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大井川鐵道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
大鐵から転送)
大井川鐵道株式会社
Ōigawa Railway Co., Ltd.
新金谷駅(本社所在地)
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 大鉄(だいてつ)
本社所在地 日本の旗 日本
428-8503
静岡県島田市金谷東二丁目1112番地の2[1]
新金谷駅[2]
北緯34度49分34.26秒 東経138度8分13.20秒 / 北緯34.8261833度 東経138.1370000度 / 34.8261833; 138.1370000座標: 北緯34度49分34.26秒 東経138度8分13.20秒 / 北緯34.8261833度 東経138.1370000度 / 34.8261833; 138.1370000
設立 1925年3月10日
業種 陸運業
法人番号 1080001013422 ウィキデータを編集
事業内容 旅客鉄道事業
代表者 代表取締役社長 鳥塚 亮
資本金 1億円
2018年3月31日現在[3]
売上高 16億7,649万3,000円
(2018年3月期[3]
営業利益 1億310万円
(2018年3月期[3]
純利益 △4,754万4,000円
(2024年3月期)[4]
純資産 28億1,665万6,000円
(2024年3月期)[4]
総資産 48億3,458万円
(2024年3月期)[4]
決算期 3月31日
主要株主 エクリプス日高 100 %
2019年3月31日現在[5]
外部リンク https://daitetsu.jp/
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大井川鐵道株式会社(おおいがわてつどう)は、静岡県島田市に本拠を置き、大井川流域を基盤とする鉄道事業を主たる業務とする陸運業や観光[6]を営む企業である。大井川本線井川線の2つの鉄道路線を運営している[1]。略称は大鉄[注 1](だいてつ)。

全国登山鉄道‰会に加盟している[8]

概要

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運営する鉄道路線のうち、大井川本線蒸気機関車 (SL) の動態保存、「南アルプスあぷとライン」の愛称がある井川線は現在日本唯一のアプト式ラック鉄道として知られる。他に2015年平成27年)まで寸又峡線の路線バス事業を手がけていたが、こちらは子会社の大鉄アドバンスに移管されている。

元々は大井川鉄道という会社名であったが、2000年(平成12年)10月1日子会社の大鉄技術サービスを存続会社とする形で合併し、翌2日大井川鐵道商号を改称した。

1976年昭和51年)に日本で初めてSLの動態保存を始めた鉄道で、現在でもほぼ毎日運行されている。また、SLの保存運転を行っている縁から、1977年(昭和52年)12月19日スイスブリエンツ・ロートホルン鉄道と姉妹鉄道提携を結んでいる。1996年(平成8年)8月10日に本社所在地の金谷町(現・島田市)がブリエンツ村と姉妹都市提携を結んだのも、この縁によるものである。1986年(昭和61年)1月25日には台湾阿里山森林鉄道とも姉妹鉄道提携を結んでいる。

大井川本線で運行されるSL列車かわね路号)に旧型客車を使用していることや沿線の風景から、第二次世界大戦戦前戦中に時代設定されているドラマ映画ロケーション撮影でよく使用される(沿線で撮影が行われた作品は「大井川鐵道大井川本線#大井川鐵道沿線でロケが行われた作品」を参照)。

なお、井川線は当初からSLが運用されてはいなかったが、イベント列車として千頭駅 - 川根両国駅間に並行していた側線[注 2] で走行したことがある[注 3]

経営状況

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大井川鐵道の鉄道事業収入は、沿線人口の減少などから、2010年代にはその9割をSLを目的とする観光客から得る構造となっている[9]定期券利用は収入ベースで1割以下、乗客数で約2割である[10]。しかし、東日本大震災発生後には団体バスツアー客などが減少し続けていることから、2011年(平成23年)度からは2期連続で最終赤字を計上した[11]。加えて、2013年(平成25年)8月に施行された貸切バス走行距離規制強化により、首都圏から沿線自治体のうち島田市北部および川根本町の距離が、規制強化後の走行距離制限値(1日当たり670 km)をわずかに上回ることになり、首都圏の大部分からの日帰りバスツアーが不可能となった[12]。これによって同年4 - 12月期の団体ツアー客は前年同期より46 %減少し、収益をさらに悪化させる要因となった[13]

