コンテンツにスキップ

シーズ・ア・レインボー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「シーズ・ア・レインボー」
ローリング・ストーンズシングル
初出アルバム『サタニック・マジェスティーズ
B面 2000光年のかなたに
リリース
規格 7インチシングル
録音
ジャンル
時間
レーベル アメリカ合衆国の旗 ロンドンレコード
作詞・作曲 ジャガー/リチャーズ
プロデュース ローリング・ストーンズ
チャート最高順位
後述を参照。
ザ・ローリング・ストーンズ シングル U.S. 年表
  • イン・アナザー・ランド
  • (1967年)
  • シーズ・ア・レインボー
  • (1967年)
サタニック・マジェスティーズ 収録曲
魔王讃歌(二部)
(A-5)
シーズ・ア・レインボー
(B-1)
ランターン
(B-2)
テンプレートを表示

シーズ・ア・レインボー」(She's a Rainbow)は、ローリング・ストーンズの楽曲である。1967年に発売されたアルバム『サタニック・マジェスティーズ』に収録された[5]。作詞・作曲はミック・ジャガーおよびキース・リチャーズ[6]アメリカをはじめとした数か国でシングル・リリースされた。

この曲は、1999年に5色のiMacテレビCMに使用された。また、日本では2015年に進研ゼミのCMにも使用された。

曲の構成・レコーディング

[編集]

「シーズ・ア・レインボー」は、

Alright there now listen very closely for how to play the game, I'll tell you how to do it.
Now luv, all you gotta do, luv, is when the whistle's blown, I want you to give one spin, one spin only on your ball.
Any prize, take what you like. One winner, one prize, the pick o' th' stall. Are you all ready ?

という客引きのセリフと群衆の声から始まる。

レコーディングは1967年5月18日にロンドンオリンピック・スタジオで行われた[7]。リチャーズは、2016年のインタビューで「シーズ・ア・レインボー」の制作当初、「オルゴールのような」サウンドをイメージしていたことを明かしている[8]。その後、バンドとプロデューサーのアンドリュー・ルーグ・オールダムは、このイメージを可能な限り楽曲に反映するように制作を行った[8]。楽曲制作時のタイトルは「Flowers in Your Bonnet」[9]

楽曲は、ニッキー・ホプキンスが弾くバロック調のピアノのイントロから始まる[8]。楽曲内では、再生速度を上げたバッキング・ボーカルジョン・ポール・ジョーンズが編曲を手がけたストリングス、ミュートしたエレクトリック・ギターパーカッションなどが確認できる[8]

リリース

[編集]

「シーズ・ア・レインボー」は、1967年12月にシングル盤として発売され、アメリカのBillboard Hot 100で最高位25位を獲得した[10]。その後、コンピレーション・アルバムにおいて、たびたび取り上げられており、『スルー・ザ・パスト・ダークリー (ビッグ・ヒッツ Vol.2)』(1969年)、『モア・ホット・ロックス』(1972年)、『30 Greatest Hits』(1977年)、『シングル・コレクション (ザ・ロンドン・イヤーズ)』(1989年)、『フォーティ・リックス』(2003年)、『GRRR!』(2012年)に収録された[6]

ライブ・パフォーマンス

[編集]

1997年から1998年の「ブリッジズ・トゥ・バビロン」ツアーでライブ初演奏[11]となり、その後2016年の「アメリカ・ラティーナ・オレ」ツアーで18年ぶりに披露[12]している。

評価

[編集]

オールミュージックのブルース・エダーは、「ミック・ジャガーとキース・リチャーズがローリング・ストーンズのために書いた曲の中で、最も美しく、最もらしくない曲」とし、「予想外に綺麗なメロディーを持つ、まともなストーンズのレコード」と評している[13]。一方で、「この曲で彼は、ジャガーの美徳を讃えるトルバドゥールなのか、それとも最近の征服者に欲情しているサテュロスなのか判断がつかない」「ローリング・ストーンズがこの曲をどれほど真剣に聞いていたのか、"ooo-la-la"という大袈裟で異様なコーラスを取り入れていたことも気になる」と述べている[13]

ミック・ジャガーは、『サタニック・マジェスティーズ』自体には低評価を下しているが、この曲と「2000光年のかなたに」だけは「いい曲だ」としている[14]

クレジット

[編集]

※出典[15]

ローリング・ストーンズ
外部ミュージシャン

チャート成績

[編集]
チャート (1967年 – 1968年) 最高位
オーストリア (Ö3 Austria Top 40)[18] 8
ベルギー (Ultratop 50 Flanders)[19] 13
カナダ トップシングルス (RPM)[20] 9
オランダ (Single Top 100)[21] 2
スペイン (PROMUSICAE)[22]
19
スイス (Schweizer Hitparade)[23] 3
US Billboard Hot 100[10]
25
チャート (2007年) 最高位
デンマーク (Tracklisten)[24] 25
スイス (Schweizer Hitparade)[23] 91

