Cool'n'Quiet
概要
編集Cool'n'Quietという名称は"Cool and Quiet"の略で、さらにCnQと略されることもある。
Cool'n'Quietの機能は、CPUの負荷に応じてプロセッサの電圧と周波数を低下させることで、消費電力と発生する熱を抑えることである。また、これにより冷却ファンの能力を下げることができ、騒音の低下も期待できる。
この技術はインテルのSpeedStepやAMD自身のPowerNow!と類似しているが、それらはバッテリー使用時での動作時間を向上する目的で開発されたものである[1]。
Computerworld.jpの行ったテストでは、Cool'n'Quietを利用しない場合と比べてベンチマークに要した時間が若干増加した。しかし、テストを通じての積算電力量は減少し、「消費電力抑制に多大な効果を挙げている」と解説している[2]。
駆動周波数と駆動電圧
編集Cool'n'Quietが機能しているときの周波数と電圧は、CPUに設定されているP-Stateによって決定される。
Athlon 64の場合、最小時800MHz/1.3V(SH-C0リビジョン)または1GHz/1.1V(SH-CGリビジョン以降)、中間は最大値から1.8GHzまで、200MHz/0.1V刻み(DH-CGリビジョンまで)または200MHz/0.05V刻み(DH-D0リビジョン以降)で変化する。
マザーボードによってはHyperTransport設定を変える事で最低倍率を下げられる。×4なら4倍、×5なら5倍。殆どのノートパソコンはHT×4で動いており800MHzが下限である。
Athlon 64 FX(Socket939モデルのみ)の場合、最小時1.2GHz/1.1Vのみで、中間の設定はない。
サポートしているプロセッサ
編集- Athlon 64(K8版 Athlon), Athlon 64 X2(Athlon X2)
- Athlon 64 FX
- Sempron: Socket 754・Socket 939 3000 以上、Socket AM2 3200 以上
- Phenom: Cool'n'Quiet 2.0
- Phenom II: Cool'n'Quiet 3.0
- AMD Athlon II
- AMD FX
- AMD APU
- AMD Ryzen
- AMD Opteron
- AMD EPYC
脚注
編集- ^ “Cool'n'Quietテクノロジー”. 用語解説辞典. NTTPCコミュニケーションズ. 2011年4月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年10月3日閲覧。
- ^ “【Benchmark Report】AMDの「Cool'n'Quiet」がもたらす省電力効果 : 無負荷時で10Wの電力消費を抑制、オフィスのグリーンIT化を支援”. Computerworld.jp. IDGジャパン (2008年11月1日). 2009年5月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年10月3日閲覧。
関連項目
編集- PowerNow!
- Optimized Power Management - Opteron(Rev.E)向けの省電力技術
- Intel SpeedStep テクノロジ
- PowerTune - IBM PowerPC 970の省電力技術
外部リンク
編集- AMD Cool'n'Quiet Technology - ウェイバックマシン(2013年6月20日アーカイブ分)