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宮崎牛

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
宮崎牛カルビ焼き肉用。個体識別番号情報によると、西都市生まれ新富町育ちである。

宮崎牛(みやざきうし、みやざきぎゅう)とは、宮崎県内で生産肥育された黒毛和種和牛のうち、日本食肉格付協会格付けにおいて肉質等級4等級以上の牛肉のことである。地域ブランドの1つであり、地域団体商標に登録済みである。

概要

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宮崎県の肉用牛生産地域(2016年)

宮崎県ではかねてから肉用牛の子牛(「素牛」と言う)の生産が盛んであり、2007年平成19年)には子牛の出荷頭数7万3797頭のうち46.6%を宮崎県外に出荷している。雌の子牛の出荷先は1位が三重県、2位が東京都、3位が佐賀県であり、これらの地で銘柄牛肉の素牛となっている[1]

1971年昭和46年)からは素牛を宮崎県内でそのまま肥育して食肉処理までするシステム構築が開始され、1986年(昭和61年)からは一定の基準を満たした牛肉を「宮崎牛」としてブランド化するようになった。

2007年から「全国和牛能力共進会」において、内閣総理大臣賞を3連覇(史上初)しており[2]、国内でもブランド牛としての認知度が高まっている傾向がある。

その一方で、2010年日本における口蹄疫の流行では、ほぼ全県に渡って被害を受け、特に児湯郡では牛・豚に対する口蹄疫ワクチン接種による全頭殺処分を行った。前年の2009年には高病原性鳥インフルエンザが流行したこともあり、宮崎牛ブランドだけでなく、宮崎県の畜産業全体が壊滅的な状況に見舞われた。しかし、口蹄疫の清浄化以降、初の全国和牛能力共進会で内閣総理大臣賞を連破するなど、順調な回復を見せていった。

その後、2013年には国際線ファーストクラスの機内食に宮崎牛が提供された。

2018年2019年にはアメリカで行われたアカデミー賞の授賞式パーティーにおいて宮崎牛が2年連続で提供され、史上初となる「個別の銘柄牛」としてメニューに採用される栄誉を受けた[3][4]。2020年も採用され、3年連続で提供される[5]

定義

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以下の全ての条件を満たした牛肉が宮崎牛と呼称される[6]


歩留等級
A B C
肉質等級 5 宮崎牛
4
3
2
1

沿革

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その他の宮崎県産銘柄牛

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歩留等級
A B C
肉質等級 5 高千穂牛
4
3
2
1

歩留等級
A B C
肉質等級 5 宮崎牛
4
3 宮崎和牛
2
1

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宮崎に本社を置く野球用品メーカーが、宮崎牛の革を使った野球用グラブを製造している。繊維が細かいためグラブにすると型崩れしにくく、適度な柔らかさもあるという[21][22]

プロ選手ではドリュー・ポメランツ林子偉などが使用している[22]


脚注

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  1. ^ 世界に誇る宮崎牛(肉用牛)(みやざきひむか学ネット)
  2. ^ a b c “肉牛の部、日本一守る 全9部門中3部門1位、団体賞は2位 /宮崎”. 毎日新聞. (2017年9月12日). https://mainichi.jp/articles/20170912/ddl/k45/040/317000c 2018年2月19日閲覧。 
  3. ^ a b c “宮崎牛、米アカデミー賞会食に売り込む 曽原さん”. 宮崎日日新聞. (2018年3月4日). https://www.the-miyanichi.co.jp/kennai/_31447.html 2018年3月29日閲覧。 
  4. ^ a b “アカデミー賞で宮崎牛採用 公式パーティー2年連続”. 産経フォト. (2019年2月16日). オリジナルの2019年3月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20190315173408/https://www.sankei.com/photo/story/news/190216/sty1902160007-n1.html 2019年3月16日閲覧。 
  5. ^ a b “アカデミー賞招宴に宮崎牛 3年連続、俳優らへ提供”. 共同通信社. (2020年2月2日). https://news.livedoor.com/article/detail/17751480/?fbclid=IwAR3I3-RUb3ij1yWNUQE0k3ucmxi8tOl3ifXKari5A8tBdl-CLXSlZrI_MvE 2020年2月2日閲覧。 
  6. ^ 宮崎牛(財団法人日本食肉消費総合センター「銘柄牛肉検索システム」)
  7. ^ 宮崎の牛JA宮崎経済連
  8. ^ a b c d e 国産牛肉産地ブランド化に関する優良事例調査報告Ⅱ(財団法人日本食肉消費総合センター)
  9. ^ 宮崎牛表示販売取扱要領(より良き宮崎牛づくり対策協議会)
  10. ^ ““和牛五輪”で宮崎牛が7冠 松阪牛も佐賀牛も「かかってこい!」東国原知事「売りやすくなった」”. 西日本新聞. (2009年6月20日). http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/miyazaki/higashi/20080127/20080127_001.shtml 2009年6月20日閲覧。 
  11. ^ “宮崎牛などで世界最大バーガー…ギネス更新136.2キロ”. 読売新聞 . (2009年7月5日). http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090705-OYT1T00190.htm?from=main6 2009年7月5日閲覧。 [リンク切れ]
  12. ^ a b “宮崎牛の米輸出を再開 宮崎”. 朝日新聞. (2012年9月4日). http://www.asahi.com/international/jinmin/TKY201209040316.html 2012年9月9日閲覧。 
  13. ^ “宮崎牛、米国へ輸出再開 都城で出発式”. 読売新聞. (2012年9月4日). http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyazaki/news/20120903-OYT8T01334.htm 2012年9月9日閲覧。 
  14. ^ a b ““号外 宮崎牛連続日本一”. 宮崎日日新聞. (2012年10月29日). https://www.the-miyanichi.co.jp/special/breakingNewsRemote/data/1351506729.pdf 2012年10月29日閲覧。 
  15. ^ 宮崎日日新聞、2012年12月29日朝刊15面
  16. ^ JSL - プレスリリース - 2013年1月8日 第12184号:国際線ファーストクラスで宮崎牛を提供
  17. ^ “和牛五輪”九州勢独占、大分・宮崎両県が最高賞、総合1位は鹿児島”. 産経新聞. (2017年9月11日). https://web.archive.org/web/20170914003047/http://www.sankei.com/west/news/170911/wst1709110012-n1.html 2018年2月19日閲覧。 
  18. ^ “宮崎牛EU輸出開始 ミヤチク都農工場”. 宮崎日日新聞. (2019年8月30日). https://www.the-miyanichi.co.jp/kennai/_40702.html 2019年9月15日閲覧。 
  19. ^ a b 「全国和牛能力共進会」宮崎県の牛が4大会連続最高賞を受賞|NHK 宮崎県のニュース”. NHK NEWS WEB. 日本放送協会 (2022年10月11日). 2022年11月1日閲覧。
  20. ^ 日本一!高千穂牛ホームページへようこそ!(高千穂町)
  21. ^ 日本放送協会. “思いのままに進めばいい。~大リーグに挑む小さな会社の話~ | NHK | WEB特集”. NHKニュース. 2023年4月23日閲覧。
  22. ^ a b 和牛JBグラブがメジャーリーグデビュー”. ボールパークドットコム. 2023年4月23日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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