カバー・バージョン

[編集]

ロンドン交響楽団は、1994年に発売したアルバム『Symphonic Music of the Rolling Stones』で本作をカバー[25]

モリー・タトル英語版は、2020年に発売したアルバム『But I'd Rather Be With You』に本作のカバー・バージョンを収録している[26]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ マーゴティンとゲドンは、曲の2分45秒から聞こえるパーカッションについて「ドラムスティックで叩いたボンゴ」と「ティンバレス」のいずれかであると推測している[16]

出典

[編集]
  1. ^ Eder, Bruce (1989年). Singles Collection: The London Years (Boxed set booklet). The Rolling Stones. New York City: ABKCO Records. p. 72. 1218-2。
  2. ^ Philippe Margotin; Jean-Michel Guesdon (25 October 2016). Rolling Stones All the Songs: The Story Behind Every Track. Hachette Books. p. 433. ISBN 978-0-316-31773-3. https://books.google.com/books?id=KwEsDAAAQBAJ&pg=PT433 
  3. ^ Nigel Williamson (2008). The Rough Guide to the Best Music You've Never Heard. Rough Guides. p. 181. ISBN 978-1-84836-003-7. https://books.google.com/books?id=xZM4AQAAIAAJ 
  4. ^ DeRogatis 2003, p. 54.
  5. ^ John Gilliland (narrator). "Show 46: Sergeant Pepper at the Summit - The very best of a very good year (part 2, segment 5)". Pop Chronicles. Pasadena, CA. KRLA via the Digital Library of the University of North Texas. 23 August 2012閲覧
  6. ^ a b Eder, Bruce. She's a Rainbow - The Rolling Stones|Song Info - オールミュージック. 2019年10月13日閲覧。
  7. ^ Thompson 2008, p. 301.
  8. ^ a b c d uDiscover 2020.
  9. ^ DeRogatis 2003, p. 55.
  10. ^ a b The Hot 100 Chart”. Billboard. 2019年10月13日閲覧。
  11. ^ Sexton, Paul (2019年8月3日). “Rolling Stones Revive 'She's A Rainbow' As 'No Filter' Hits New Jersey”. uDiscoverMusic. 2021年8月30日閲覧。
  12. ^ “ザ・ローリング・ストーンズ、チリ公演のドキュメンタリー映像公開”. rockin'on.com (ロッキング・オン). (2016年2月5日). https://rockinon.com/news/detail/138373 2021年8月30日閲覧。 
  13. ^ a b Eder, Bruce. She's a Rainbow - The Rolling Stones | Song Info - オールミュージック. 2021年8月30日閲覧。
  14. ^ 「ロックの正義!!ストーンズ全100ページ」『SIGHT』第14巻、ロッキング・オン、2003年、50頁、ASIN B00FHROYX0 
  15. ^ Margotin & Guesdon 2016, pp. 228–229.
  16. ^ Margotin & Guesdon 2016, p. 229.
  17. ^ Moskowitz 2015, p. 555.
  18. ^ "Austriancharts.at – The Rolling Stones – She's a Rainbow" (in German). Ö3 Austria Top 40. 2019年10月13日閲覧。
  19. ^ "Ultratop.be – The Rolling Stones – She's a Rainbow" (in Dutch). Ultratop 50. 2019年10月13日閲覧。
  20. ^ "Top RPM Singles: Issue 100169." RPM. Library and Archives Canada. 2019年10月13日閲覧。
  21. ^ "Dutchcharts.nl – The Rolling Stones – We Love You" (in Dutch). Single Top 100. 2019年10月13日閲覧。
  22. ^ Salaverri, Fernando (September 2005). Sólo éxitos: año a año, 1959–2002 (1st ed.). Spain: Fundación Autor-SGAE. ISBN 84-8048-639-2 
  23. ^ a b "Swisscharts.com – The Rolling Stones – She's a Rainbow". Swiss Singles Chart. 2019年10月13日閲覧。
  24. ^ "Danishcharts.com – The Rolling Stones – She's a Rainbow". Tracklisten. 2019年10月13日閲覧。
  25. ^ Viglione, Joe. Symphonic Music of the Rolling Stones - London Symphony Orchestra | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年8月30日閲覧。
  26. ^ “In My Life”. Mojo (Bauer): 7. (October 2020). 

参考文献

[編集]

外部リンク

[編集]