Bunkamuraドゥマゴ文学賞
Bunkamuraドゥマゴ文学賞(ぶんかむらドゥマゴぶんがくしょう)は、東急グループの文化事業を担うBunkamura(株式会社東急文化村が運営)が主催する、日本の文学賞である。ユニークな選考方法や、幅広いジャンルからの受賞作品が多いことで知られる。
概要
編集パリのドゥ・マゴ賞(1933年創設)の持つ、先進性と独創性を受け継ぎ、既成の概念にとらわれることなく、常に新しい才能を認め、発掘を目的に1990年に創設された[1]。
対象作品・選考方法
編集毎年「ひとりの選考委員」(任期は1年間)が、前年7月1日から当年7月31日までに発表された小説・評論・戯曲・詩を審査し、9月初旬に発表している。
賞
編集授賞式は10月にBunkamuraで行われる。
- 正賞 - 賞状とスイス・ゼニス社製時計
- 副賞 - 100万円
- 受賞者が希望する場合はパリ・ドゥ マゴ文学賞授賞式への招待も加わる。
受賞作一覧
編集- 凡例 - 回次(年)選考者:受賞者『受賞作品』
第1回から第10回
編集- 第1回(1991年)蓮實重彦 : 山田宏一『トリュフォー:ある映画的人生』平凡社。
- 第2回(1992年)吉本隆明 : 三田英彬『芸術とは無慚なもの:評伝・鶴岡政男』山手書房新社。
- 第3回(1993年)辻邦生 : 久世光彦『蝶とヒットラー』日本文芸社。
- 第4回(1994年)中沢新一 : 内田春菊『ファザーファッカー』文藝春秋、『私たちは繁殖している』ぶんか社[注釈 1]。
- 第5回(1995年)城山三郎 : 佐江衆一『黄落』新潮社。
- 第6回(1996年)中村真一郎 : 飯島耕一『暗殺百美人』学習研究社。
- 第7回(1997年)筒井康隆 : 町田康『くっすん大黒』文藝春秋。
- 第8回(1998年)椎名誠 : 矢作俊彦『あ・じゃ・ぱん』(上・下)新潮社。
- 第9回(1999年)久世光彦 : 川上弘美『神様』中央公論社。
- 第10回(2000年)安野光雅 : 吉本ばなな『不倫と南米』幻冬舎。
第11回から第20回
編集- 第11回(2001年)小林信彦 : 堀川弘通『評伝黒澤明』毎日新聞社。
- 第12回(2002年)荒川洋治 : 多和田葉子『球形時間』新潮社。
- 第13回(2003年)池澤夏樹 : 米原万里『オリガ・モリソヴナの反語法』集英社。
- 第14回(2004年)浅田彰 : 田口賢司「メロウ1983」『新潮』2004年8月号掲載[2]。→ 同年10月に書籍化(『メロウ』新潮社)。
- 第15回(2005年)富岡多惠子 : 大道珠貴『傷口にはウオッカ』講談社。
- 第16回(2006年)山田詠美 : 平松洋子『買えない味』筑摩書房。
- 第17回(2007年)荒川洋治 [注釈 2]: 赤坂憲雄『岡本太郎の見た日本』岩波書店。
- 第18回(2008年)高橋源一郎 : 中原昌也『中原昌也作業日誌2004→2007』boid。
- 第19回(2009年)島田雅彦 : 平野啓一郎『ドーン』講談社。
- 第20回(2010年)堀江敏幸 : 朝吹真理子『流跡』新潮社。
第21回から第30回
編集- 第21回(2011年)辻原登 : 磯崎憲一郎『赤の他人の瓜二つ』講談社。
- 第22回(2012年)高樹のぶ子 : 金原ひとみ『マザーズ』新潮社。
- 第23回(2013年)松本健一 : 恩田侑布子『余白の祭』深夜叢書社。
- 第24回(2014年)伊藤比呂美 : 山浦玄嗣『ナツェラットの男』ぷねうま舎。
- 第25回(2015年)藤原新也 : 武田砂鉄『紋切型社会:言葉で固まる現代を解きほぐす』朝日出版社。
- 第26回(2016年)亀山郁夫 : 中村文則『私の消滅』文藝春秋。
- 第27回(2017年)川本三郎 : 松浦寿輝『名誉と恍惚』新潮社[3]。
- 第28回(2018年)大竹昭子 :九螺ささら『神様の住所』朝日出版社[4]。
- 第29回(2019年)鹿島茂 :小田光雄『古本屋散策』論創社[5]。
- 第30回(2020年)野矢茂樹:石川宗生『ホテル・アルカディア』集英社。
第31回から第40回
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ "Bunkamuraドゥマゴ文学賞とは."Bunkamura公式サイト. 2024年9月4日閲覧。
- ^ "書誌情報."国立国会図書館サーチ. 2024年9月4日閲覧。
- ^ “ドゥマゴ文学賞に松浦寿輝さん「名誉と恍惚」”. 産経ニュース. 2017年9月18日閲覧。
- ^ “ドゥマゴ賞に九螺さん”. 日本経済新聞. 2018年9月3日閲覧。
- ^ “ドゥマゴ文学賞に小田光雄さん”. 産経新聞 (産経新聞社). (2019年9月3日) 2019年11月5日閲覧。
- ^ “ドゥマゴ文学賞に堀川さん”. 朝日新聞デジタル. (2021年9月3日) 2021年10月24日閲覧。
- ^ “ドゥマゴ文学賞に山崎さん”. 朝日新聞デジタル. (2023年9月5日) 2023年9月20日閲覧。
- ^ "ドゥマゴ文学賞に高野さん."朝日新聞デジタル(2024年9月4日更新). 2024年9月4日閲覧。
外部リンク
編集- Bunkamuraドゥマゴ文学賞 - Bunkamura公式サイト