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加法過程(かほうかてい、英: additive process)または独立増分過程(どくりつぞうぶんかてい、英: independent increments process)とは、確率過程の一種であり、独立増分性によって特徴付けられる。ポール・ピエール・レヴィ(Paul Pierre Lévy)、アレクサンドル・ヒンチンなどによって詳しく調べられた。代表的かつ典型的な加法過程の例として、ウィーナー過程(ブラウン運動)がある。
確率空間で定義された -値確率過程 が加法過程であるとは次の条件をみたすときをいう:
- a.s.
- 任意の に対して、.
- を満たす が存在して、任意の に対して は右連続かつ左極限をもつ。
- 任意の と に対して、 は独立。
2. を確率連続性、3. をcàdlàg性、4. を独立増分性という。
確率過程 がレヴィ過程であるとは、加法過程であって次の条件をみたすときをいう:
- 任意の に対して、 の分布は には依存しない。
この条件を時間的一様性(time homogeneity)、または定常増分性という。
- A.Khintchine, A new derivation of a formula by. P. Lévy, Bull. Moscow Gov. Univ. 1, No. 1, 1-5.
- P.Lévy. Sur les intégrales dont les éléments sont des variables aléatoires indépendentes, Ann. Scuola Norm. Sup. Pisa (2) 3, 337-366.(PDF-files)