d 『鉄道ジャーナル』通巻653号 pp.41-43
- ^ 『JR時刻表』平成27年9月号 株式会社交通新聞社発行。
- ^ 石野 1998, p. 553.
- ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、96頁。ISBN 978-4-10-320523-4。
- ^ 宮内庁『昭和天皇実録第十』東京書籍、2017年3月30日、405,406頁。ISBN 978-4-487-74410-7。
- ^ a b c 石野 1998, p. 538.
- ^ a b 石野 1998, p. 554.
- ^ “えきなかショップ「7to7」オープン”. 北秋田市ホームページ 住民が主役のもりのまち. 2021年10月11日閲覧。
- ^ a b “鷹巣駅前観光案内所オープニングセレモニー”. 北秋田市ホームページ 住民が主役のもりのまち. 2021年10月11日閲覧。
- ^ a b “駅の情報(鷹ノ巣駅):JR東日本”. 東日本旅客鉄道. 2024年8月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月10日閲覧。
- ^ a b “JR東日本:駅構内図・バリアフリー情報(鷹ノ巣駅)”. 東日本旅客鉄道. 2024年7月7日閲覧。
- ^ “内陸線旅行センター:[秋田名物! 秋田内陸線:秋田内陸縦貫鉄道]”. 秋田内陸縦貫鉄道. 2017年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月7日閲覧。
- ^ 国土数値情報(駅別乗降客数データ) - 統計情報リサーチ、2020年8月30日閲覧
- ^ 国土数値情報(駅別乗降客数データ) - 国土交通省、2021年3月9日閲覧
- ^ “市街地循環バス、令和元年12月1日より通年運行開始”. 北秋田市. 2019年12月6日閲覧。
- ^ “リムジンバス”. 大館能代空港ターミナルビル. 2021年11月10日閲覧。
- ^ “北秋田市が提供している二次アクセスプラン”. 北秋田市. 2022年11月7日閲覧。
- ^ “乗合タクシー「愛☆のりくん」”. たかのす・ひかりタクシー. 2023年11月27日閲覧。
報道発表資料
[編集]- ^ “もしもし券売機『Kaeruくん』が指定席券売機に替わります!” (PDF). 東日本旅客鉄道秋田支社. 2021年2月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月5日閲覧。
- ^ 『Suicaエリア外もチケットレスで! 東北エリアから「えきねっとQチケ」がはじまります』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2024年7月11日。オリジナルの2024年7月11日時点におけるアーカイブ 。2024年8月6日閲覧。
新聞記事
[編集]- ^ a b c 「鷹巣駅、JR乗り入れ円滑化 工事費1億6000万円」『河北新報』2010年12月11日。オリジナルの2013年8月27日時点におけるアーカイブ。2024年8月7日閲覧。
- ^ 「お知らせ」『読売新聞』1961年9月2日、秋田読売。
- ^ 「上ノ山、鷹ノ巣にも」『交通新聞』交通協力会、1973年7月21日、2面。
- ^ 「秋鉄局展開、秋田・山形両県の5駅に、ハンバーガー店-日食からノウハウ」『日本経済新聞』1986年12月16日、地方経済面、東北A。
- ^ 「<地方点描>「ノ」に歴史あり」『秋田魁新報』秋田魁新報社、2012年7月19日、朝刊、24面。
- ^ 「JR東日本 「みどりの窓口」廃止へ 県内8駅 湯沢市など「撤回を」」『朝日新聞』朝日新聞社、2006年3月2日、朝刊、31面。
- ^ 「みどりの窓口リストラ」『朝日新聞』朝日新聞社、2006年7月11日、夕刊、23面。
- ^ 「県南のJR直営ハンバーガー店閉店 高校生ら名残惜しむ」『秋田魁新報』2009年10月1日。
利用状況
[編集]- ^ a b “各駅の乗車人員(2023年度)”. 東日本旅客鉄道. 2024年7月23日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2000年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月20日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2001年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月20日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2002年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月20日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2003年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月20日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2004年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月20日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2005年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月20日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2006年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月20日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2007年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月20日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2008年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月20日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2009年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月20日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2010年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月20日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2011年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月20日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2012年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月20日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2013年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月20日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2014年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月20日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2015年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月20日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2016年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月20日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2017年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年7月8日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2018年度)”. 東日本旅客鉄道. 2020年7月18日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2019年度)”. 東日本旅客鉄道. 2020年7月18日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2020年度)”. 東日本旅客鉄道. 2021年7月28日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2021年度)”. 東日本旅客鉄道. 2022年8月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2022年度)”. 東日本旅客鉄道. 2023年7月13日閲覧。
参考文献
[編集]- 武田元秀、山井美希(写真)「秋田青森県境の奥羽本線」『鉄道ジャーナル』第55巻第3号(通巻653号)、成美堂出版、2021年3月1日、40-45頁、ISSN 0288-2337。
- 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日。ISBN 978-4-533-02980-6。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 駅の情報(鷹ノ巣駅):JR東日本
- 鷹巣駅(各駅情報) - 秋田内陸縦貫鉄道