1990年のオリックス・ブレーブス

1990年のオリックス・ブレーブスでは、1990年のオリックス・ブレーブスにおける動向をまとめる。

1990年のオリックス・ブレーブス
成績
パシフィック・リーグ2位
69勝57敗4分 勝率.548
本拠地
都市 兵庫県西宮市
球場 阪急西宮球場
球団組織
オーナー 宮内義彦
経営母体 オリックス
球団社長 近藤靖夫(6月28日まで)
猿渡敏男(6月28日から)
監督 上田利治
キャッチフレーズ
Be パワフル!! ビッグなチャレンジ'90
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この年のオリックス・ブレーブスは、第2次上田利治監督体制の10年目(通算15年目)のシーズンである。キャッチフレーズは「Be パワフル!! ビッグなチャレンジ'90」。

概要

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ブーマー・ウェルズ門田博光石嶺和彦といったブルーサンダー打線の活躍で前年2位に躍進したチームはこの年も優勝候補にあげられ、5月まで貯金9を記録するなど6年ぶりの優勝を期待された。6月以降は西武の8連敗などで一時は0.5ゲーム差に迫るものの、西武の復調後はゲーム差を広げられた。夏場以降は前年優勝の近鉄日本ハムとの2位争いに終始。8月には4位に転落したものの、シーズン終盤は持ち直して最後は2位で終了。投手陣では前年同様山沖之彦星野伸之が先発陣の軸となり、ガイ・ホフマンドン・シュルジーもまずまずの成績を残したがそれ以外のリリーフ投手が不調に終わり、チーム防御率は4.30でリーグ4位だった。打撃陣では4番のブーマーが自打球を当てて欠場するハプニングがあったが、チーム本塁打は186本とブルーサンダー打線は健在だった。この年は福岡2年目のダイエーに22勝3敗1分、5位のロッテには16勝9敗1分とそれぞれ勝ち越したが、優勝の西武に9勝16敗1分と負け越した。山沖・星野といった投手陣の二枚看板に加えて門田、石嶺、藤井康雄らブルーサンダー打線の破壊力で優勝を期待されながらも救援陣の不調で2位に終わったこともあり、シーズン終了後「ブレーブス」の愛称消滅とともに上田監督は勇退した。担当記者たちははじめ後任には二軍監督の福本豊が最有力だと思っていたが[1]巨人OBの土井正三を迎え、チームの再構築が始まることになる。

チーム成績

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レギュラーシーズン

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オーダー変遷
開幕:4/8 5/1 6/2 7/1 8/1 9/1
1 松永浩美 松永浩美 松永浩美 松永浩美 松永浩美 松永浩美
2 福良淳一 村上信一 熊野輝光 熊野輝光 本西厚博 佐藤和弘[注 1]
3 ブーマー 門田博光 門田博光 門田博光 門田博光 門田博光
4 門田博光 石嶺和彦 藤井康雄 石嶺和彦 石嶺和彦 石嶺和彦
5 石嶺和彦 藤井康雄 石嶺和彦 藤井康雄 ブーマー 藤井康雄
6 本西厚博 高橋智 村上信一[注 2] 村上信一 藤井康雄 熊野輝光[注 3]
7 南牟礼豊蔵 福良淳一 福原峰夫 中嶋聡 山越吉洋 小川博文
8 中嶋聡 中嶋聡 藤田浩雅 山越吉洋 藤田浩雅 藤田浩雅
9 小川博文 弓岡敬二郎 小川博文 小川博文 小川博文 福原峰夫
佐藤義則 星野伸之 ホフマン 山沖之彦 山沖之彦 伊藤敦規

[2]

1990年パシフィック・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 9月終了時 最終成績
1位 西武 -- 西武 -- 西武 -- 西武 -- 西武 -- 西武 -- 西武 --
2位 ロッテ 2.5 オリックス 5.0 オリックス 4.5 オリックス 9.0 オリックス 16.5 オリックス 11.5 オリックス 12.0
3位 日本ハム 2.5 日本ハム 9.0 日本ハム 7.0 近鉄 11.0 日本ハム 16.5 日本ハム 13.5 近鉄 14.5
4位 オリックス 4.5 ロッテ 11.0 近鉄 12.0 日本ハム 13.5 近鉄 18.5 近鉄 15.5 日本ハム 16.5
5位 近鉄 6.0 近鉄 13.0 ロッテ 14.0 ロッテ 22.5 ロッテ 27.0 ロッテ 23.5 ロッテ 25.0
6位 ダイエー 8.5 ダイエー 19.0 ダイエー 22.5 ダイエー 31.0 ダイエー 35.5 ダイエー 35.0 ダイエー 40.0
期間
成績
7勝8敗1分
勝率.467
17勝7敗
勝率.708
10勝8敗1分
勝率.556
10勝10敗1分
勝率.500
9勝15敗
勝率.375
12勝7敗1分
勝率.632
4勝2敗
勝率.667


