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ヨウ化モリブデン(III)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヨウ化モリブデン(III)
識別情報
CAS登録番号 14055-75-5 チェック
PubChem 5149862
ChemSpider 4323230
特性
化学式 MoI3
モル質量 476.65 g/mol
外観 黒色固体[1]
融点

927 °C, 1200 K, 1701 °F ([1] (decomposes))

への溶解度 不溶
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ヨウ化モリブデン(III)(Molybdenum(III) iodide)は、化学式MoI3無機化合物である。

合成

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ヨウ化モリブデン(III)は、モリブデンヘキサカルボニルと気体状ヨウ素を105℃で反応させることで得られる[2]

2 Mo(CO)6 3 I2 → 2 MoI3 12 CO

また、塩化モリブデン(V)ヨウ化水素二硫化炭素溶液からも得られる。

MoCl5 5 HI → MoI3 5 HCl I2

さらに、金属モリブデンと過剰量のヨウ素を300℃で直接反応させることで得られる。

2 Mo 3 I2 → 2 MoI3

モリブデンのヨウ化物で最も安定しているため、これが好ましい合成ルートである[1]

性質

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ヨウ化モリブデン(III)は、黒色の反強磁性固体で、室温で空気に対し安定である。真空中では、100℃以上でヨウ化モリブデン(II)とヨウ素に分解する。極性溶媒及び非極性溶媒に溶けない[2]結晶構造は、ヨウ化亜鉛(III)と同形である[3]

出典

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  1. ^ a b c グリーンウッド, ノーマン; アーンショウ, アラン (1997). Chemistry of the Elements (英語) (2nd ed.). バターワース=ハイネマン英語版. pp. 1019–1021. ISBN 978-0-08-037941-8バターワース=ハイネマン(英語版)&rft.date=1997&rft.isbn=978-0-08-037941-8&rft.aulast=グリーンウッド&rft.aufirst=ノーマン&rft.au=アーンショウ, アラン&rfr_id=info:sid/ja.wikipedia.org:ヨウ化モリブデン(III)" class="Z3988">
  2. ^ a b hrsg. von Georg Brauer. Unter Mitarb. von M. Baudler (1981). Handbuch der präparativen anorganischen Chemie / 3. (3rd ed.). Stuttgart: Enke. pp. 1539. ISBN 3-432-87823-0. OCLC 310719495. https://www.worldcat.org/oclc/310719495 
  3. ^ Riedel, Erwin; Christoph, Janiak; Meyer, Hans-Jürgen (2012). Riedel moderne anorganische Chemie. Riedel, Erwin, 1930-, Janiak, Christoph., Meyer, Hans-Jürgen. (4. Aufl ed.). Berlin: De Gruyter. pp. 357. ISBN 978-3-11-024900-2. OCLC 781540844. https://www.worldcat.org/oclc/781540844