コンテンツにスキップ

藤崎 (百貨店)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
株式会社藤崎
Department Store Fujisaki Co., Ltd.
本館
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
980-8652
宮城県仙台市青葉区一番町3丁目2番17号[1]
北緯38度15分41.244秒 東経140度52分25.457秒 / 北緯38.26145667度 東経140.87373806度 / 38.26145667; 140.87373806座標: 北緯38度15分41.244秒 東経140度52分25.457秒 / 北緯38.26145667度 東経140.87373806度 / 38.26145667; 140.87373806
設立 1912年明治45年)2月11日[1]
業種 小売業
法人番号 9370001010036 ウィキデータを編集
事業内容 百貨店の営業
代表者 代表取締役会長兼社長 藤﨑三郎助
資本金 4億円
売上高
  • 443億5200万円
    (2018年2月期)[2]
営業利益
  • 3億4000万円
    (2018年2月期)[2]
  • 経常利益
  • 4億6400万円
    (2018年2月期)[2]
  • 純利益 1億8200万円
    (2024年2月期)[3]
    純資産 44億4700万円
    (2024年2月期)[3]
    総資産 265億0900万円
    (2024年2月期)[3]
    従業員数 約730人
    決算期 2月末日
    会計監査人 黒沢繁、内田貴和
    主要株主
    • 藤崎三郎助 32.61%
    • 藤崎千代 14.83%
    • 藤崎共済会 5.21%
    • (2006年2月末時点)
    主要子会社
    • 株式会社藤崎エージェンシー
    • 株式会社フジ・スタイリング
    • 藤装建株式会社[1]
    • 株式会社藤崎ビジネスサービス
    • 株式会社藤崎商会
    • 株式会社仙台ビルディング
    関係する人物 4代藤崎三郎助
    外部リンク https://www.fujisaki.co.jp/
    テンプレートを表示

    株式会社藤崎(ふじさき、: Department Store Fujisaki Co., Ltd.)は、宮城県仙台市青葉区一番町に本社・本店を置き、仙台市を中心として東北地方青森県を除く)に店舗を展開する百貨店である。

    概要

    [編集]

    仙台市の繁華街一番町にある本店は、2007年平成19年)売上高486億4400万円、売場面積30,447平方メートルで、東北地方の百貨店では売上額はトップ、売場面積は仙台三越(35,400平方メートル)に次ぎ2位である[注釈 1]

    青森県を除く東北地方の都市にギフトショップ、サテライトショップ、外商事務所を展開している。

    2006年2月期の売上構成は衣料品36%、食料品24%、身の回り品22%等となっている。 本店に大きく依存した店舗展開のため、2012年頃の仙台駅再開発で開店が予定される大規模店舗の影響があるのではないかと予測されていた[4]。本店の増床の他、2007年3月には本館隣接地に「ルイ・ヴィトン」の路面店を開店するなどし、これらの新規進出店に対抗する経営策をとっている[5](→一番町三丁目のブランド街化)。

    テレビ番組と連携した物産展にも積極的で、『TBCおめざ感謝祭』や『OH!バンデス』フェア(宮城県の夕方ワイド番組)の例がある。

    創業家が発行済株式の約47%を保有する、オーナー企業である。上位10位以内の大株主にも、その他企業はみられず、東北地方及び北日本ではわずかとなる地場百貨店となった[6]

    代表取締役社長(4代目)・七代目藤崎三郎助(前名・正隆)には約9年間の伊勢丹勤務経験がある。2015年4月1日時点、伊勢丹系列の商品共同調達組織である全日本デパートメントストアーズ開発機構(ADO、2020年3月末に解散)から商品の供給を受けていた。 毎年、5月に開催の仙台・青葉まつり藤崎すずめ連として参加。その年の新入社員を中心に若年層で構成されている。4月から祭り本番まで大町館屋上で練習している為、アーケードに笛の音色が響き渡る。また、毎年上位入賞を果たしている。

    2015年5月22日には、小型店としては12店目となるヴィーフジサキ六丁の目店(若林区)を大和リースが開発にあたった「フレスポ六丁の目南町」内に[7]、同6月12日には山形店を山形市七日町の複合ビルである「アズ七日町内」に開設した[8][9]。これに合わせ既存の外商拠点は同ビル3階に移設された[10][11]