1990年パシフィック・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 西武ライオンズ 81 45 4 .643 優勝
2位 オリックス・ブレーブス 69 57 4 .548 12.0
3位 近鉄バファローズ 67 60 3 .528 14.5
4位 日本ハムファイターズ 66 63 1 .512 16.5
5位 ロッテオリオンズ 57 71 2 .445 25.0
6位 福岡ダイエーホークス 41 85 4 .325 40.0

個人成績

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投手成績

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  • 色付きは規定投球回数(130イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手








































W
H
I
P
 
/星野伸之 27 27 10 1 2 14 9 0 810 190.1 188 33 60 1 163 4 0 100 85 4.02 1.303
/山沖之彦 25 24 9 3 1 13 8 0 751 182.2 167 20 48 2 123 4 0 83 76 3.74 1.177
/ホフマン 24 24 1 0 0 8 9 0 679 152.2 164 17 65 6 111 8 1 87 70 4.13 1.500
/伊藤敦規 31 14 4 0 0 7 7 1 521 116.2 127 12 39 9 50 2 0 67 61 4.71 1.423
/佐藤義則 17 17 7 0 0 7 7 0 473 108.2 111 18 41 2 83 7 1 63 58 4.80 1.399
/酒井勉 31 10 2 1 0 6 5 5 440 105.1 87 20 34 8 80 4 0 50 48 4.10 1.149
/伊藤隆偉 48 3 0 0 0 1 3 6 370 82.0 95 9 32 2 78 8 0 46 43 4.72 1.549
/シュルジー 20 7 2 0 0 6 4 3 286 69.2 65 3 17 5 32 1 2 24 20 2.58 1.177
/高木晃次 42 1 0 0 0 6 2 2 273 64.0 54 5 31 2 52 4 0 25 21 2.95 1.328
/今井雄太郎 22 0 0 0 0 0 1 0 161 35.2 52 6 4 6 14 0 1 29 28 7.07 1.570
/古溝克之 12 2 1 0 0 1 0 0 112 22.2 32 7 17 0 11 0 0 20 19 7.54 2.162
/清原雄一 5 0 0 0 0 0 1 0 36 8.1 11 1 1 0 4 0 0 5 5 5.40 1.440
/関口朋幸 6 0 0 0 0 0 0 0 32 7.0 8 0 4 0 5 1 0 3 3 3.86 1.714
/小浜裕一 4 0 0 0 0 0 0 1 28 6.0 9 1 3 0 3 0 0 5 5 7.50 2.000
/山内嘉弘 4 0 0 0 0 0 0 0 30 5.1 11 2 4 0 3 1 0 7 7 11.81 2.813
/森浩二 2 0 0 0 0 0 0 0 9 2.0 4 2 0 0 1 1 0 2 2 9.00 2.000
/吉田直喜 1 1 0 0 0 0 1 0 8 1.0 4 1 1 0 1 0 0 3 3 27.00 5.000

