準軍事組織
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準軍事組織(じゅんぐんじそしき; 英語: Paramilitary、ドイツ語: Paramilitär、フランス語: Paramilitaire)とは、軍隊に準じた組織・装備を備えるがその一部ではない組織のこと。法執行機関や国内軍など公権力の統制下にある組織のほか、軍閥・私兵のような暴力的な非国家主体を指すこともあり、非常に多彩な概念である。
概説
[編集]準軍事組織は、軍隊と同様の組織・装備を持つ組織を指すが、戦時体制においては軍隊や国防省の指揮系統に編入される場合やノルウェー沿岸警備隊の様に平時から軍隊の一部である場合もあり、軍隊と警察との中間的な位置づけで論じられることも多いものの、軍事力の構成要素としても決して小さいものと言えない。一方で文民警察との境界も曖昧で、SWATのような特殊部隊のことを「準軍事的警察部隊」と称することもあるほか、警察という組織そのものが準軍事組織であると主張する研究者もいる[1]。
領有権の主張に紛争があるなど政治的に微妙な地域や国境などの付近にて、国内に対する警察活動や準軍事作戦を実施するにあたり、軍隊の主力部隊を配置・投入すると、隣国が侵攻を警戒して非難するなど緊張状態を生み出しかねない場合などに準軍事組織を配置し、ある種の緩衝地帯としていることも多い。
現存するものの一覧
[編集]国境警備隊
[編集]→詳細は「国境警備隊」を参照
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沿岸警備隊
[編集]→詳細は「沿岸警備隊」を参照
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国家憲兵
[編集]→詳細は「国家憲兵」を参照
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国内軍[編集]→詳細は「国内軍」を参照
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National Guardに改組[編集]
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その他[編集]国軍よりも優位・強力な組織[編集]英称が「National Guard」[編集]→詳細は「en:National Guard」および「ナショナル・ガード」を参照
英称が「Home Guard」[編集]→詳細は「郷土防衛隊」を参照
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その他の国内部隊[編集]
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政党・政治団体傘下のもの
[編集]政情の不安定な国家では政党や政治団体が政敵との抗争や党要人の身辺警護、党関連施設の警備などのために、事実上の「準軍事組織」と言える武力団体(私兵集団)を傘下に組織している場合がある。ヴァイマル共和政時代のドイツの各政党の武力団体が有名である。もし非合法とされた場合は政権側からテロ組織と呼ばれることもある(例:フィリピン共産党の新人民軍)。
後に国軍となったもの
[編集]- 赤軍 - ボリシェヴィキの政党軍隊であったが、第二次世界大戦後の1946年に、正式に旧ソ連の国軍たるソビエト連邦軍へと移行する。
- 中国人民解放軍 - もともとは中国共産党の政党軍隊であるが、現行憲法(82年憲法)において国家の中央軍事委員会が指揮権を有するものとされた。
- 国民革命軍 - 中国国民党の政党軍隊にして、北伐完了後の1928年以降は中華民国の事実上の国軍であった。第二次大戦後の国共内戦のさなかの1947年、中華民国憲法の制定とともに中華民国国軍へと移行するが、中国共産党に敗北した中華民国は中国大陸の実効支配領域を失陥する。
- ベトナム人民軍 - ベトナム社会主義共和国の国軍にして、ベトナム共産党の政党軍隊。憲法上は元首のベトナム国家主席が形式的な指揮権を持つとされるが、事実上は党中央軍事委員会が最高意思決定機関となっている。
- 黒シャツ隊 - イタリアの国家ファシスト党、後に国軍の一部となる。
それ以外
[編集]ヴァイマル共和制
[編集]- 突撃隊・親衛隊 - 国民社会主義ドイツ労働者党
- 鉄兜団、前線兵士同盟 - ドイツ国家人民党と同盟を結ぶ組織
- 赤色戦線戦士同盟 - ドイツ共産党
- 国旗団 - ドイツ社会民主党
戦後東ドイツ
[編集]アイルランド
[編集]関連項目
[編集]- 特殊部隊 - 一部の警察系特殊部隊は準軍事部隊とされることが多い。
- 死の部隊
- 民間軍事会社
- 治安部隊
- 国家憲兵(警察軍)
- 憲法学会 - 日本学術会議協力学術研究団体
- 警察予備隊・保安隊(陸上自衛隊の前身)
- 海上警備隊・警備隊(海上自衛隊の前身)
- 民間防衛 - 国民保護
- アメリカ合衆国武官組織 - アメリカ公衆衛生局士官部隊 - アメリカ海洋大気庁士官部隊
- アメリカ合衆国中央情報局特別行動部(特殊行動部隊[4]/特殊活動部[5])
- 琉球警察軍(構想)
脚注
[編集]- ^ Alvaro 2000, p. 3.
- ^ ただし、海上保安庁法 第二十五条に於いて「この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない。」と明文化されている為、同法の上で戦時国際法に関する条文が存在しない。
- ^ 麻生幾『外事警察』幻冬舎文庫、2012年、P.52。ISBN 978-4-344-41862-2。
- ^ 『イラストでまなぶ!世界の特殊部隊アメリカ編』 ホビージャパン、2014年、96頁。
- ^ リー・ネヴィル 『図説現代の特殊部隊百科』 坂崎竜訳、原書房、2016年、22頁。
参考文献
[編集]- Alvaro, Sam (2000). Tactical law enforcement in Canada; an exploratory survey of Canadian police agencies (Thesis). Carleton University. ISBN 9780612484191. 2021年8月29日閲覧。