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フレキシティ2 (ブラックプール・トラム)

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フレキシティ > フレキシティ2 > フレキシティ2 (ブラックプール・トラム)
フレキシティ2
(ブラックプール・トラム)
フレキシティ2(2012年撮影)
基本情報
製造所 ボンバルディア・トランスポーテーション
製造年 2010年 - 2012年
2016年 - 2017年
製造数 18両(001 - 018)
運用開始 2012年4月3日
投入先 ブラックプール・トラム
主要諸元
編成 5車体連接車、両運転台
軸配置 Bo′ 2′ Bo′
軌間 1,435 mm
電気方式 直流600 V
架空電車線方式
最高速度 70 km/h
起動加速度 1.8 km/h/s
減速度(常用) 4.32 km/h/s
減速度(非常) 9.828 km/h/s
編成定員 着席74人
立席148人
フリースペース2箇所
乗客密度4人/m2
編成重量 40.9 t
全長 32,230 mm
全幅 2,650 mm
全高 3,420 mm
床面高さ 320 mm(扉付近)
低床率100 %
車体 側面パネル/アルミニウム合金
台車 ボンバルディア FLEXX Urban 3000
車輪径 600 mm(新製輪)
520 mm(摩耗輪)
台車中心間距離 11,230 mm
軸重 9.6 t
主電動機 水冷式三相誘導電動機
主電動機出力 120 kw
出力 480 kw
制動装置 回生ブレーキ電気油圧式ディスクブレーキ電磁吸着ブレーキ
備考 主要数値は[1][2][3][4][5][6]を参照。
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この項目では、ドイツの鉄道車両メーカーであるボンバルディア・トランスポーテーションが展開する路面電車車両ブランドであるフレキシティ2のうち、イギリスブラックプール・トラムに導入された車両について解説する。これらはフレキシティ2の中で最初に導入契約が結ばれたもので、ブラックプール・トラムの近代化計画の一環として2012年から営業運転を開始した。A形(A fleet)という形式名で呼ばれる場合もある[1][2][3][4][5][7]

概要

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イギリスの観光都市であるブラックプール路面電車ブラックプール・トラムは、2020年時点で同国に存在する保存鉄道を除いた路面電車の中で唯一第二次世界大戦前から営業運転を継続する路線である。同路線では2階建て路面電車の"バルーン"を始めとした旧型車両が長年に亘って使用されていたが、施設を含めて老朽化が進行し、バリアフリーの面でも難が生じていた[注釈 1]。そこで、2008年にイギリス政府はブラックプール評議会英語版ランカシャー州政府と共に総額8,500万ポンド[注釈 2]にも及ぶブラックプール・トラムの大規模な近代化に関する予算案を採択した。その中で車両についてもバリアフリーに適した超低床電車へ置き換えることとなり、2009年ボンバルディア・トランスポーテーションとの間に新型電車の導入に関する契約が交わされた。これに基づき製造が行われたのがフレキシティ2である[2][3][8][9]

フレキシティ2(Flexity 2)はボンバルディア・トランスポーテーションが展開する路面電車ライトレール向け車両ブランドであるフレキシティの1つで、そのうちブラックプール・トラム向けに開発された車両は、中間に2つの台車がないフローティング車体を挟んだ両運転台の5車体連接車である。台車はボンバルディアが開発した車軸付きボギー台車の「FLEXX Urban 3000」が用いられているが、直径600 mmの小径車輪を用いることで床上高さを抑えており、車内に段差がない100 %低床構造を実現させている。主電動機水冷式三相誘導電動機)は前後車体の台車の外側に設置されており、出力は120 kWである。また、制御装置にもボンバルディアが展開する「MITRAC」が採用され、従来の車両からエネルギー消費量が大幅に削減されている[1][2][10]

