シマンテック (Symantec) は、AIカンパニーとしてスタート。2022年で設立されてから40年になるエンドポイント製品の老舗ブランド。

現在は半導体などの製造販売を行うブロードコム社が買収し、ソフトウェア事業の一部として製品開発がおこなわれている。法人向けエンドポイントセキュリティのSEPの愛称で認知されているSymantec Endpoint Protectionに加え、EDRやモバイル対応がなされたSymantec Endpoint Securityを販売している。旧シマンテックはノートンライフロックを経てジェン・デジタルに社名を変更し、個人向けセキュリティ製品のノートンを販売している。現在のシマンテックは「ブロードコムのセキュリティ事業のブランド名」[1]である。

歴史

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1982年人工知能自然言語の研究家であるゲイリー・ヘンドリックスが自身の研究のためにシマンテックを設立し、当初は人工知能や、それに関連するデータベースソフトウェアの研究に注力した。1984年にC&Eソフトウェアと合併したことから本格的にコンピュータソフトウェアの事業に乗り出し、翌1985年には最初の製品として、データベースソフトウェアにワープロソフトを兼ね備えたソフトウェア"Q&A"を発売した。

1990年ピーター・ノートンが設立したピーター・ノートン・コンピューティング社を買収し、コンピュータメンテナンス/セキュリティソフトの『ノートン』シリーズの開発販売を引き継いでいる。またコンピュータウイルスをはじめとするコンピュータセキュリティの対策やマネージメントを行っている。

2000年代から2010年代前半までは企業買収を繰り返し拡大の一途をたどった。2003年PowerQuestを買収、2004年VERITAS Software合併を発表し、2005年に合併を完了した。また、2007年にAltirisを、翌2008年にはVontuを買収した。2010年認証局(CA)サービス世界最大手のベリサインの証明書・セキュリティ事業部門を取得した。2016年にはパスワード保護システムを構築するLifeLockを買収した。

一方では、2012年以降業績の悪化が続き、短期間でのCEOの交代を繰り返すようになった。また2015年にはGoogle.comなどの複数のドメインのテスト証明書を所有者の知らないうちに発行していた事が発覚し、その2年後の2017年には業界標準の監査を行わずにSSL/TLS証明書を発行するなど様々な問題が発生していたことが明らかとなり、ついに同年9月にGeoTrustVeriSign、RapidSSLなどのブランドで提供していたルート証明書Google Chromeに信頼されなくなるという事態に陥った。のちに、Mozilla FirefoxAppleMicrosoftなど主要なウェブブラウザとオペレーティングシステムも同様の処置を行う事となった。シマンテックは、この問題から逃げるように同年8月に証明書発行などのWebサイトセキュリティ事業をデジサートに売却していた。

2019年、11月にはブロードコムがシマンテックを買収[2][3]した。ブロードコムは2020年4月には、サイバーセキュリティサービス事業のみをアクセンチュア[4]に売却した。民生向け事業はジェン・デジタルが行なっている。ブロードコムは、ソフトウェア事業を維持しながら拡大を続け、現在もセキュリティ事業の大幅な投資を続けている。

主な製品

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関連項目

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脚注

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  1. ^ 日経クロステック(xTECH). “流転のシマンテック、サービス事業を買収したアクセンチュアが狙う「あの業界」”. 日経クロステック(xTECH). 2022年5月11日閲覧。
  2. ^ 米ブロードコム、シマンテック法人事業を1兆円で買収(写真=ロイター)”. 日本経済新聞 (2019年8月9日). 2021年7月24日閲覧。
  3. ^ Broadcom、シマンテックのエンタープライズ向けセキュリティ事業を買収へ--約1兆円”. ZDNet Japan (2019年8月9日). 2021年7月24日閲覧。
  4. ^ アクセンチュア、シマンテックのサイバーセキュリティサービス事業を ブロードコムから買収完了”. newsroom.accenture.jp. 2021年7月24日閲覧。

外部リンク

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