砧一郎
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砧 一郎(きぬた いちろう、1914年4月30日 - 没年不明)は、日本の翻訳家。 本名は、福本 剛一郎(ふくもと ごういちろう)。
略歴
[編集]満洲国大連税関長・福本順三郎(大山郁夫の弟)の長男として生まれる[1]。 1936年北海道帝国大学理学部卒業後、日本化成工業入社。三菱化成工業勤務の傍ら、推理小説やノンフィクションを数多く翻訳した。
1970年代以降翻訳作品は確認されておらず、すでに故人と推定されるが、没年・死因は明らかではない。
翻訳
[編集]- 『星団の侵入者』(W・P・マッギヴァン、アメージング・ストーリーズ 第7、誠文堂新光社) 1950
- 『暁の死線』(ウィリアム・アイリッシュ、早川書房、ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 1954
- 「緑茶」(シェリダン・レ・ファニュ、早川書房、世界探偵小説全集、『幻想と怪奇』 第1) 1956
- 「モルグ街の殺人」(E・A・ポー、早川書房、世界探偵小説全集、『名探偵登場 第1』) 1956
- 「ジョン・ハドスンの失踪」(ジェレット・バージェス、早川書房、世界探偵小説全集、『名探偵登場 第2』) 1956
- 「木を見て森を見ず / 瓶ちがい / コンティネンタル・オプ カウフィグナル島の掠奪」(フィリップ・マクドナルド / アンソニー・バークレイ / ダシエル・ハメット、早川書房、世界探偵小説全集、『名探偵登場 第3』) 1956
- 『大当りをあてろ』(A・A・フェア、早川書房、世界ミステリシリーズ) 1960、のち文庫
- 『斧でもくらえ』(A・A・フェア、早川書房、世界ミステリシリーズ) 1961、のち文庫
- 『狂った殺意』(ロバート・M・コーツ、早川書房、世界ミステリシリーズ) 1962
- 『わたしを深く埋めて』(ハロルド・Q・マスル、早川書房、世界ミステリシリーズ) 1962
- 『シェーン贋札を追う』(ブレット・ハリディ、早川書房、世界ミステリシリーズ) 1963
- 『審判の日』(ポール・アンダースン、早川書房、ハヤカワ・SF・シリーズ) 1964
- 『地球人よ、故郷に還れ〈宇宙都市シリーズ〉』(ジェイムズ・ブリッシュ、早川書房、ハヤカワ・SF・シリーズ) 1965、のち文庫
- 『ユダの窓』改訂版(カーター・ディクスン、早川書房) 1975、のち文庫
ダシール・ハメット
[編集]- 『影なき男』(ダシール・ハメット、雄鶏社、おんどりみすてり) 1950
- 『赤い収穫』(ダシール・ハメット、早川書房、ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 1953
- 『マルタの鷹』(ダシール・ハメット 早川書房、ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 1954
- 『ガラスの鍵』(ダシェル・ハメット 早川書房、世界探偵小説全集) 1954
- 「スペードという男」(ダシエル・ハメット、早川書房、『名探偵登場 第4』) 1956
- 『探偵コンティネンタル・オプ』(ダシェル・ハメット、六興・出版部) 1957
E・S・ガードナー
[編集]- 『殴られたブロンド』(E・S・ガードナー、早川書房) 1954、のち文庫
- 『ビロードの爪』(E・S・ガードナー、早川書房、世界探偵小説全集) 1954
- 『掏替えられた顔』(E・S・ガードナー、早川書房、世界探偵小説全集) 1955
- 『義眼殺人事件』(E・S・ガードナー、早川書房、世界探偵小説全集) 1959 、のち文庫
- 『そそっかしい小猫』(E・S・ガードナー、早川書房、世界ミステリシリーズ) 1960、のち文庫
エラリー・クイーン
[編集]- 『黄金の十二 ナボテの葡萄園』(M・D・ポースト他、エラリー・クイーン編、早川書房) 1955
- 『Yの悲劇』(エラリイ・クイーン、早川書房、世界探偵小説全集) 1957
- 『ドルリィ・レーン最後の事件』(エラリイ・クイーン、早川書房、世界探偵小説全集) 1957
- 『Xの悲劇』(エラリイ・クイーン、早川書房、世界探偵小説全集) 1958
- 『Zの悲劇』(エラリイ・クィーン、早川書房、世界探偵小説全集) 1959
脚注
[編集]- ^ 『人事興信録 第13版下』1941「福本順三郎」
参考文献
[編集]- 『現代翻訳者辞典』(1985)、日外アソシエーツ、472ページ