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宝殿駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
宝殿駅
南口
ほうでん
Hōden
JR-A79 加古川 (3.3 km)
(4.0 km) 曽根 JR-A81
地図
所在地 兵庫県高砂市神爪一丁目15-6**[1]
北緯34度47分4.36秒 東経134度48分44.75秒 / 北緯34.7845444度 東経134.8124306度 / 34.7845444; 134.8124306座標: 北緯34度47分4.36秒 東経134度48分44.75秒 / 北緯34.7845444度 東経134.8124306度 / 34.7845444; 134.8124306
駅番号 JR-A80
所属事業者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
日本貨物鉄道(JR貨物)*
所属路線 山陽本線JR神戸線
キロ程 42.4 km(神戸起点)
大阪から75.5 km
電報略号 ホウ
駅構造 地上駅橋上駅[1]
ホーム 2面3線[1]
乗車人員
-統計年度-
7,702人/日(降車客含まず)
-2021年-
開業年月日 1900年明治33年)5月14日[1][2]
備考 直営駅[1]
みどりの券売機プラス設置駅
* 貨物列車の発着はなく、実質的に休止状態。
** 加古川市内にもまたがる[1]
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宝殿駅(ほうでんえき)は、兵庫県高砂市にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)山陽本線である。駅番号はJR-A80。「JR神戸線」の愛称区間に含まれている。駅舎は高砂市神爪一丁目にあるが、ホームの一部は加古川市に跨っている。

歴史

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駅構造

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北口
ホーム
改札

12両編成対応の単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線のホームを持つ橋上駅である[1]

下り本線は1番のりば、上り本線は3番のりばであり、2番のりばは上下線共用の待避線(中線)である[1]。さらに上り線の北側にはホームのない待避線1線(4番線)があり、主に貨物列車回送列車が使用している。また、ホーム東側の2番線と3番線の間には2番線姫路側から進入する、保線車両用の短い留置線が1線ある。

のりば

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のりば 路線 方向 行先
1 A JR神戸線 下り 姫路相生方面[18]
2 (臨時用ホーム)
3 A JR神戸線 上り 三ノ宮大阪方面[18]

上表の路線名は旅客案内上の名称(愛称)で表記している。

駅ホームの案内板やJR西日本おでかけネットの駅案内ページでは「2番のりば : JR神戸線(上り)三ノ宮・大阪方面」と案内されているが、2015年3月14日改正では2番のりばに停車する定期旅客列車はなく、定期的に貨物列車が入線するほか[19]、ダイヤ乱れなどの緊急時の運転打ち切りによる折返し列車[注釈 1]、団体列車などの臨時列車等が使用しており、2016年3月26日以降は昼間の加古川駅で折り返す普通(西明石以東は快速)の回送列車も使用している[注釈 2]

2003年5月12日から5月25日までの間、手前の加古川止まりの下り列車(「各駅停車」も含む)は加古川駅構内での折り返しができないため(当時はまだ下り線のみが高架化され、上り線は地上に残っていた)、当駅の2番のりばまで回送して折り返していた。通常は新快速より先に加古川駅を発車していたが、その期間中、加古川駅を新快速の後続で発車し、東加古川駅での新快速通過待ちは行っていなかった。

2006年3月26日から2008年12月21日までの間、姫路駅の高架化工事により山陽本線のみが高架化された関係で、当時の姫路駅構内では播但線ホームから網干総合車両所へ向かう山陽本線(岡山方面)に直接乗り入れできなかった(網干総合車両所から播但線ホームへの場合も同様)ため、播但線103系電車を当駅の2番のりばまで回送して折り返していた。

駅舎・設備

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開業当初は改札が南口のみの地上駅だったが、1981年4月8日橋上駅舎に改築された際に北口が開設された[11]。改札口の北側にセブン-イレブン キヨスクが隣接している[注釈 3][20]。セブン-イレブン キヨスクへは改札の外側にのみつながっている。

