鳥海靖
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鳥海 靖(とりうみ やすし、1934年1月21日 - 2020年2月29日[1])は、日本の歴史学者・日本近現代史研究者。東京大学名誉教授。立憲政治体制や歴史の相互理解を研究する。
経歴
[編集]東京市目黒区出身[1]。東京都立大学附属高等学校卒、1958年東京大学文学部国史学科卒業。1961年同大学院人文科学研究科国史学専門課程博士課程中退し、同年東京大学教養学部助手、1964年専任講師、1967年助教授、1982年同教授となる[2]。1994年に定年退官し、名誉教授、中央大学教授。2004年定年退職[3]。2007年、第2期日韓歴史共同研究委員会・日本側委員長。NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」では監修(脚本諮問委員)を務めた。
中国政府が中国の歴史教科書や歴史教育で行っているのは「愛国主義教育」であり、「反日教育」ではないと主張していることについて、第二次世界大戦後の日本による中国へのODA供与の紹介がない現状では、「反日教育」と受け止めざるを得ないと述べている[4]。
著作
[編集]単著
[編集]- 『大世界史23 祖父と父の日本』(文藝春秋、1969年)
- 『「明治」をつくった男たち 歴史が明かした指導者の条件』(PHP研究所、1982年)
- 『逆賊と元勲の明治』(講談社学術文庫、2011年)
- 『日本近代史講義 明治立憲制の形成とその理念』(東京大学出版会、1988年、新装版2011年)
- 『日本近代史 国際社会の中の近代日本』(放送大学教育振興会、1992年)、大学教材
- 『明六雑誌と近代日本 (上・下)』(日本放送出版協会、1994-95年)、「シリーズ文化セミナー・歴史に学ぶ」放送テキスト
- 『日本の近代 国民国家の形成・発展と挫折』(放送大学教育振興会、1996年) 、大学教材
- 『動きだした近代日本 外国人の開化見聞』(教育出版〈江戸東京ライブラリー〉、2002年)
- 『日・中・韓・露 歴史教科書はこんなに違う』(扶桑社、2005年)
- 『もういちど読む山川日本近代史』(山川出版社、2013年)
編著
[編集]- 『人物で学ぶ日本の歴史 社会科人物資料集』(学校図書、1992年、新版1994年)
- 『近代日本の転機 明治・大正編』(吉川弘文館、2007年)
- 『近代日本の転機 昭和・平成編』(吉川弘文館、2007年)
共著
[編集]共編著
[編集]- (五味文彦・高埜利彦)『詳説日本史研究』(山川出版社、1998年、改訂版2008年)
- (三谷博・西川誠・矢野信幸)『日本立憲政治の形成と変質』(吉川弘文館、2005年)
- (五味文彦)『もういちど読む山川日本史』(山川出版社、2009年)
事典・年表類
[編集]- 『新日本史年表 地図対照』(三省堂、1995年)
- 『日本近現代史研究事典』(東京堂出版、1999年)、松尾正人・小風秀雅と編集委員
- 『日本史総合年表』(吉川弘文館、2001年、第2版2005年)、加藤友康・瀬野精一郎・丸山雍成と編集委員
- 『日本史事典』 朝倉書店 2001年、普及版2012年。藤野保編集代表、岩崎卓也・阿部猛・峰岸純夫と編集委員
- 『歴代内閣・首相事典』(吉川弘文館、2009年)、編者代表
- 『日本近現代人名辞典』(吉川弘文館、2001年)、臼井勝美・高村直助・由井正臣と編集委員
脚注
[編集]- ^ a b 『国立国会図書館月報』751号(2023年11月)、p.5
- ^ 『駒場1991』
- ^ 鳥海靖経歴と業績(鳥海靖先生古稀記念号) 中央史学 2004-03
- ^ 鳥海靖『日・中・韓・露 歴史教科書はこんなに違う』扶桑社、2005年8月1日、198-199頁。ISBN 978-4863049645。
- ^ 倉山満『嘘だらけの日韓近現代史』扶桑社〈扶桑社新書〉、2013年11月30日、プロフィール頁。ISBN 978-4863069520。