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高等学校教員

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

高等学校教員(こうとうがっこうきょういん)は、高等学校における教員である。高等学校に置かれる職員のうち、おおむね、副校長教頭主幹教諭指導教諭教諭助教諭講師養護教諭養護助教諭栄養教諭などの職員が該当する(教員の職階なども参照)。

このうち、「副校長」「教頭」「養護をつかさどる主幹教諭」「栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭」「養護教諭」「養護助教諭」「栄養教諭」でない者は、原則として「高等学校の教員の免許状」を有していなければならない。

概要

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高等学校において生徒の教育をつかさどる(学校教育法)。中等教育学校において後期課程を担任する教諭の仕事には、高等学校教諭の仕事とほとんど同じものも多い。

生徒の発達において、生徒の教育のほか、安全管理、生徒の健康面での管理、生徒保護のための不審者対策の業務等も行う。それぞれの教科等に応じた高等学校教諭普通免許状(専修[注釈 1]・一種[注釈 2])を有していなければならない。中高一貫校においては、高等学校教員が中学校前期中等教育)の授業を担当する場合もあるため、中学校教諭普通免許状(特に、専修ないしは一種[注釈 1])もあわせて保有する必要のある学校もある。また、高等学校の教員でも、中学校教諭普通免許状もあわせて保有する教員もいる。なお、高等学校教諭の普通免許状に二種免許状はない[注釈 3]

全国の高等学校教員の数

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高等学校教員の数(本務教員数)[1]
年度
2001年度(平成13年度) 196,945人 69,603人 266,548人
2008年度(平成20年度) 172,431人 68,795人 241,226人
2009年度(平成21年度) 170,144人 69,198人 239,342人
2010年度(平成22年度) 168,652人 70,277人 238,929人
2011年度(平成23年度) 166,767人 70,759人 237,526人

高等学校教員の免許状

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高等学校教員の普通免許状の種類(新免許法)
免許状の種類 区分 教科・領域 内容 有効期間
高等学校教諭 専修[注釈 1] 32教科、8科目・領域
(別記参照)
  • 教科等を担任する
なし
一種[注釈 2]
養護教諭 専修
  • 学校内の養護をつかさどる
なし
一種[注釈 1]
二種[注釈 2]
栄養教諭 専修
  • 栄養の指導・管理をつかさどる
なし
一種
二種

教科・科目(領域)

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免許状を取得する方法

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  • 基本的には、教職課程がある大学などで必要な単位を修得して卒業する。
    • 高等学校教員の教職課程が設置されている大学では、教育学部以外の一般の学部(文学部法学部経済学部理工学部など)であっても、4年間の在学期間中に必要単位が履修できるようになっている場合が多い。各学部の卒業に必要な単位がそのまま課程認定単位(「教科に関する科目」)となっている場合が多く、それに追加して教育実習等の「教職に関する科目」を履修するのが一般的である。
    • 工業の教科の免許状については、特例により、教育実習等の一部「教職に関する科目」を修得しなくても免許状の取得が可能となっている(教育職員免許法・附則11。教科科目により代替可能)。ただし、大学や地域によっては、特例を利用する場合であっても、教職科目の修得の努力が推奨されている場合もある。
  • 陸上無線技術士海技士などの資格(学位不要)、または、実業学科(農業、工業、商業、水産、看護等)を専攻した学士を有する者などで、その分野における実務経験のある者については、教育職員検定を経て取得することが出来る。
  • 隣接校種(中学校)の普通免許状(ただし、二級免許状または二種免許状を除く)を授与されている教員の経験者は、教育職員検定により取得することもできる(別表8)。
  • 同校種(高等学校教員)の普通免許状を授与されている者が他教科の免許状を取得する場合には、実務経験不要で教育職員検定を受けて免許状を取得することができる(ただし、取得する教科に応じた指導法や教科に関する単位を修得する必要がある。別表4)。
    • あるいは、単位を修得する大学等にて、教科教育以外の「教職に関する科目」の単位認定を受け、教科教育相当の科目と「教科に関する科目」、「教科又は教職に関する科目」の履修により、別表1での申請も可能(ただし、1999年以前入学者に適用される旧法にて授与申請した免許状を保有している場合、旧法では規定されていなかった「施行規則に定める科目」が2000年度以降あるいは2010年度以降入学者に適用されるものがあるため(教職論・教育課程論・総合演習 / 教職実践演習などに相当する科目)、読替不可能な科目が発生することから、新たに受ける免許状の修得すべき単位が一部増加する場合がある。また、単位数が2000年以降入学者から増加した科目群もある)。

備考

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脚注

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注釈

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  1. ^ a b c d e かつては一級だった。
  2. ^ a b c d かつては二級だった。
  3. ^ a b かつては、高等学校教諭の普通免許状に二級免許状なるものが存在したが、小学校教諭の普通免許状などのように現在の二種免許状にあたるのではなく、現在の一種免許状にあたるものである。
  4. ^ 学校教育法第百四条第三項に規定する文部科学大臣の定める学位を有する場合又は大学(短期大学を除く。第六号及び第七号において同じ。)の専攻科若しくは文部科学大臣の指定するこれに相当する課程に一年以上在学し、三十単位以上修得した場合を含む。
  5. ^ 学校教育法第百四条第二項に規定する文部科学大臣の定める学位(専門職大学を卒業した者に対して授与されるものに限る。)を有する場合又は文部科学大臣が学士の学位を有することと同等以上の資格を有すると認めた場合(=学校教育法第百二条第二項の規定により大学院への入学を認められる場合)を含む。
  6. ^ 1950年代あたりまでは、高等学校助教諭臨時免許を設けていた短期大学が少なからずあった。『教員養成課程認定大学短期大学一覧』(1955年)より参照。ちなみに、『九州工業大学 九州工業大学短期大学部要覧 昭和33年度』によると、九州工業大学短期大学部の機械科・電気科において高等学校助教諭臨時免許課程が設置されていたことが確認できる。

出典

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  1. ^ 学校基本調査(文部科学省)

関連項目

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外部リンク

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