長い間、駅のバリアフリー化工事は高砂市加古川市の懸案となっていた[21]。駅構内については都市・幹線鉄道整備事業(鉄道駅総合改善事業(鉄道駅移動円滑化施設整備事業))の一環としてJR西日本および交通エコロジー・モビリティ財団が事業主体となり[22]、上下ホームの東側への階段を閉鎖、撤去した後に新たに貫通式エレベーターと階段を設置しなおした。同時に1番のりばへのエレベーター横に車椅子対応のトイレも設置された。総事業費は2.4億円である[22]2008年11月8日からエレベーターの使用が開始された[14]。自由通路部分に関しては加古川市からの負担も受け、高砂市が事業主体として南北の駅前広場と自由通路(改札口)間にエレベーターを設置し、さらに従来のトイレに加えて多目的トイレとスロープが増設され[23]2009年4月1日から使用開始となった。ただしエスカレーターは設置されていない[14]

駅の南北を結ぶ自由通路は、高砂市・加古川市及び国の補助金を用いて耐震工事が2018年から2019年にかけて行われている[24]

2006年10月1日に「JR京都・神戸線運行管理システム」が導入されるまで、当駅の改札口に設置された発車標フラップ式が使用されていた。

アーバンネットワークエリアに属しており、ICOCAおよび提携ICカードが利用できる。直営駅加古川駅の被管理駅)である。

ダイヤ

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昼間時間帯となる11 - 15時台は東隣の加古川駅で普通電車の半数が大阪方面へ折り返すため、1時間に2本(約30分間隔)となっている。朝夕時間帯は本数が多くなる。

三ノ宮・大阪方面への上りは、一部を除いて次の加古川駅で新快速に乗り換えできる。種別はほとんどが西明石駅から快速で、22・23時台に西明石行きの普通列車が設定されている。当駅には、狭義の「普通電車」は乗り入れていない。姫路方面の下りは、大半が姫路行きもしくは網干行きであるが、毎日夜間には上郡行き、平日朝及び毎日夜間には赤穂線直通の播州赤穂行きが少ないながら設定されている。

貨物取扱

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現在、JR貨物の駅は車扱貨物の臨時取り扱い駅となっている。貨物列車の発着はなく、貨物設備や接続する専用線もない。

駅の東側にはニッケ印南工場・加古川工場(加古川工場へは専用の鉄橋で渡っていた)までの専用線[6]があったが、1960年ごろに廃止になった。西側には、セメント輸送のために住友セメント宝殿梱包所までの専用線があり、西浜 - 当駅間でセメント輸送を行う貨物列車が1往復設定されていた[25]が、1997年に廃止となった。また、駅構内南側に有蓋車用車扱貨物ホームが設けられていたが、現在は駐車場に転用されている。

  • 日本毛織専用線[26][27]
    • 開業 - 廃止時期 1923年ごろ(1921年1月13日免許)[28] - 1960年ごろ
    • 契約相手方 日本毛織株式会社
    • 作業キロ 3.2km(2マイル)(1923年)/1.8km(1930年)
    • 種別 鉄道線(1923年)/側線(1930年)
    • 作業方法 社機関車(ガソリン機関車)[28]
  • 住友セメント専用線[29]
    • 開業 - 廃止時期 1966年[7] - 1997年
    • 専用者 住友セメント株式会社
    • 作業キロ 0.3km(貨物注入)、0.4km(貨物引出)
    • 総延長キロ 0.8km
    • 作業方法 国鉄(JR)機(1970年頃ディーゼル機関車(1966年日立製作所製 形式HC-10B)所有[30]

利用状況

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「兵庫県統計書[31]」によると、2022年(令和4年)度の1日平均乗車人員8,018人である。

近年の1日平均乗車人員は以下の通りである。

年度 1日平均
乗車人員
定期
乗車人員
1998年 11,352
1999年 11,015
2000年 10,919
2001年 10,710
2002年 10,721
2003年 10,497
2004年 10,463
2005年 10,431
2006年 10,427
2007年 10,385
2008年 10,372
2009年 10,144
2010年 10,122
2011年 10,153
2012年 10,139
2013年 10,374
2014年 10,106
2015年 10,221
2016年 9,963
2017年 9,884
2018年 9,784
2019年 9,722
2020年 7,690
2021年 7,702
2022年 8,018 6,216

駅周辺

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加古川市西部、志方町の玄関口である。

バス路線

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駅前には以下のバスが発着している。

宝殿駅北口
宝殿駅(南口側)

隣の駅

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西日本旅客鉄道(JR西日本)
A JR神戸線(山陽本線)
新快速
通過
普通(西明石から快速
加古川駅 (JR-A79) - 宝殿駅 (JR-A80) - 曽根駅 (JR-A81)

