CG(X)
CG(X)はアメリカ海軍が開発していた新型ミサイル巡洋艦。タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦の更新用として、2011年ごろより発注する計画であった[1]が、2010年度のQDRにおいて計画はキャンセルされた[2]。本計画の代替として、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の改良型が建造される予定である。
CG(X) | |
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基本情報 | |
艦種 | ミサイル巡洋艦 |
計画数 | 19隻 |
前級 | タイコンデロガ級 |
次級 | (計画中止) |
要目 | |
排水量 | 20,000~25,000 t |
機関方式 | 原子力推進または統合電気推進 |
兵装 |
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その他 | 建造費:32億USドル(2017年) |
開発の経緯
編集当初は計画名「CG-21」の下で弾道ミサイル迎撃能力などを重視した艦として開発が開始されていたが、2001年11月にそれまで別計画で進行していた沿岸域での戦闘に対応した対地攻撃駆逐艦の開発計画である「DD-21」と沿海域戦闘艦の開発計画である「LCS」と「CG-21」が相互に技術と設計を共用することが決定され、これに伴ってCG-21の計画名も「CG(X)」に変更された。CG(X)はズムウォルト級ミサイル駆逐艦をベースとする艦となる予定であった。
計画されていたアメリカ海軍の次世代型戦闘艦群
編集アメリカ海軍ではタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦の次世代艦としてCG(X)を、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の次世代艦としてDD(X)を、新たに生まれた沿岸域での戦闘能力強化の必要性に対処するためとして沿海域戦闘艦(LCS)をという風に、3種類の新たな戦闘艦群の開発計画を進めていた。
このうちDD(X)計画はズムウォルト級ミサイル駆逐艦として具体化することになるが、高額な建造費のため議会等から批判を招き、2隻しか建造されないことになってしまった。このためCG(X)の開発がうまく進んでアメリカ議会が同意すれば、CG(X)がズムウォルト級ミサイル駆逐艦の建造数を越えると考えられていた。しかしCG(X)も高額な建造費の問題から2010年度に開発中止となり、当面の間はアーレイバーク級ミサイル駆逐艦を追加建造することで老朽化したタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦を代替することになった。
また2012年3月現在では、ズムウォルト級ミサイル駆逐艦は3隻のみが建造される予定であり、将来においてアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦を代替する計画がどのようになるかは流動的である。LCS計画のみがフリーダム級沿海域戦闘艦とインディペンデンス級沿海域戦闘艦という形で実を結びつつある。
要求、または予定された機能
編集- 艦隊での防空能力
- 向上型ミサイル
- 従来より大型・高速・長射程のミサイルによって、数百マイル離れた陸上からの経空脅威に対処する。
- 沿岸域での各種作戦も実行できる。
- 先進レーダーシステム
- ステルス性を備えた船体
- 他の船からのレーダー探知を困難にする。
- 完全電気化 - DD(X)と同じく船内では推進力も電気の力で得る統合電力システム(Integrated Power System, IPS)を搭載する。
- 建造コストと維持コストの削減
- 将来の艦載兵器への対応余力
- 生残性の向上
- 船内設計の自由度向上
- より大きな力を得る
- 技術の共用化
原子力プラント
編集原子力プラントを主機関として採用するかどうかについては議論の的となっていた。アメリカ海軍では2011年から11隻の巡洋艦の建造を始めたとすると1隻当り600万から800万USドル程度の費用増加で済むとしていた。原子力動力では燃料の頻繁な再補給が不要となるメリットに加えて、原油価格の上昇によって燃料経費が大幅に削減できる点についても考慮されていた[4]。
Defense Newsの情報によると、次期巡洋艦はズムウォルト級ミサイル駆逐艦をベースとする通常動力・電気推進の1万4,000トン級CG(X)で建造数は14隻、そして二つ目が新型の2万5,000トン級原子力巡洋艦CGN(X)で5隻の建造が計画されていた。
2万5,000トン級原子力巡洋艦CGN(X)の主任務は洋上でのミサイル防衛であり、現在3隻が配備されている完全ABMD(イージス弾道ミサイル防衛)能力巡洋艦(イージス巡洋艦の「レイク・エリー」(CG-70)、「ポート・ロイヤル」(CG-73)、「シャイロー」(CG-67))の後継艦となる計画であった。ミサイル防衛能力は1万4,000トン級CG(X)より高度なシステムが採用されるという計画であった。
日本とCG(X)
編集CG(X)の鍵となるシステム、サブシステム及び関連技術の日本と共同開発が行われていた。