コンテンツにスキップ

塩味

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
食塩(顕微鏡写真)

塩味(えんみ[1]、しおみ[1]、しおあじ[1])は味覚の一つ。鹹味(かんみ[2])ともいう。

味物質

[編集]

塩味の代表的な味物質は塩化ナトリウムで、塩化ナトリウムが主成分の調味料が食塩である。ヒトは塩味をナトリウムイオンによって感じ、陰イオンが塩化物イオンのとき、つまり食塩の時に一番強く感じる。塩味の味覚受容機構は、大まかにナトリウムイオンが味細胞内に直接流入し、脱分極させることである[要出典]。しかしながら、この機構にはまだ不明な点が存在している。味覚テストによると塩味と他の味覚物質は独立ではなく、混合によって塩味が弱められたり、他の味を強めたりする[3]:4

塩化カリウムも塩味がする物質だが、その味は「後味が悪い」と表現される[3]:6減塩調味料(ナトリウムを減しつつ塩味はさせる)として食塩に塩化カリウムを加えた製品では、塩化カリウムの味の悪さが問題となる。その改善策として、香料の添加、各種アミノ酸ペプチドの添加、などの手法が開発されている[3]

他にも塩化アンモニウム酢酸ナトリウムが食品で使用されている。

塩味表現

[編集]

塩味が強いことを「塩辛い」(しおからい)と表現する[4]。古くは「鹹し」(しほはゆし、しわはゆし)と表現した[5]

現代方言では、関西などで「辛い」(からい)[6][7]、東日本では「鹹し」から転じて[8]しょっぱい」と言う[6]。地方によっては「塩っ辛い」(しょっからい)ともいう[6]

なお、「辛い」は塩味のほかに唐辛子等の香辛料味という意味もある[7]:[一](1)

健康への影響

[編集]

歴史

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ a b c 塩味-448236」『精選版 日本国語大辞典(小学館)』https://kotobank.jp/word/塩味-448236コトバンクより2021年4月23日閲覧 
  2. ^ 鹹味-471522」『精選版 日本国語大辞典(小学館)』https://kotobank.jp/word/鹹味-471522コトバンクより2023年5月6日閲覧 
  3. ^ a b c 石田, 賢吾「業界の動向 食塩の概要と減塩調味料」(pdf)『JAS情報』第47巻、日本農林規格協会、2012年、3–7頁、NAID 40019182411オリジナルの2020年7月19日時点におけるアーカイブ、2020年7月19日閲覧  食塩の味覚テストの出典は「太田静行 減塩調味の知識 p34(幸書房)(1993)」としている。
  4. ^ 塩辛-72239」『精選版 日本国語大辞典(小学館)』https://kotobank.jp/word/塩辛-72239コトバンクより2023年5月6日閲覧  しお‐から・い 語義(1)
  5. ^ しわはゆい-2051710」『精選版 日本国語大辞典(小学館)』https://kotobank.jp/word/しわはゆい-2051710コトバンクより2023年5月6日閲覧 
  6. ^ a b c 国立国語研究所: “『日本言語地図』 第39図 しおからい(鹹い)”. 国立国語研究所 (1966年). 2024年2月15日閲覧。
  7. ^ a b 辛・苛・鹹-2024597」『精選版 日本国語大辞典(小学館)』https://kotobank.jp/word/辛・苛・鹹-2024597コトバンクより2023年5月6日閲覧  語誌(2)
  8. ^ 塩ぱい-2044894」『精選版 日本国語大辞典(小学館)』https://kotobank.jp/word/塩ぱい-2044894コトバンクより2023年5月6日閲覧  語誌(2)
  9. ^ おせんべいやスナック菓子の「サラダ味」 いったいどんな味?”. 朝日新聞DIGITAL (2022年8月18日). 2022年8月18日閲覧。

参考文献

[編集]
  • 『基礎歯科生理学』(医歯薬出版、2003年3月)ISBN 4263455606

関連項目

[編集]