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チン小帯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
チン小帯
ヒトの目の模式図(チン小帯は、図の左上に描かれている。)
眼球の矢状面の上半分(チン小帯は、中央付近に見える。)
概要
表記・識別
ラテン語 zonula ciliaris
ドーランド
/エルゼビア
z_01/12870397
グレイ解剖学 p.1018
TA A15.2.05.015
FMA 58838
解剖学用語

チン小帯(チンしょうたい、Zinn’s membrane, ciliary zonule)は、毛様体小帯または毛様小帯とも呼び、毛様体水晶体に繋ぐ環状の線維である。ヨハン・ゴットフリート・ツィン英語版にちなんで名づけられた。

はたらき

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チン小帯は眼球の内部で水晶体を固定している、線維のあつまりである[1]。チン小帯が水晶体を支えることによって、水晶体はその形を左右対称に保ち、ピントを網膜に合わせることができる[1]。加齢にしたがって劣化していくほか、目をこすることによっても劣化し[1]、一旦切れると再生しない[1]

発達

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毛様体上皮細胞がチン小帯の一部を形成している可能性がある[2]

解剖学

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チン小帯は、2つの層に分かれている。薄い層は硝子体窩に並び、厚い層は小帯線維が集まっている。線維は、毛様体小体として知られる[3]。チン小帯の直径は、約1から2 μmである[4]

水晶体との摩擦等で、色素顆粒がチン小帯から放出されると、虹彩の色は徐々に薄くなる。これらの色素顆粒がチャネルを阻害し、緑内障を引き起こすこともある。

チン小帯は、主に結合組織タンパク質であるフィブリリンで構成されている[2]。フィブリリン遺伝子の変異はマルファン症候群を引き起こし、水晶体脱臼の危険が高まる[2]

見かけ

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チン小帯は、細隙灯で見ることは難しいが、子供のものや虹彩欠損症、水晶体亜脱臼の場合は見えることがある[5]。チン小帯の数は、年齢とともに減少する[4]。チン小帯は、水晶体外縁の前方及び後方に挿入されているように見える[6]

画像

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出典

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  1. ^ a b c d 赤星, 隆幸 (2019年3月16日). “元気のココロ”. 日本経済新聞土曜版 (日本経済新聞): p. S7 
  2. ^ a b c Kaufman, Paul L.; Alm, Albert (2010). Adler's physiology of the eye (11th ed. ed.). St. Louis, Mo: Mosby. pp. 145-146. ISBN 978-0-323-05714-1 
  3. ^ http://www.etsu.edu/cpah/hsci/forsman/WebVision.htm
  4. ^ a b Bornfeld, Norbert; Spitznas, Manfred; Breipohl, Winrich; Bijvank, Gerhard J. (1974). “Scanning electron microscopy of the zonule of Zinn”. Albrecht von Graefes Archiv for Klinische und Experimentelle Ophthalmologie 192 (2): 117-129. doi:10.1007/BF00410698. 
  5. ^ McCulloch, C (1954-1955). “The Zonule of Zinn: its Origin, Course, and Insertion, and its Relation to Neighboring Structures.”. Transactions of the American Ophthalmological Society 52: 525-85. PMID 13274438. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1312608/pdf/taos00047-0532.pdf 2012年12月15日閲覧。. 
  6. ^ Farnsworth, PN; Mauriello, JA; Burke-Gadomski, P; Kulyk, T; Cinotti, AA (1976 Jan). “Surface ultrastructure of the human lens capsule and zonular attachments.”. Investigative ophthalmology 15 (1): 36-40. PMID 1245377. 

外部リンク

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