このため、大井川鐵道では2014年(平成26年)2月3日に記者会見を開き、経営合理化の一環として同年3月26日にダイヤ改正を実施することを明らかにした[9][13]。大井川本線では改正前[注 4]に1日14往復設定されていた電車を、全線運転8往復と金谷 - 家山間区間運転1往復に削減。また井川線では改正前[注 4]に全線運転4往復ならびに区間運転3往復(うち1往復は季節運転)設定されていた列車を、全線運転4往復と区間運転(1本)に削減。その一方で、大井川本線におけるSL列車の運転に関しては改正後も現行通りとすると発表された[13][注 5]

この会見に先立ち、大井川鐵道の伊藤秀生社長(当時)が同日午前中に島田市役所を訪れ、沿線自治体である島田市と川根本町の両首長に対して存続について[13]や、経営支援策を検討する協議会の設置を要請[9]。これに対し島田市と川根本町は、静岡県などにも参加を呼びかけて早期に協議会設置にこぎつける方針を示した[11]。なお、このダイヤ改正で2014年(平成26年)度に約2,300万円のコスト削減を見込むも「劇的な改善効果はない」(伊藤談)として、前記の島田市と川根本町に対して補助金拠出や固定資産税減免などを要請する見通しと報じられた[11]

2015年(平成27年)5月地域経済活性化支援機構の支援のもと、静岡銀行エクリプス日高[注 6]による再生計画が決定した[16]。エクリプス日高が名古屋鉄道が所有する株式の譲渡および第三者割当増資により大井川鐵道株式の約90 %を所有し、主要銀行から金融債権放棄を受けた上で再建にあたることになる。

2015年(平成27年)8月31日より名鉄グループを外れ、エクリプス日高の支援下で経営再建をスタートさせた[17][18]2017年(平成29年)6月16日にはエクリプス日高の完全子会社となった[19]

2019年(平成31年)4月静岡市内にツアーセンターを開設し、2020年令和2年)には1月2日フジドリームエアラインズなどと協力して、富士山静岡空港発着の遊覧飛行と奥大井湖上駅訪問などを組み合わせた「富士山周遊フライトツアー」を開始[6]。同年には中部電力およびJTBの協力を得て、通常は非公開の施設(井川ダム内部など)を見学できるツアー[20]を予定したり、沿線にある川根温泉ホテル宿泊と組み合わせた鉄道・バス2日間フリーきっぷを発売[21]したりするなど、観光利用を重視した経営努力を続けている。

企業以外の大鉄沿線振興の協力者としては、NPO法人クロスメディアしまだ(島田市)が「UNMANNED 無人駅の芸術祭/大井川」を毎年3月ごろに開催し、芸術家の現地滞在と作品展示による集客を行っている[10][22]。観光客向け事業については「#イベント」の節も参照。

2020年(令和2年)11月12日、島田市とともに複合施設「KADODE OOIGAWA」を開業。あわせて隣接する大井川本線に新駅「門出駅」を開業し、同時に五和駅を「合格駅」に改称した[23][24]

2024年6月12日、いすみ鉄道えちごトキめき鉄道で経営再建に取り組んだ鳥塚亮が同月28日から社長に就任することが発表された[25]

沿革

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各鉄道線の沿革については「大井川本線」、「井川線」の各項を参照のこと。

