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オオハンゴンソウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オオハンゴンソウ
オオハンゴンソウ(宮城県、2006年8月)
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : キク亜綱 Asteridae
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
亜科 : キク亜科 Asteroideae
: オオハンゴンソウ属 Rudbeckia
: オオハンゴンソウ R. laciniata
学名
Rudbeckia laciniata L. (1753)[1]
和名
オオハンゴンソウ(大反魂草)
英名
Golden Glow
Cutleaf Coneflower

オオハンゴンソウ(大反魂草、学名Rudbeckia laciniata)は、キク科オオハンゴンソウ属多年草[2]環境省指定特定外来生物[2]。空き地などで群生しているのをよく見かける。筒状花が緑黄色であることとと、花床の鱗片の形に著しい特徴がある[3]

分布

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北米原産[4][5][2]。日本や中国に帰化植物として移入分布している[6][7]。日本へは明治中期に観賞用として導入され、1955年には野生化した[6][2]。今では北海道から沖縄県まで日本全国に定着している[6]。北海道、栃木県日光市長野県などには大群落が見られる[3]

特徴

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多年生の草本[3]。茎の高さは0.5 - 3メートル (m) になる[3]。茎は無毛で白っぽい[3]。葉は互生し、下部のものは長い柄がついて羽状に5 - 7裂する[3]。上部の葉は柄がなく、3 - 5裂するか分裂しない[3]。葉の表面は無毛で、裏面は短毛があり[3]、触るとざらつく。

花期は夏から秋(7 - 9月頃)で[3]、計10 - 14枚の花弁は黄色で細長く、やや垂れ下がっている[8]。頭花は径5 - 6センチメートル (cm) 、黄色の舌状花と緑黄色の筒状花からなり、花床は半球形、総苞片は葉状で2列に並ぶ[3]。舌状花は10 - 14個で、のちにやや下向きに垂れる[3]。花床の鱗片はへら形で、先はやや円いか直線形、背面上部に短毛を密生する[3]

果実は長さ5 - 6ミリメートル痩果で、扁平で4稜あり、冠毛は癒着して環状となった葉状の突起になる[3]

道端、荒地、畑地、河川敷、湿原などさまざまな環境に生育する。一株当たり1600粒の種子を生産する[9]

外来種問題

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現在では外来生物法により特定外来生物(第二次指定種)に指定されており、許可なく栽培・保管・運搬・輸入・譲渡を行うことは禁止されている。特に北日本や中部日本の高地で広く繁殖が確認されており、在来植物の生態系に影響を及ぼす恐れがある。そのため、日光国立公園戦場ヶ原十和田八幡平国立公園富士箱根伊豆国立公園利尻島といった国立公園を始め[4]、全国各地で駆除作業が行われている[10][11]。しかし、オオハンゴンソウは地下茎や埋土種子(土壌シードバンク)で繁殖することができ、単純に刈り取るだけでは根絶は難しく、スコップなどで根ごと引き抜き、抜き取った根は焼却処分する必要がある[12]

変種

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  • Rudbeckia laciniata var. ampla A.Nelson) Cronquist
  • Rudbeckia laciniata var. bipinnata Perdue
  • Rudbeckia laciniata var. digitata (Mill.) Fiori
  • Rudbeckia laciniata var. heterophylla (Torr. & A.Gray) Fernald & B.G.Schub.
  • Rudbeckia laciniata var. laciniata

画像

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脚注

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  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rudbeckia laciniata L. オオハンゴンソウ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年8月4日閲覧。
  2. ^ a b c d “函館山に外来種「オオハンゴンソウ」増殖 自然保護団体、大規模駆除訴え”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2014年8月20日). http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki2/557902.html 
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m 長田武正 1976, p. 65.
  4. ^ a b 多紀保彦(監修) 財団法人自然環境研究センター(編著)『決定版 日本の外来生物』平凡社、2008年4月21日。ISBN 978-4-582-54241-7 
  5. ^ Rudbeckia laciniata at USDA PLANTS Database
  6. ^ a b c オオハンゴンソウ 国立環境研究所 侵入生物DB
  7. ^ B. Auld, H. Morita, T. Nishida, M. Ito, P. Michael (2003). “Shared exotica: Plant invasions of Japan and south eastern Australia”. Cunninghamia 8 (1): 147-152. 
  8. ^ 清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七『日本帰化植物写真図鑑 Plant invader 600種』全国農村教育協会、2001年7月26日。ISBN 4-88137-085-5 
  9. ^ Francírková, T. (2001). Brundu, G., Brock, J., Camarda, I., Child, L., Wade, M.. ed. Contribution to the invasive ecology of Rudbeckia laciniata 『Plant invasions: species ecology and ecosystem management』. Backhuys. ISBN 90-5782-080-3 
  10. ^ 永井茂富・古澤良幸・羽田 収「特定外来生物オオハンゴンソウの駆除の効果」『長野県環境保全研究所研究報告』第6巻、2010年、55-60頁。 
  11. ^ 辻本 明「事業報告 箱根地域における、オオハンゴンソウの生育状況調査と駆除活動(3)」『神奈川県自然環境保全センター報告』第6号、2009年、55-62頁。 
  12. ^ 大澤剛士・赤坂宗光「特定外来生物オオハンゴンソウの管理方法 : 引き抜きの有効性の検討」『保全生態学研究』第14巻、2009年、37-43頁。 

参考文献

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関連項目

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