コンテンツにスキップ

オニビシ (植物)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オニビシ
Trapa natans
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: フトモモ目 Myrtales
: ヒシ科 Trapaceae
: ヒシ属 Trapa
: オニビシ(広義) T. natans
変種 : オニビシ(狭義) var. japonica
学名
Trapa natans L.
var. japonica Nakai.
和名
オニビシ

オニビシ(鬼菱 Trapa natans var. japonica[1])は、ヒシ科水草

分布

[編集]

日本などの東アジアに広く生育している[2]

形態、生態

[編集]
オニビシの果実

一年草の浮葉植物[2]菱形で、長さ3-6cm、幅4-9cm[2]。茎の先端から葉を放射状に叢生して、水面を覆う。

果実は石果で、長さ45-70mmと大型になる[2]。果実には4本のとげをもち、胚乳にでんぷんを貯蔵している。

染色体数は2n=48[3]

近縁種

[編集]

近縁種としてヒシヒメビシなどがある。ヒシやオニビシの葉の大きさは変異が大きく、確実に同定するためには果実を見る必要がある[2]。ヒシの果実のとげは4つの萼片のうち2つが発達したもの(通常残りの顎片は脱落して2本)だが、ヒメビシの果実には上向きのとげが2本と下向きのとげが2本(計4本)、オニビシの果実には下向きのとげが4本ある[4]。特にオニビシは果実が大型になる[4]

利用

[編集]

先述の通り、果実中にある胚乳にはでんぷんが貯蔵されており、食用になる。

かつては撒菱としても使用された。

脚注

[編集]
  1. ^ 学名は角野 (1994)に準じた。
  2. ^ a b c d e 角野 (1994) pp.128-129
  3. ^ 荻沼一男、高野温子、角野康郎(1996)「日本産ヒシ科数種の核形態」植物分類・地理 47(1) pp.47-52
  4. ^ a b ヒシ”. 北海道開発局. 2022年8月1日閲覧。

参考文献

[編集]

関連項目

[編集]