  • 1925年大正14年)3月10日 - 資本金300万円で静岡市に創立。金谷町に出張所を開設。
  • 1927年昭和2年)6月10日 - 金谷駅 - 横岡駅間で鉄道営業開始。
  • 1928年(昭和3年)
    • 7月 - 乗合自動車営業認可。
    • 8月 - 本社を東京市麹町区永楽町一丁目1番地に移転。
    • 10月 - 貸切自動車営業免許を取得。
  • 1929年(昭和4年)5月 - 資本金450万円に増資。
  • 1930年(昭和5年)3月 - 乗合自動車「島田線」の営業免許を取得。
  • 1931年(昭和6年)12月1日 - 大井川本線(金谷駅 - 千頭駅間)が全線開通。
  • 1932年(昭和7年)4月 - 乗合自動車「家山線」の営業を開始。
  • 1934年(昭和9年)12月 - 乗合自動車「掛川線」の営業認可。
  • 1946年(昭和21年)7月 - 大井川鉄道労働組合を結成。
  • 1949年(昭和24年)
    • 2月 - 金谷自動車営業所を開設。
    • 4月 - 資本金を2,950万円に増資。
    • 11月18日 - 大井川本線の全線電化工事を完了。
    • 12月1日 - 大井川本線が電化開業。
  • 1951年(昭和26年)7月 - 資本金を4,500万円に増資。
  • 1952年(昭和27年)7月 - 「大代線」乗合自動車の営業運転を開始。
  • 1953年(昭和28年)8月 - 資本金を8,000万円に増資。
  • 1956年(昭和31年)
    • 6月 - 乗合自動車「東山線」の営業を開始。
    • 12月 - 乗合自動車「井川線」の営業を開始。
  • 1958年(昭和33年)
    • 4月 - 乗合自動車「粟本線」の営業を開始。
    • 8月 - 資本金を1億500万円に増資。掛川貸切自動車営業所、井川自動車営業所を開設。乗合自動車「横岡 - 島田線」「中川根線」「塩上線」「菊川線」「神谷城線」の営業を開始。
    • 12月 - 家山自動車営業所を開設。
  • 1959年(昭和34年)
    • 2月 - 乗合自動車「島田市内循環線」の営業を開始。
    • 8月 - 中部電力専用鉄道を承継し、大井川鉄道井川線として営業運行を開始。
  • 1960年(昭和35年)
    • 6月 - 島田自動車営業所を開設。
    • 7月 - 乗合自動車「笹間線」の営業を開始。
  • 1962年(昭和37年)10月 - 資本金を1億5,750万円に増資。
  • 1963年(昭和38年)
    • 6月 - 掛川貸切自動車営業所が掛川市新町から城西に移転し掛川自動車営業所となる。
    • 8月 - 乗合自動車「金谷 - 静岡線」「掛川 - 静岡線」「井川 - 静岡線」の営業を開始。
    • 10月 - 静岡鉄道遠州鉄道と3社共同運行により「国道本線」(急行静岡浜松線)の営業を開始。
  • 1964年(昭和39年)
    • 4月 - 資本金2億1,000万円に増資。
    • 9月 - 貨物自動車の営業を開始[26]
  • 1966年(昭和41年)9月 - 静岡鉄道との相互乗入れにより乗合自動車「島田家山線」を開設[27]

鉄道路線

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路線図

以下の2路線を経営している。各路線の運行形態などはそれぞれの項目を参照。

大井川本線と井川線は軌間が共通しており線路自体は接続しているものの、建築限界が極端に異なることから直通運転は行われていない。この分断は運賃にもみられ、両線を乗り継いで乗車する場合でもそれぞれの運賃額を合算して運賃を算出する。

乗車券は基本的には硬券で発売され、軟券補充券も用意されている。また、JR線の特定の駅(静岡県内の駅や東京駅名古屋駅など)との間には連絡乗車券も発売されており、1枚の乗車券でJR線と大井川鐵道を乗り継いで乗車することが可能である[28]

未成線

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大井川鐵道にはかつて以下の鉄道計画が存在したが実現することはなかった(未成線)。

車両

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上記の通り大井川本線と井川線は軌間こそ同じであるが、車両寸法などが大きく異なる。このため、大井川本線用の車両と井川線用の車両を別に記載する。

大井川本線用の車両

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現有車両は、一部の電気機関車を除いたすべてが他社からの譲受車両である。SL列車用の蒸気機関車・客車の一部は鉄道車両としては大井川鐵道に在籍しているが、日本ナショナルトラストが所有している私有車である。

