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キク科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
キク科
ユリオプスデージー Euryops pectinatus
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 Core eudicots
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : キキョウ類 Campanulids
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
亜科
イワニガナ(ジシバリ)
クリサンセマム(青はネモフィラ

キク科(キクか、学名Asteraceae保留名Compositae)は、被子植物真正双子葉類に属する1分類群である。キク科は最も種類が多い双子葉植物とされている[1][2]

特徴

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草本(そうほん)または木本(もくほん)。

キクタンポポのように小さな小花)がたくさん集まり、さらにそれが一個の花に見える点が形態上の主な特徴である。このような花の形状を頭状花序(とうじょうかじょ、略して頭花)という。また、その基部の、ガク(萼)のように見える部分を総苞片(そうほうへん)と称す。頭状花序(頭花)をつくる小花には、筒状花(管状花)と舌状花の二種類がある。ハハコグサは前者のみで花ができており、タンポポは後者のみで構成される。ヒマワリの花では、周囲を舌状花、中央を筒状花が占める。普通、花が筒状花のみまたは周囲に舌状花を持つキク亜科と、舌状花のみからなり茎葉に乳液を含むタンポポ亜科とに分類される。キク亜科をさらに数亜科に分けることもある。

世界ではおよそ9502万、日本では約70属360種のキク科植物が知られており、地球上のほとんどの地域で生育可能である。またそのため、キク科には多くの栽培植物帰化植物が存在している。

キク科の植物に抗変異原性があるものが多い[3][4]

分類概略

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古典的には、キク亜科 Asteroideae syn. Carduoideae とタンポポ亜科 Cichorioideae に分けられていたが、後者は側系統であり、いくつかの亜科に分割された。

オステオスペルマム

12の亜科に分類される。ただしそのうち4亜科が、99%の種を含む。原始的なものから順に、以下のとおり。

ムティシア亜科

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1連のみ。

アザミ亜科

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3連からなる。

タンポポ亜科

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9連と連未定の3属からなる。

キク亜科

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21連からなる。

分類詳細

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以下の節では、キク科の植物の詳細について列挙する。特に種が多いキク亜科、アザミ亜科、タンポポ亜科は、個別の節に分別した。所属する種が少ない亜科は「その他の亜科」の節を参考。亜科の亜連の名称については英語版Wikipediaを参照にしている。

キク亜科(Asteroideae)

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アスター上連、セネシオ上連、ヘリアンサス上連に大別される。キンセンカ、マーガレット、ユリオプスデージー、ノースポール、ムルチコーレ、シネラリア、ガイラルディア、ヒャクニチソウなど花が美しく観賞価値の高い種や、シロタエギク、アサギリソウなどの葉に観賞価値がある種、グリーンネックレス、ピーチネックレス、マサイの矢尻、ルビーネックレスなどの多肉植物として親しまれる種、カモミール、ヨモギなどの薬草、ヒメジョオン、ハルジオン、オオアレチノギク、ヒメムカシヨモギなどの一般的な雑草などを含むきわめて多様で大きな亜科である。

アスター上連(Asterodae

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アンテミス連(Anthemideae

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オグルマ連(Inuleae

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シオン連(Astereae

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アスター亜連(Asterinae

コニーザ亜連(Conyzinae)

ソリダゴ亜連(Solidagininae

ブラキスコメ亜連(Brachyscominae

ベリス亜連(Bellidinae

Homochrominae

Machaerantherinae

Tarchonantheae

ラゲノフォラ亜連(Lagenophorinae)

セネシオ上連(Senecionodae

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サワギク連(Senecioneae

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ヘリアンサス上連(Helianthodae

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アフロイマ連(Athroismeae

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カエナクティス連(Chaenactideae

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カレンデュラ連(Calenduleae

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コウオウソウ連(Tageteae

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コレオプシス連(Coreopsideae

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ネウロラエナ連(Neurolaeneae

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ハハコグサ連(Gnaphalieae

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バヒア連(Bahieae

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ヒヨドリバナ連(Eupatorieae

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プルケア連(Plucheeae

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ヒマワリ連(Heliantheae

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アンブロシア亜連(Heliantheae

エクリプタ亜連(Ecliptinae)

ヘリアンサス亜連(Helianthinae

ジニア亜連(Zinniinae

ルドベキア亜連(Rudbeckiinae)

ペリティレ連(Perityleae)

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ヘレニウム連(Helenieae

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ポリムニア連(Polymnia

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マディア連

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アルニカ亜連(Arnicinae

メナモミ連(Millerieae

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アザミ亜科(Carduoideae

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鑑賞用途、雑草のアザミ、ルリタマアザミやヤグルマギクなどを含む比較的大きな亜科。また、野菜のゴボウや、アーティチョークなども含む。

アザミ連(Cardueae

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アルクティウム亜連(Arctiinae)

エキノプス亜連(Echinopsinae)

オノポルドゥム亜連(Onopordinae)

カルドゥウス亜連(Carduinae

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カルリニア亜連(Carlininae)

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キセランセマム亜連(Xerantheminae

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セントーレア亜連(Centaureinae

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ソウススレア亜連(Saussurea)

タンポポ亜科(Cichorioideae

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雑草のタンポポ、ニガナ、ノゲシ、コウゾリナなどをはじめとし、野菜のレタスやチコリー花壇苗として流通するガザニアやアークトチスなどを含む大きな亜科。

ショウジョウハグマ連(Vernonieae

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タンポポ連(Cichorieae

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チコリウム亜連(Cichoriinae)

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クレピス亜連(Crepidinae

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スコリムス亜科(Scolyminae)

スコルゾネラ亜連(Scorzonerinae)

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ヒエラシウム亜連(Hieraciinae)

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ヒポカエリス亜連(Hypochaeridinae)

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ヒロセリディナ亜連(Hyoseridinae)

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ラクツカ亜連(Lactucinae)

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ハゴロモギク連(Arctotideae)

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ゴルテリーナ亜連(Gorteriinae)

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ハゴロモギク亜連(Arctotidinae)

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その他の亜科

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本項ではコウヤボウキ、モミジハグマなどを含むコウヤボウキ亜科と、ガーベラを含む比較的小さな亜科ムティシア亜科をまとめて列挙する。和名が存在しない亜科は日本では見られない植物が多く属する。

コウヤボウキ亜科(Pertyoideae

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ペリティア連(Pertyeae

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ムティシア亜科(Mutisioideae

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ムティシア連(Mutisieae

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和名が存在しない亜科

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  • 亜科(Dicomoideae)
  • 亜科(Famatinanthus
  • 亜科(Gochnatioideae)
  • 亜科(Gymnarrhenoideae)
  • 亜科(Stifftioideae)
  • 亜科(Tarchonanthoideae)
  • 亜科(Vernonioideae)
  • 亜科(Wunderlichioideae)

脚注

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  1. ^ キク科はなぜ最も進化した双子葉植物なのでしょうか?”. 一般社団法人 日本植物生理学会 (2008年12月15日). 2024年11月29日閲覧。
  2. ^ 植物形態学”. 福岡教育大学 福原 達人. 2024年11月29日閲覧。
  3. ^ 上田成子, 桑原祥浩, 平位信子 ほか、野菜類およびキノコ類の抗変異原性について」 『日本食品工業学会誌』 1991年 38巻 6号 p.507-514, doi:10.3136/nskkk1962.38.507
  4. ^ KADA, T., MORITA, K. and INOUE, T.: Mutation Res., 53, 351 (1978)., doi:10.1016/0165-1161(78)90008-0

関連項目

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外部リンク

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