ヴィラコッポス国際空港
ヴィラコッポス国際空港(ヴィラコッポスこくさいくうこう、葡: Aeroporto Internacional de Viracopos)は、ブラジルのサンパウロ州のカンピーナス市郊外にある国際空港。所在地の名を取って「カンピーナス国際空港」と呼ばれる場合もある。
ヴィラコッポス国際空港 Aeroporto Internacional de Viracopos | |||||||
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IATA: VCP - ICAO: SBKP | |||||||
概要 | |||||||
国・地域 | ブラジル | ||||||
所在地 | サンパウロ州カンピーナス | ||||||
種類 | 公共 | ||||||
運営者 | Aeroportos Brasil | ||||||
拠点航空会社 | アズールブラジル航空 | ||||||
標高 | 661 m | ||||||
座標 | 南緯23度00分26.58秒 西経047度08分04.28秒 / 南緯23.0073833度 西経47.1345222度座標: 南緯23度00分26.58秒 西経047度08分04.28秒 / 南緯23.0073833度 西経47.1345222度 | ||||||
公式サイト | 公式ウェブサイト | ||||||
地図 | |||||||
ブラジルの空港位置図 | |||||||
滑走路 | |||||||
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統計(2019年) | |||||||
旅客数 | 1058万人 | ||||||
貨物取扱量 | 21万トン | ||||||
出典:Aeroportos Brasil[1] | |||||||
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空港の一覧 |
歴史
編集開港までのいきさつ
編集サンパウロ市はブラジル最大(南アメリカにおいても最大)の都市であるにもかかわらず、唯一の市内にある国際空港であるコンゴニャス国際空港は滑走路が2本とも2,000メートル以下と短いため、1950年代後半から就航し始めたボーイング707やダグラス DC-8、コンベア880などの中・長距離国際線用の大型ジェット機の就航が不可能であった。その上、市内の住宅街にあることから滑走路の延長など空港の規模拡張が困難であった。
しかし、1960年代以降にこれらの中・長距離国際線用の大型ジェット機が急増することが予想されたために、これらの機材の離着陸に対応できる3,000メートル級の滑走路を備えた本格的な国際空港として、サンパウロ市から北西に100キロ近く離れたカンピーナス市の郊外に1960年にヴィラコッポス国際空港が開港した。
「最も都心から遠い空港」
編集その後は、地元ブラジルのフラッグ・キャリアのヴァリグ・ブラジル航空やREAL航空の他に、日本航空やエールフランス航空、パンアメリカン航空やアビアンカ航空、ルフトハンザ航空やスカンジナビア航空など世界各国の航空会社が乗り入れた。
しかし、サンパウロ市内から約90キロと遠く、乗客はコンゴニャス国際空港より2時間近くかけてバスで来る必要があったため、リオ・デ・ジャネイロのガレオン国際空港が1977年に拡張し、ヴァリグ・ブラジル航空の国際線ハブとなり乗り入れ便数が増加して以降は、次第に多くの乗客がコンゴニャス国際空港で出国手続きを済ませてから国際線乗り継ぎ専用便でガレオン国際空港へと向かい、同空港から目的地へと向かう方法を選択するようになり、乗り入れ便数が減少していった。
3空港の住み分けと旅客激減
編集このため、1960年代末には早くもサンパウロ市街近郊への新空港建設の必要性が叫ばれ、その後、1970年代に入り新空港をサンパウロ市北東部のグアルーリョス市にあるブラジル空軍基地を拡張して建設することに決まり、1985年1月20日にグアルーリョス国際空港が開港した。なお、サンパウロ市内からあまりに遠いことから、長年ギネスブックに「最も都心から遠い空港」として掲載されていた。
その後は、シャトル便を含む国内線はコンゴーニャス空港、国際線と国内線はグアルーリョス国際空港を使用することが多くなり、その後も国際貨物便と一部の国内線が乗り入れるものの国際線旅客便は皆無となり、1日の乗降客数は3,000名程度(2008年度実績)と激減し、国内、国際貨物便の扱いが中心となっていた。
航空貨物の強化
編集この様な状況を受けて、1990年代にはボーイング747Fやマクドネル・ダグラスMD-11Fなどにも対応できる大型貨物機専用のスポットを増設した他、6万平米を越す広さの通関施設や保冷装置を備えた貨物専用ターミナルを備えるなどの設備の拡充を行った。
またブラジルの経済の回復も受け、その結果フェデックス・エクスプレスやUPS、エミレーツカーゴやコリアンカーゴなど、現在20社を超える国内外の貨物航空会社が乗り入れている。他にも多くの貨物チャーター便が乗り入れており、航空貨物の取扱量ではブラジル第2位の規模を誇る国際空港となった。
旅客の再増加
編集その後2000年代終盤に入ると、格安航空会社であるアズールブラジル航空が当空港をメインハブ空港として利用し始めたこと、悪天候による空港閉鎖が少ないことなどから発着便数・利用者数は再び増加傾向にあった。
しかし2010年代初頭までは、国内線の発着便の多くがアズールブラジル航空で占められていたほか、国際線の就航は皆無であるなど稼働率は低いままであった。この為に倒産したVASP航空やスカイマスター航空などの廃棄もしくは余剰航空機の保管場所としても使用されていた。
なおグアルーリョス国際空港の開港後暫くは国際線の復活就航はなかったものの、2010年代に入り、アズールブラジル航空やゴル航空が国際線の運航を開始した他、新たにアメリカン航空やTAPポルトガル航空、コパ航空の就航が開始された。
現在
編集ブラジルの更なる経済成長や格安航空会社の増加を受けて、就航便数と航空旅客がさらに増加することが見込まれているものの、コンゴーニャス空港の拡張が不可である上、グアルーリョス国際空港の拡張を行っても広大なサンパウロ圏の旅客をさばくだけの余裕がなくなるとみなされているため、ブラジル空港インフラ業務公社は64億レアルを投資し、2030年までにヴィラコッポス国際空港を発着回数57万回、搭乗客総数5100万人規模に段階的に拡張する計画を発表した。
2015年までの期間で行われた第一次拡張計画では、1960年の開港以来ボーディングブリッジがないままである他、航空会社カウンターや手荷物処理施設など旅客ターミナルの設備が老朽化していたことから、旅客ターミナルの建て替えが行われメインビルディング部分の供用が開始された。さらに第二期拡張計画では、2018年内に第二滑走路の供用が予定されている。
さらに、サンパウロ市内とのアクセス向上のため、サンパウロからリオデジャネイロの間をグアルーリョス国際空港経由で結ぶ高速鉄道の駅を設ける予定であると発表されている。
主な就航航空会社
編集貨物便
編集過去に就航していた航空会社
編集交通
編集グアルーリョス国際空港やコンゴーニャス空港との間にリムジンバスや各航空会社運行によるシャトルバスが運行されている。また、サンパウロ市内とを結ぶ高速道路のインターチェンジも近くにあり、サンパウロ市内中心部からは車で約1時間半の距離にある。
脚注
編集- ^ “Estatísticas e Publicações” (ポルトガル語). Aeroportos Brasil. 10 April 2022閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- ウィキメディア・コモンズには、ヴィラコッポス国際空港に関するカテゴリがあります。
- 公式ウェブサイト
- 地図 - Google マップ