    沿革

    [編集]
    • 1819年文政2年) - 仙台藩陸奥国仙台城下町大町1丁目(芭蕉の辻付近)に開いた太物商「得可主屋(エビスヤ)」を発祥とする。
    • 1879年明治12年) - 4代目藤崎三郎助が家督を継ぎ経営に乗り出す。
    • 1882年明治15年) - 大町4丁目に進出して業容拡張。
    • 1912年(明治45年)2月 - 株式会社藤崎呉服店として会社組織に変更[12]。5代目藤崎三郎助が社長に就任
    • 1919年(大正8年) - 陳列式店舗を建て百貨店化
    • 1930年昭和5年)5月 - 現在の社名である株式会社藤崎に改める。初代社長に5代目藤崎三郎助就任
    • 占領期に地下階が進駐軍兵士と家族の専用売り場 (PX) として使用された[13]
    • 1949年(昭和24年) - 6代目藤崎三郎助社長就任
    • 1963年(昭和38年)10月23日 - 青葉通り側への増床も含んだ増改築が完成し、オープン(丸光の増改築オープンと同日)。
    • 1973年(昭和48年) - 新たな増改築が完成。フロア中心部に日本初となる上りと下り合計4基のエスカレーターが設置された[14]
    • 1976年(昭和51年) - 新潟市小林百貨店(後の新潟三越)と業務提携(2年後に解消)。
    • 1982年(昭和57年) - リビング館(現:大町館)オープン。ギフトショップ盛岡オープン。
    • 1987年(昭和62年) - ギフトショップ石巻店オープン。
    • 1988年(昭和63年) - ギフトショップ佐沼店オープン。
    • 1989年平成元年) - ギフトショップ古川店オープン[12]CI実施。本店3月10日全館リモデルオープン[15]。包装紙、紙袋、イメージソングが現行のものになる。7代目藤崎三郎助社長就任
    • 1990年(平成2年) - 藤崎快適生活研究所設立。ギフトショップ船岡店オープン。
    • 1991年(平成3年) - ギフトショップ塩釜店オープン。
    • 1992年(平成4年) - ギフトショップ白石店、サテライトショップ泉中央店(現・ヴィー フジサキ泉中央店)オープン。
    • 1994年(平成6年) - ギフトショップ秋田店オープン。
    • 1995年(平成7年) - ギフトショップ原町店オープン。
    • 1997年(平成9年) - アネックス一番町(現:一番町館)オープン。ギフトショップ気仙沼店オープン。
    • 1998年(平成10年) - ギフトショップ一関店オープン。
    • 2000年(平成12年) - 山形店オープン。
    • 2004年(平成16年) - ギフトショップ福島店オープン。
    • 2005年(平成17年) - フードマーケット・フジサキオープン。東北楽天ゴールデンイーグルスオフィシャルショップオープン。
    • 2007年(平成19年) - 本館・大町館「特選ブティック」リニューアルオープン。
    • 2008年(平成20年)3月29日 - 藤崎石巻オープン。
    • 2009年(平成21年)
    • 2011年(平成23年)3月11日 - 東北地方太平洋沖地震東日本大震災)が発生。本店も上層階を中心に被災。しかし、仙台市内の百貨店でいち早く路上販売を開始し、その後、3月19日に部分的に営業を再開した。全館再開は4月22日であった[16]
    • 2014年(平成26年)9月1日 - 山形県庄内地方にある鶴岡市に、庄内店オープン。
    • 2015年(平成27年)
    • 2016年(平成28年)
      • 4月 - 古川店を移転リニューアル[18]
    • 2019年令和元年)
      • 8月29日 - 塩釜店を港町1丁目に移転リニューアル。新たに「ふるさと名産品コーナー」、雑貨店「クラスカ ギャラリー&ショップ ドー」も導入[19][20]
      • 12月10日 - 藤崎本店にある観光案内所「仙台ツーリストインフォメーションデスク」に、人工知能(AI)を使った情報提供用の電子看板を、仙台市中心部活性化協議会が設置[21]