現有車両

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電車
客車
蒸気機関車
電気機関車
貨車

導入予定車両

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導入予定の車両については大井川鐵道での形式名が未発表であるため、便宜上の名称として譲受元での形式を記載する。

電車
客車
蒸気機関車

過去の車両

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電車
気動車
客車
  • ハフ1形
    1927年(昭和2年)、鉄道省より払下げを受けた平岡工場製のハ1841[30] である。当初の大鉄での形式はハ1であったが1929年(昭和4年)に改造されハフとなった。1956年(昭和31年)12月27日付で廃車。
  • ハフ10形
    ハフ10は1956年(昭和31年)12月27日付で廃車。ハフ15は1941年(昭和16年)5月に貨車(チ3)に改造された。
  • ハフ30形
    1930年(昭和5年)に鉄道省より払下げを受けた鉄道車両会社製ハフ3015・3016[31]。1941年(昭和16年)5月に貨車(チ4・5)に改造された。
  • ニブ1形
  • ニ20形
    1970年(昭和45年)9月30日付で廃車。
  • ニ25形
    1965年(昭和40年)8月25日付で廃車。
  • ホハニフ100形
    1959年(昭和34年)12月9日付で廃車。
  • ナハフ500形
    SL列車の客車が不足したため、1977年(昭和52年)に前述のクハ500形 505を改造し、茶色塗装にした上で使用された。1984年(昭和59年)に休車となり、同年10月13日付で廃車された。
蒸気機関車
電気機関車
貨車

井川線用の車両

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現有車両はいずれも自社で導入したものとなっている。貨車については鉄道車両としては大井川鐵道に在籍するが、所有は中部電力であり形式名に「c」が冠されている。

現有車両

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客車
電気機関車
ディーゼル機関車
貨車

過去の車両

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客車
蒸気機関車
  • 1号「いずも」
    「プラザロコ」で保存されている1「いずも」
    1921年大正10年)にオーレンシュタイン・ウント・コッペルで製造され、一畑軽便鉄道(現・一畑電気鉄道)が1922年(大正11年)に4両目の機関車として導入した、12.8 tで車軸配置0-6-0(ホワイト式)のタンク機である。一畑軽便鉄道が一畑電気鉄道に社名変更した上で、1928年(昭和3年)に電化された後の1929年(昭和4年)に廃車となり、七尾セメント(その後、磐城セメント七尾工場を経て住友セメント〈現・住友大阪セメント〉七尾工場)に売却され[34]、同社1号機として専用線貨物列車の入れ替えや牽引に使用されていた。
    用途廃止後は倉庫内で放置されていたが、1974年(昭和49年)に分解状態で発見され、プレスアイゼンバーン松本謙一前里孝が購入した上で動態復元され[35]、1977年(昭和52年)8月14日に入線。保存を委託された。大井川鉄道では、一畑軽便鉄道にちなんで「いずも」という愛称が一般公募により命名され[35]、同年10月7日より千頭駅 - 川根両国駅間を往復するミニSL列車(この列車自体は1970年〈昭和45年〉11月からの運行)の牽引機として使用された。1983年(昭和58年)には井川線規格に適合させるために煙突と運転台の屋根を切り詰める改造が行われ[35]、1984年(昭和59年)には井川線の客車を牽引して井川駅まで乗り入れた[36]。当時は井川湖の湖畔で遊覧運転をする計画があったという[36] が、実現には至っていない。
    1989年(平成元年)11月26日をもって前述のミニSL列車が運行終了。その後は七尾工場時代のスタイルに復元された上で、新金谷駅前の「プラザロコ」にて静態保存されている[37]
  • 10形
  • 1275形
  • 2100形
ディーゼル機関車

関連企業

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  • 大鉄アドバンス - 「大鉄バス」の名称で乗合バス事業を、「大鉄観光バス」の名称で貸切バス事業を、「大鉄タクシー」の名称でタクシー事業を、「大鉄観光サービス」の名称で旅行業を行っている。
  • 掛川大鉄タクシー - 静岡県掛川市におけるタクシー事業。
  • 南アルプス産業 - 駅弁の製造・販売会社。2014年(平成26年)、東海軒にすべての事業を譲渡して解散。
  • 大鉄メディアクリエイト

