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中村梅玉 (4代目)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
よだいめ なかむら ばいぎょく
四代目 中村梅玉
屋号 高砂屋
定紋 祇園守 
生年月日 (1946-08-02) 1946年8月2日(78歳)
本名 河村順之
襲名歴 1. 二代目加賀屋福之助
2. 八代目中村福助
3. 四代目中村梅玉
出身地 神奈川県
曽祖父 四代目中村芝翫
祖父 五代目中村歌右衛門(養祖父)
六代目中村歌右衛門(養父)
河村つる子(養母)
兄弟 二代目中村魁春
武者小路有紀子
中村莟玉(養子)
河村なぎさ(長女)
当たり役
勧進帳』の源義経
寿曽我対面』の曽我十郎
ひらかな盛衰記』の梶原源太景季
平家女護島 俊寛』の丹左衛門尉基康
伽羅先代萩』の細川勝元

四代目 中村 梅玉(よだいめ なかむら ばいぎょく、1946年(昭和21年) 8月2日 - )は歌舞伎役者屋号高砂屋定紋祇園守、替紋は祇園銀杏立役を主とする。本名は河村 順之(かわむら としゆき)。人間国宝(重要無形文化財「歌舞伎立役」の各個認定保持者) 、日本芸術院会員、伝統歌舞伎保存会会員。神奈川県出身、青山学院高等部中退[1]

来歴

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六代目中村歌右衛門の妻つる子のおいに生まれ、1955年に実弟の二代目中村魁春とともに六代目歌右衛門の養子となる[2]1956年(昭和31年) に歌舞伎座『蜘蛛の拍子舞』の福才で初舞台、二代目加賀屋福之助襲名する。

1967年(昭和42年)に歌舞伎座『絵本太功記』十段目の武智十次郎と『妹背山婦女庭訓・吉野川』の久我之助で八代目中村福助を襲名。

1992年(平成4年)に歌舞伎座『祇園祭礼信仰記』(金閣寺)の此下東吉と『伊勢音頭恋寝刃』(伊勢音頭)の福岡貢で四代目中村梅玉を襲名。2013年、芸術院会員に選ばれる。

2022年7月22日、重要無形文化財「歌舞伎立役」の各個認定保持者(人間国宝)に認定されることが内定した。

芸風

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品のよい、穏やかな芸風で、『一谷嫩軍記』の源義経平敦盛、『太功記』の十次郎、『吉野川』の久我之助のような貴公子役を本領とする一方、眞山青果作『将軍江戸を去る』の徳川慶喜、『御浜御殿綱豊卿』の徳川綱豊、『頼朝の死』の源頼家や、岡本綺堂作『番町皿屋敷』の青山播磨など三代目市川壽海を思わせる新歌舞伎の役どころや、『仮名手本忠臣蔵』の斧定九郎、『籠釣瓶花街酔醒』の繁山栄之丞など色悪と芸域は広い。

人物

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若い役を演じる上での信念として「気を若く保つことが大事」「現代をよく知らなければならない」と語っており、その時々に流行している音楽を聴くなどしているという。2022年にはYOASOBIのファンになったことを語っている。また、サザンオールスターズのファンでもあり、桑田佳祐とも交流がある[3][4]

実弟で同じく六代目歌右衛門の養子に二代目中村魁春。また六代目歌右衛門の芸養子として別に六代目中村東蔵がいる。妻は作家の武者小路実篤の孫で、元バレリーナの武者小路有紀子。2019年に部屋子の中村梅丸を養子とし中村莟玉を名乗らせた[5]

2022年7月22日、歌舞伎立役において重要無形文化財の保持者(人間国宝)に認定されることが内定した[6][7][8]

顕彰

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出典

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  1. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.552
  2. ^ 私の記念碑 歌舞伎俳優 中村梅玉/1 弟と歌右衛門家、養子に”. 読売新聞 (2020年7月14日). 2023年10月22日閲覧。
  3. ^ 中村梅玉さん「コツコツ歩み続けた結果」 若さ保つ秘訣は新しい音楽毎日新聞 2022年7月22日配信・閲覧
  4. ^ 中村梅玉が人間国宝に、過去にサザン桑田佳祐と京都で意気投合「桑田さんも頑張ってるから、こっちも」東京中日スポーツ 2022年7月22日配信・閲覧
  5. ^ 中村梅丸、11月歌舞伎座から「初代中村莟玉」に”. 日刊スポーツ. 2019年8月24日閲覧。
  6. ^ 文化審議会の答申(重要無形文化財の指定及び保持者の認定等)』(プレスリリース)文化庁、2022年7月22日https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/93816701.html2024年2月21日閲覧 及び解説 (PDF)
  7. ^ 人間国宝に歌舞伎俳優の中村梅玉さんなど 新たに5人認定」『NHK NEWS WEB』2022年7月22日。2022年7月22日閲覧。
  8. ^ 「人間国宝」途切れない歌舞伎界に対し落語界は現在「空席」柳家小三治さんに続く4人目は?”. 日刊スポーツ (2022年8月7日). 2022年8月7日閲覧。
  9. ^ 梅玉 紫綬褒章を受章”. 歌舞伎美人 (2007年11月6日). 2023年7月3日閲覧。

外部リンク

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