    店舗

    [編集]
    大町館
    一番町館
    ファーストタワー館
    ヴィー フジサキ泉中央店
    ヴィー フジサキ長町店

    百貨店

    [編集]
    • 藤崎(本店)
      • 本館 - 地上7階地下3階(売場は地下2階まで。地下3階は主に動力や電気設備、商品倉庫になっている。)
      • 一番町館 - 地上6階地下1階
      • 大町館(リビング館) - 地上6階地下1階
        • 本館と大町館は4階の連絡通路で繋がっている。
      • ファーストタワー
    • 本館地下2階は仙台市地下鉄東西線青葉通一番町駅と地下通路で直結している。

    ―以下は事務、営業関係の建物で商業棟ではない―

    • 青葉通り館(事務館)地上8階(本館のとなりにあり、事務部門がある)
    • 物流館(一般でいうバックヤードであるが、建物は独立して建っている。本館とほぼ一体化しており商品管理や検品所、電話室、防災センターがここにある)
    • 外商館 本館や大町館のある一番町から離れた、芭蕉の辻にある。企業との取引を行う外商一部と、お得意様対応の外商二部、外商三部がある。

    サテライトショップ

    [編集]

    ギフトショップ・営業店等

    [編集]

    関連店舗

    [編集]
    • フードマーケットフジサキ(仙台市泉区)
      現在は泉パークタウンの寺岡地区に1店舗のみ展開している。

    かつては子会社の「株式会社藤崎ストア」(1959年設立)を通じて、「フジストア」「藤崎ストア(昭和50年代初頭)」以後、「藤崎スーパーマーケット」として店舗展開していた。黒松店を本店とし、中山店、幸町店、鶴ヶ谷店、銀杏町店、河原町店、キャラウェイ店、泉寺岡店(のちに移転し寺岡店を開業)、古川店、いずみ中山店、泉ビレジ店、岩沼店、大河原店、子平町店などが最盛期には展開していた。1993年に経営不振に陥り不採算店を閉鎖したうえで「株式会社藤崎ストア」を解散。以後は経営を新会社として設立した「藤崎スーパーマーケット株式会社」が引き継ぎ経営再建を行った。1996年には全8店舗のうちいずみ中山店などの4店舗を岩手県資本のスーパーマーケットであるファルに店舗を譲渡。加えて幸町店と岩沼店を店舗閉鎖し、事実上スーパーマーケット事業の大幅縮小を行った。残ったキャラウェイ店と寺岡店でのみ経営を行ったが、2005年にキャラウェイ店を閉鎖したうえで、会社清算に至った。最後まで残った寺岡店は、直営化されたうえで、現在の「フードマーケットフジサキ」として2006年にリニューアルして現在に至る。

    POSシステム

    [編集]

    CMソング

    [編集]

    『虹をかける藤崎』がCMソングとして1971年に制作されている。歌詞は『河北新報』紙上で一般公募されたものであり、岩谷時子が補作している。作曲はいずみたく。歌は、いずみ朱子(ヤング101メンバー)とハニー・ナイツが担当した。テレビ・ラジオCMの他、TBCラジオの番組『朝の百貨店案内』(1997年終了)で長くオンエアされた。歌詞は各曜日を英語で歌っていくのだが、楽曲の制作当時、定休日として設定されていた木曜日(サーズデイ)が歌詞に含まれていないことが、一部で話題となった[23]

    なお、1989年3月10日からは、菅原進(ビリー・バンバン)による新たなオリジナル・イメージソング『好きさ、この街が…』(作詞:葉山真理、作曲:菅原進)が使用されるようになり、現在も平日にDate fmで9:55から放送されている『FUJISAKI Precious Voices』(「Morning Brush」内)や、TBCラジオの10:00直前の開店案内CM(「En∞Voyage」内)、またテレビCMなどでもオンエアされている。2014年7月より、藤崎のHP上で聴くことができるようになっている。

    脚注

    [編集]