大鉄アドバンス

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大鉄アドバンスに譲渡された車両の例(千頭駅)

大鉄アドバンス(だいてつアドバンス)はバス事業やタクシー事業を中心とする大井川鐵道の子会社である。

以前は大井川鐵道本体で大井川本線の沿線に路線バス事業を展開していた。千頭駅 - 寸又峡温泉間の寸又峡線1路線のみの時期もあったが、2012年(平成24年)4月28日より、井川線に並行する形で閑蔵線の運行を開始し、2014年(平成26年)12月時点では寸又峡線と閑蔵線の2路線のみとなっていた。2015年(平成27年)1月から両路線とも関連会社の大鉄アドバンスに移管され、大井川鐵道本体はバス事業から撤退した[38]。寸又峡線は2019年(令和元年)3月で廃止され同年4月からは川根本町営バスとして運行している[39]

大井川本線と接続するダイヤになっており、観光客利用が多い場合には続行便なども設定される。

また島田市コミュニティバス(大代線、金谷循環線、菊川神谷城線)および川根本町営バス(千頭・家山線、寸又峡線)の運行を受託している。

バス路線

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閑蔵線
2012年(平成24年)4月28日運行開始。井川線よりかなり短い30分で千頭駅と閑蔵駅前を結ぶ。1日3往復(11月の土休日は4往復)。運賃も井川線より安い。
空港・新金谷線(富士山静岡空港金谷線)
しずてつジャストラインとの共同運行
  • 蓬莱橋 - 島田駅南口 - 島田市博物館 - 新金谷駅 - 金谷駅 - 富士山静岡空港
2019年(令和元年)7月20日運行開始。2022年(令和4年)3月27日のダイヤ改正により、蓬莱橋 - 新金谷駅間を延伸した。蓬莱橋 - 新金谷駅の区間便もある。

このほか、かつては静岡井川線を静岡鉄道バスと、静岡浜松線遠州鉄道バス・静岡鉄道バスと共同運行していた。また掛川市内にも路線を有していたが、こちらは1988年(昭和63年)に掛川バスサービスに全路線を譲渡して撤退している。他にも旧榛原郡金谷町内にも路線を有していたが、こちらも2004年(平成16年)に撤退し、金谷町自主運行バスを経て現在は島田市コミュニティバスが代替している。

イベント

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きかんしゃトーマス号

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きかんしゃトーマス号

2011年(平成23年)の東日本大震災による観光需要の低下や2012年(平成24年)の関越道高速ツアーバス事故に伴う高速バス規制の強化[注 8]などの影響でSL列車の利用者が激減して経営再建問題が浮上した2014年(平成26年)より、期間限定でテレビアニメ『きかんしゃトーマス』に登場する機関車「トーマス」や、その他のキャラクターの意匠を施したSLの運行および展示 (デイ・アウト・ウィズ・トーマス) を行っている[40]。また、2015年(平成27年)度より、クリスマス期間の運行も開始した[40]

姉妹鉄道

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脚注

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注釈

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  1. ^ 大井川鐵道への改称後も、公式には新字体の「大鉄」表記が使用されている[7]
  2. ^ かつて沿線に存在した製材所などの引込線があった側線で、「リバーサイド線」の愛称がのちに付けられていた。のちに千頭駅周辺の道路拡幅工事に伴い廃止されている。
  3. ^ のちに井川駅 - 堂平駅間でSL牽引による遊覧列車(ミニSL列車)の計画が持ち上がり、井川線規格の車両限界に合わせてキャブ(運転室)と煙突を切り詰めた「いずも号」と客車が入線したことがあるが、実現には至らなかった。
  4. ^ a b 2013年平成25年)10月19日改正施行ダイヤ[14]
  5. ^ ダイヤ改正後の井川線における運転本数に関しては、2014年(平成26年)2月19日時点において、大井川鐵道Webサイト上では「ただいま調整しております」としていたが[15]、『中日新聞』では既に「上下線で現行1日各4本と一部折り返しを、各3本と一部折り返しに減らす」と報じていた[13]
  6. ^ 北海道日高郡新ひだか町に本社を置き、同町内で「静内エクリプスホテル」を経営。外部リンク参照。
  7. ^ 2022年令和4年)2月時点で大井川鐵道は「(C56形で)走行している車両はない」としている[29]
  8. ^ バス運転手の運転距離制限が強化されたことで、都内からのバスツアーを運転手1人乗務で催行する場合において、SL乗車を行程に組み込むことが難しくなった。