脚注

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注釈

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  1. ^ 人身事故などで電車の遅延がひどい場合、姫路方面行き下り列車の普通(西明石駅まで快速)・新快速が当駅に臨時停車、当駅始発として折り返す場合がある。
  2. ^ 2番のりばで平日夕方時間帯、姫路方面の普通列車(大阪駅 → 西明石駅間は外側・列車線走行)が新快速・特急の通過待ちを1988年3月12日まで行っていた。
  3. ^ キヨスクとして営業されていたが、2016年1月31日に一時閉店。その後同年3月30日にリニューアルオープンした。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k 『兵庫の鉄道全駅 JR・三セク』神戸新聞総合出版センター、2011年12月15日、52頁。ISBN 9784343006028 
  2. ^ a b c d e f 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、218頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  3. ^ a b 『日本鉄道旅行地図帳 9号 関西2 ―全線・全駅・全廃線』新潮社、2009年。ISBN 9784107900272 
  4. ^ 「停車場設置」『官報』1900年5月18日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  5. ^ 神戸新聞1934年5月12日付 県下版「寶殿驛 改築を陳情 関係町村から」
  6. ^ a b c 加古川市のニッケ専用線1
  7. ^ a b 「セメント年鑑 1995」セメント新聞社、1995年、p.269
  8. ^ 『加古川市史』第8巻(別編2)、2000年、p.432
  9. ^ a b 『加古川市史』第8巻(別編2)、2000年、p.482
  10. ^ 『加古川市史』第8巻(別編2)、2000年、p.486
  11. ^ a b 『加古川市史』第8巻(別編2)、2000年、p.492
  12. ^ “列車接近をメロディーで JR神戸線塚本-姫路間”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1997年3月11日) 
  13. ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '98年版』ジェー・アール・アール、1998年7月1日、186頁。ISBN 4-88283-119-8 
  14. ^ a b c d 『宝殿駅バリアフリー化 1日運用スタート』 - 神戸新聞 2009年4月1日付
  15. ^ 都市型レンタサイクル“駅リンくん”宝殿駅に登場!』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2009年10月1日。オリジナルの2010年3月7日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20100307080817/http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/1174395_799.html2014年1月9日閲覧 
  16. ^ 琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線・大阪環状線の駅のホームで使用している「入線警告音」の音質を見直します”. 西日本旅客鉄道 (2015年3月11日). 2022年5月5日閲覧。
  17. ^ 近畿エリアの12路線 のべ300駅に「駅ナンバー」を導入します!:JR西日本”. 西日本旅客鉄道 (2016年7月20日). 2022年5月5日閲覧。
  18. ^ a b 宝殿駅|構内図:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2023年2月1日閲覧。
  19. ^ 『JR貨物時刻表 2011』貨物鉄道協会、付録のダイヤグラムより
  20. ^ JR向日町・加古川の各駅に「セブン-イレブン ハートイン」が、JR宝殿駅に「セブン-イレブン キヨスク」が、JR本社ビル内・JR尼崎駅北NKビル内に「セブン-イレブン ハートイン」がオープン!ジェイアール西日本デイリーサービスネット
  21. ^ 宝殿駅バリアフリー化立ち往生 加古川市と高砂市が意見相違”. 神戸新聞 (2006年3月12日). 2012年9月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月5日閲覧。
  22. ^ a b 個別公共事業の評価書 平成18年度国土交通省
  23. ^ 高砂市市議会議事録、平成18年6月定例会(第3日、6月7日)No.12
  24. ^ 平成30年度主要事業説明書 p.24”. 高砂市 (2018年2月19日). 2018年7月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月5日閲覧。
  25. ^ 『'93貨物時刻表』1993年、p.77
  26. ^ 名取紀之・滝澤隆久 編『トワイライトゾーン マニュアル10』ネコ・パブリッシング、2001年、P.371頁。 
  27. ^ 名取紀之・滝澤隆久 編『トワイライトゾーン マニュアル11』ネコ・パブリッシング、2002年、P.277頁。ISBN 9784873669021 
  28. ^ a b 『鉄道省鉄道統計資料. 大正11年度』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
  29. ^ 名取紀之・滝澤隆久 編『トワイライトゾーン マニュアル12』ネコ・パブリッシング、2003年、P.226頁。ISBN 9784777000487 
  30. ^ 『世界の鉄道』1970年版、朝日新聞社、1969年、188-189頁
  31. ^ 兵庫県統計書

関連項目

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外部リンク

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