    注釈

    [編集]
    1. ^ 日本経済新聞社の2005年度百貨店調査による。藤崎本店は売上高全国44位。三越仙台店は63位、さくら野仙台店は150位。ただし、藤崎は商品売上高の全てが本店扱いとしてランキングされている。

    出典

    [編集]
    1. ^ a b c 『流通会社年鑑 1978年版』, 日本経済新聞社, (1977-10-25), pp. 62-63 
    2. ^ a b c 株式会社藤崎 第138期決算公告
    3. ^ a b c 株式会社藤崎 第144期決算公告
    4. ^ 2005年6月30日付東北版『日本経済新聞
    5. ^ 2006年10月11日付東北版『日本経済新聞』
    6. ^ タカヤナギは旧本店の経緯があり、百貨店協会に加盟しているが、CGCにも加盟しスーパーマーケットが主である。川徳はファンド主導の経営再建による新旧分離で創業家が離脱した。さくら野百貨店マイカルグループ入りしていた経緯があるため除く(詳細は同項参照)、うすい百貨店は三越の支援を受けるまで日本百貨店協会には加盟していなかった。北海道地方については藤丸の項を参照。
    7. ^ “藤崎の小売店、仙台・六丁の目にオープン”. 『河北新報』. (2015年5月23日). http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201505/20150523_12003.html 2015年5月23日閲覧。 
    8. ^ “藤崎・山形店が開店 50代女性を主な客層に”. 『河北新報』. (2015年6月13日). http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201506/20150613_52029.html 2015年6月14日閲覧。 
    9. ^ “藤崎山形店がオープン 宮城県外の同社店舗では最大規模”. 『山形新聞』. (2015年6月12日). http://yamagata-np.jp/news/201506/12/kj_2015061200286.php 2015年6月14日閲覧。 
    10. ^ “藤崎、山形市に小型店 15年6月に”. 『日本経済新聞』. (2014年12月26日). https://www.nikkei.com/article/DGXLZO81335670V21C14A2L01000/ 2014年12月27日閲覧。 
    11. ^ “藤崎6年ぶり小型店 仙台・六丁の目と山形に”. 『河北新報』. (2014年12月26日). http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201412/20141226_12003.html 2014年12月27日閲覧。 
    12. ^ a b 藤崎. “藤崎の歴史”. 2010年8月22日閲覧。
    13. ^ 石澤友隆『流行歌「ミス・仙台」〜郷土・仙台の近現代史散歩〜』(河北新報出版センター、2005年)。ISBN 978-4873411965
    14. ^ https://x.com/fujisaki_dept/status/1831973372022161792
    15. ^ 藤崎170年のあゆみ. 藤崎. (1990年2月) 
    16. ^ “仙台・老舗百貨店「藤崎」が全館営業再開-東北物産展「がんばろう市」も”. 仙台経済新聞. (2011年4月23日). http://sendai.keizai.biz/headline/905/ 2013年10月6日閲覧。 
    17. ^ “<藤崎>郊外団地で移動販売店オープン”. 河北新報. (2015年11月3日). http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201511/20151103_12005.html 2015年11月9日閲覧。 
    18. ^ “<藤崎>古川店と一番町館 リニューアル”. 『河北新報』. (2016年1月27日). http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201601/20160127_12012.html 2016年2月8日閲覧。 
    19. ^ “藤崎塩釜店、29日に移転オープン”. 『河北新報』. (2019年8月21日). https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201908/20190821_12002.html 2019年9月8日閲覧。 
    20. ^ “藤崎、宮城・塩釜にリニューアル店”. 『日本経済新聞』. (2019年8月15日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48863190V10C19A8L01000/ 2019年9月8日閲覧。 
    21. ^ 「藤崎の訪日客案内所 AI観光案内板導入 タイ語など6言語対応」 河北新報オンライン・ニュース(2019年12月10日)2019年12月30日閲覧
    22. ^ 営業のご案内 ヴィーフジサキ・フードマーケット・各藤崎店(2019年12月30日閲覧)
    23. ^ せんだいCM特捜隊『懐かしのせんだいCM大百科』テキスト(2007年)。ISBN 978-4990386009

    関連項目

    [編集]

    外部リンク

    [編集]