出典

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  1. ^ a b 概要・沿革 - 大井川鐵道(2020年2月24日閲覧)
  2. ^ 大井川鐵道・ロケーションサービス(2020年2月24日閲覧)
  3. ^ a b c 鉄道統計年報平成29年度版 - 国土交通省
  4. ^ a b c 大井川鉄道株式会社 第42期決算公告
  5. ^ 国土交通省鉄道局監修『鉄道要覧』令和元年度版、電気車研究会・鉄道図書刊行会
  6. ^ a b 「大井川鉄道 ツアー快走、魅力満載 5年で席数6倍/富士山遊覧やダム見学、地元企業とコラボ進む」日本経済新聞』朝刊2020年1月18日(静岡経済面)2020年2月16日閲覧
  7. ^ 大鉄のお弁当 大井川鐵道(2022年3月22日閲覧)
  8. ^ 全国登山鉄道‰(パーミル)会 - 南海電気鉄道(2020年2月24日閲覧)
  9. ^ a b c 静岡)電車の運行本数を大幅削減 大井川鉄道」『朝日新聞』2014年2月4日。オリジナルの2014年2月19日時点におけるアーカイブ。2014年2月19日閲覧。 ※記事全文の閲覧は要会員登録。
  10. ^ a b 「大井川鉄道、再生軌道に/トーマス・観光両輪 家族客・外国人ら注目」『日本経済新聞』朝刊2019年6月29日(静岡経済面)2020年2月24日閲覧
  11. ^ a b c 大井川鉄道、本線運行4割減。3月26日から」『日本経済新聞』2014年2月3日。オリジナルの2014年2月19日時点におけるアーカイブ。2014年2月19日閲覧。
  12. ^ バス新制度、走行距離制限、日帰りツアーにも影響」『静岡新聞』静岡新聞社、2013年8月4日。オリジナルの2013年8月8日時点におけるアーカイブ。2021年8月10日閲覧。
  13. ^ a b c d e 大井川鉄道、電車の本数削減」『中日新聞』2014年2月4日。オリジナルの2014年2月19日時点におけるアーカイブ。2014年2月19日閲覧。
  14. ^ 平成25年10月19日改訂時刻表”. 大井川鐵道. 2013年12月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年2月19日閲覧。
  15. ^ 平成26年3月26日時刻改正に伴う列車運転本数について”. 大井川鐵道トピックス. 大井川鐵道 (2014年2月7日). 2014年2月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年6月12日閲覧。
  16. ^ 大井川鐵道、北海道企業の参画で経営再建へ”. レスポンス (2015年5月30日). 2015年6月7日閲覧。
  17. ^ 大井川鉄道「地元と協働」:静岡」『中日新聞』中日新聞社、2015年9月1日。オリジナルの2015年9月23日時点におけるアーカイブ。2018年4月22日閲覧。
  18. ^ “大井川鉄道に新社長就任 「トーマス頼み」脱却へ駅で地元野菜販売も”. 産経新聞. 産経ニュース (産経新聞社). (2015年9月1日). オリジナルの2015年9月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150904012629/http://www.sankei.com/region/news/150901/rgn1509010045-n1.html 2018年4月22日閲覧。 
  19. ^ “大井川鉄道を完全子会社に スポンサー企業、全株取得”. 静岡新聞アットエス (静岡新聞社). (2017年6月17日). オリジナルの2017年6月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170617090851/http://www.at-s.com/news/article/economy/shizuoka/370998.html 2018年4月22日閲覧。 
  20. ^ 大井川鐵道井川線沿線の地域活性化に向けたツアーを実施〜通常公開していない施設を特別にご案内します〜 - 中部電力(2019年12月6日)2019年12月8日閲覧