海沿いを走るために車体は強度や耐食性を強化させた構造を有しており、乗降扉は前後車体に片開き扉、フローティング車体に両開き扉が1箇所づつ両側に設置されている。車内の座席は2 2列配置のクロスシートを基本としているが、フローティング車体に存在する車椅子ベビーカーが設置可能なフリースペースの向かい側は3人掛けのロングシートとなっており、フリースペースにも折り畳み座席が設けられている。また、車内には車内案内表示装置が存在する他、冷暖房双方に対応した空調装置(HVAC)が完備されている[1][2][3]

運用

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最初に契約が結ばれた16両はドイツバウツェンに位置するボンバルディアの工場で製造された後[注釈 3]2011年9月に最初の車両が完成した。同時期には電停の削減および残された電停の近代化、車庫の改良、昇圧(直流550 V→直流600 V)など長期の運休を伴う大規模な工事も行われ[注釈 4]、伝統的な路面電車から近代的なライトレールへの更新がなされた。そして2012年4月3日、ブラックプール・トラムの運行再開に合わせてフレキシティ2の営業運転が始まった。その後、混雑時の車両数確保を目的に2016年に2両の追加発注が行われ2018年に導入されたため、2020年現在は18両(001 - 018)が在籍する[3][4][5][6][12]

フレキシティ2の導入に伴い、従来使用されていた車両についてはバリアフリーへの対応工事が施された2階建て電車の"バルーン"(10両)を除いて営業運転から撤退し、一部は動態保存車両(Heritage Tram)として残存している。また、この近代化工事が実施された"バルーン"についてもフレキシティ2の増備により動態保存運転での運行に転用されている[3][4][5][6]

ギャラリー

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脚注

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注釈

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  1. ^ 2006年にもブラックプール・トラムの緊急修繕費として1,180万ポンドが捻出されていた。
  2. ^ 内訳はイギリス運輸省が6,800万ポンド、ブラックプール評議会は1,770万ポンド、ランカシャー州政府が1,500万ポンドで、加えて欧州連合インターレグ英語版に基づき400万ポンドの支援を受けた[5]
  3. ^ 製造にあたってはウィーンにあるボンバルディアの工場からの技術提供を受けた。
  4. ^ 2011年11月7日から翌2012年4月2日まで運休が行われた[11]

出典

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  1. ^ a b c d Blackpool, United Kingdom FLEXITY 2 tram”. Bombardier. 2012年3月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月8日閲覧。
  2. ^ a b c d e Bombardier Wins First FLEXITY 2 Tram Order for Blackpool in the UK”. Bombardier (2009年7月8日). 2020年9月8日閲覧。
  3. ^ a b c d e f Flexity 2 tram unveiled in Blackpool”. Railway Gazette International (2011年9月8日). 2020年9月8日閲覧。
  4. ^ a b c d Bombardier FLEXITY 2 trams for Blackpool enter service”. Intelligent Transport (2012年4月3日). 2020年9月8日閲覧。
  5. ^ a b c d e Rejuvenated Blackpool tramway reopens”. Railway Gazette International (2012年4月3日). 2012年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月8日閲覧。
  6. ^ a b c Blackpool Tramway”. British Trams Online. 2020年9月8日閲覧。
  7. ^ “BLACKPOOL & FLEETWOOD TRAMWAY”. TRACKS (Inter City Railway Society) 47 No.10 (558): 56. (2019-11). http://www.intercityrailwaysociety.org/TRACKSissues/TRACKS1910.pdf 2024年8月20日閲覧。. 
  8. ^ Brush Railcoach 624 (287)”. Fylde Transport Trust. 2020年9月8日閲覧。
  9. ^ Shelagh Parkinson (2008年2月1日). “Blackpool gets £85m for trams”. The Gazette. 2018年2月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月8日閲覧。
  10. ^ S-Size Bogies FLEXX Urban 3000 Bogie”. Bombardier. 2019年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月8日閲覧。
  11. ^ Gareth Prior (2020年6月1日). “Whatever Happened To? Blackpool Centenary 648”. British Trams Online. 2020年9月8日閲覧。
  12. ^ Blackpool Tram”. RailEngineer (2011年10月11日). 2020年9月8日閲覧。

外部リンク

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