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エストラジオール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エストラジオール
エストラジオールの構造式
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識別情報
CAS登録番号 50-28-2
PubChem 5757
UNII 4TI98Z838E
日化辞番号 J4.100I
DrugBank DB00783
KEGG D00105
MeSH Estradiol
ChEBI
ATC分類

G03CA03

特性
化学式 C18H24O2
モル質量 272.39
への溶解度 0.0213 mg/mL
出典
PubChem
DrugBank
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

エストラジオール: Estradiol、E2)とはエストロゲンの一種。性質等は、エストロゲンに詳しい。

生成

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エストロンとの可逆反応により、またはテストステロンから不可逆に生成する。上に示しているのはテストステロンからエストラジオールへの変換図である。

顆粒細胞莢膜細胞胎盤副腎皮質精巣間質細胞などが産生する。

活性

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エストロゲンの中で最も強い生理活性を持ち、その活性はエストロンの2倍、エストリオールの10倍である。

神経保護作用

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酸化ストレスによる細胞死を防ぎ、神経保護作用を有することが in vivo で分かった[1]

Gタンパク質共役型受容体30 (GPR30)を介したN-メチル-D-アスパラギン酸 (NMDA)曝露による興奮毒性から培養皮質神経細胞を保護した[2]

グルタミン酸 20 mM の毒性に対し、17βエストラジオールの ED 50 は 1.978 µM であった[3]

環境問題

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近年[いつ?]人間尿中に含まれているエストラジオールをはじめ天然、人工女性ホルモンの環境に与える影響が問題となってきている。 都市部の下水道中より17β-エストラジオール(E2)などが観測されている。 特に英国では、雌雄同体化したローチ(コイ科の魚類)が1980年代前半から下水処理場の放流先となる河川で見つかりだしており、この問題が深刻となってきている。

脚注

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  1. ^ Behl C, Widmann M, Trapp T, Holsboer F (1995-11-13). “17-beta estradiol protects neurons from oxidative stress-induced cell death in vitro”. en:Biochemical and Biophysical Research Communications. 216 (2): 473-82. doi:10.1006/bbrc.1995.2647. PMID 7488136. http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0006-291X(85)72647-2. 
  2. ^ Liu SB, Zhang N, Guo YY, Zhao R, Shi TY, Feng SF, Wang SQ, Yang Q, Li XQ, Wu YM, Ma L, Hou Y, Xiong LZ, Zhang W, Zhao MG (2014-4-4). “G-protein-coupled receptor 30 mediates rapid neuroprotective effects of estrogen via depression of NR2B-containing NMDA receptors”. en:The Journal of neuroscience. 32 (14): 4887-900. doi:10.1523/jneurosci.5828-11.2012. PMID 22492045. http://www.jneurosci.org/content/32/14/4887.full. 
  3. ^ Simpkins JW, Yang SH, Liu R, Perez E, Cai ZY, Covey DF, Green PS (2004-12). “Estrogen-like compounds for ischemic neuroprotection”. Stroke. 35 (11): 2648-51. doi:10.1161/01.str.0000143734.59507.88. PMID 15472107. http://stroke.ahajournals.org/content/35/11_suppl_1/2648.full. 

関連項目

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外部リンク

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