  21. ^ 鉄道・バスフリーきっぷと川根温泉ホテル宿泊がセットになったお得なプランが登場!大井川鐵道(2020年7月22日)2020年9月18日閲覧
  22. ^ UNMANNED 無人駅の芸術祭/大井川(2020年2月24日閲覧)
  23. ^ “大鉄35年ぶり新駅「門出」、11月開業 体験型フードパークも”. 静岡新聞. (2020年9月25日). https://www.at-s.com/news/article/topics/shizuoka/812438.html 2020年12月27日閲覧。 
  24. ^ “島田の複合施設「KADODE」開業 大井川鉄道新駅「門出」も”. 静岡新聞. (2020年11月12日). https://www.at-s.com/news/article/economy/shizuoka/830170.html 2020年12月27日閲覧。 
  25. ^ 大井川鉄道、鳥塚氏が社長に 現えちごトキめき鉄道社長」『日本経済新聞』2024年6月12日。2024年6月12日閲覧。
  26. ^ 『増補資料 静岡県榛原郡誌』静岡県榛原郡町村会、1973年11月3日、431 - 432頁。 
  27. ^ 『写真で綴る静岡鉄道70年の歩み』静岡鉄道株式会社、1989年4月、163頁。 
  28. ^ 厚紙きっぷで東京まで JR線への乗車券に昔ながらの硬券復活 大井川鐵道”. 乗りものニュース (2016年3月11日). 2019年12月14日閲覧。
  29. ^ “大井川鉄道 「C56形」135号機搬入、復活目指す”. 静岡新聞 (静岡新聞社). (2022年2月12日). https://www.at-s.com/sp/news/shittoko/1026529.html 2022年6月29日閲覧。 
  30. ^ 客車略図形式1005
  31. ^ 客車略図形式3012
  32. ^ 沖田祐作『機関車表』ネコ・パブリッシング、2014年。ISBN 9784777053629 
  33. ^ “日本初の鋼製貨車「ト20000形」復活へ 来月、福井の敦賀で公開”. 産経新聞 (産経新聞社). (2016年9月18日). https://www.sankei.com/article/20160918-YYCSRTDPGJODZOI4ZF4HB57JLI/ 2022年6月29日閲覧。 
  34. ^ 島根県立古代出雲歴史博物館編集『BATADEN 一畑電車百年ものがたり』p.20
  35. ^ a b c ネコ・パブリッシング『私鉄の車両14 大井川鉄道』p.92
  36. ^ a b ネコ・パブリッシング『RM LIBRARY 96 大井川鐵道井川線』p.27
  37. ^ 大井川鐵道 サイト内 プラザロコ施設ご案内”. 2010年11月25日閲覧。
  38. ^ 大鉄アドバンス・会社案内(2019年12月8日閲覧)
  39. ^ 4月から町営バスが変わります」『広報かわねほんちょう』(PDF)2019年3月号、川根本町、10頁http://www.town.kawanehon.shizuoka.jp/material/files/group/5/H31-03-10-11.pdf2023年2月14日閲覧 
  40. ^ a b 崖っ縁大井川鉄道は生き延びられるか(上)「トーマス列車」鉄道会社が赤字に陥ったワケ - 東洋経済オンライン(2015年6月17日)2019年12月8日閲覧
  41. ^ 歡迎光臨阿里山森林鐵道(繁体字中国語)[リンク切れ]

参考文献

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  • 飯島巌・白井良和『大井川鉄道』保育社、1986年
  • 白井良和「大井川鉄道」『鉄道ピクトリアル』No.436 1984年9月号
  • ジェイ・アール・アール『私鉄車両編成表 '96年版』交通新聞社、1996年
  • 寺田裕一『ローカル私鉄車輌20年 東日本編』JTBパブリッシング、2001年
  • 白川淳『現役蒸気機関車のすべて』JTBバブリッシング、2005年

外部リンク

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