打撃成績

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  • 色付きは規定打席(403打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
/松永浩美 128 602 518 103 147 26 4 21 244 70 26 8 1 2 78 8 3 120 10 .284 .379 .471 .850
/石嶺和彦 130 545 473 72 129 8 1 37 250 106 0 2 0 6 64 6 2 83 16 .273 .358 .529 .886
/藤井康雄 128 544 463 81 132 25 2 37 272 96 6 4 0 6 68 4 7 109 6 .285 .381 .587 .968
/門田博光 119 527 446 77 125 21 0 31 239 91 0 1 0 2 78 7 1 118 11 .280 .387 .536 .923
/小川博文 125 436 385 43 100 13 1 5 130 41 22 7 14 2 33 0 2 84 10 .260 .320 .338 .658
/中嶋聡 95 318 286 46 81 9 4 12 134 39 8 2 8 2 19 0 3 62 4 .283 .332 .469 .801
/本西厚博 105 309 270 35 78 14 3 3 107 31 12 4 16 2 21 0 0 43 5 .289 .338 .396 .734
/熊野輝光 102 275 240 34 59 12 1 6 91 27 12 1 13 2 20 0 0 43 4 .246 .302 .379 .681
/村上信一 112 233 189 32 57 9 2 5 85 26 10 4 2 2 35 0 5 42 4 .302 .420 .450 .870
/ブーマー 46 186 163 25 50 7 0 7 78 31 1 1 0 2 20 3 1 16 3 .307 .382 .479 .860
/藤田浩雅 65 176 157 16 39 5 0 6 62 17 1 2 5 0 13 0 1 26 6 .248 .310 .395 .705
/福原峰夫 95 161 133 17 29 3 2 3 45 16 1 0 7 1 20 0 0 26 7 .218 .318 .338 .657
/佐藤和弘 42 142 133 20 44 12 0 1 59 8 3 1 3 0 6 0 0 12 12 .331 .360 .444 .803
/福良淳一 53 140 114 13 24 4 1 1 33 11 7 3 6 1 16 0 3 12 3 .211 .321 .289 .610
/山越吉洋 81 123 104 14 24 5 3 3 44 13 6 4 7 1 10 0 1 21 1 .231 .302 .423 .725
/弓岡敬二郎 70 96 84 21 20 2 1 1 27 4 9 2 7 0 5 0 0 14 1 .238 .281 .321 .602
/高橋智 26 56 50 7 10 6 0 2 22 7 2 0 1 0 5 0 0 15 3 .200 .273 .440 .713
/山森雅文 88 51 43 17 14 3 0 3 26 9 6 3 3 0 5 0 0 11 1 .326 .396 .605 1.000
/柴原実 45 44 38 8 8 1 0 2 15 9 0 0 0 0 6 0 0 7 1 .211 .318 .395 .713
/戸羽隆 22 33 28 1 5 2 0 0 7 3 0 0 0 0 4 0 1 9 0 .179 .303 .250 .553
/飯塚富司 14 24 22 2 2 1 0 0 3 0 0 0 0 0 2 0 0 6 1 .091 .167 .136 .303
/渡辺伸治 8 9 8 1 1 1 0 0 2 0 0 0 0 0 1 0 0 5 0 .125 .222 .250 .472
/南牟礼豊蔵 14 7 7 3 2 1 0 0 3 1 2 0 0 0 0 0 0 2 0 .286 .286 .429 .714
/山中賢次 6 5 4 2 1 0 0 0 1 1 0 0 0 0 1 0 0 1 0 .250 .400 .250 .650
/松山秀明 7 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 .000
/山沖之彦 31 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 -- 1.000 -- --
/杉本尚文 4 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 .000

1990 サンヨー オールスターゲーム

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選出選手及びスタッフ
ポジション 名前 選出回数
コーチ 上田利治
投手 山沖之彦 2
捕手 中嶋聡 2
内野手 松永浩美 7
ブーマー 5
外野手 門田博光 13
石嶺和彦 3
  • 太字はファン投票で選ばれた選手。

できごと

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  • 9月10日 - 門田博光がメジャーリーグでも前例の無い、日本プロ野球初の40歳代でシーズン30本塁打を記録[3]

選手・スタッフ

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  • 背番号変更
    • 南牟礼豊蔵 32→0
    • 二宮正己 56→22
    • 山本和男 45→79
  • 登録名変更
    • 山森眞幸→山森雅文

表彰選手

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リーグ・リーダー
選手名 タイトル 成績 回数
石嶺和彦 打点王 106打点 初受賞
ベストナイン
選手名 ポジション 回数
松永浩美 三塁手 3年連続3度目
石嶺和彦 外野手 3年ぶり3度目
ゴールデングラブ賞
選手名 ポジション 回数
松永浩美 三塁手 2年連続3度目

ドラフト

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順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 長谷川滋利 投手 立命館大学 入団
2位 戎信行 投手 育英高 入団
3位 野村貴仁 投手 三菱重工三原 入団
4位 岩崎久則 投手 新日本製鐵大分 入団
5位 山本栄二 捕手 富山商業高 入団

脚注

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注釈

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  1. ^ 偵察メンバーの山沖之彦(中堅手)と交代。
  2. ^ 偵察メンバーのシュルジーと交代。
  3. ^ 偵察メンバーの星野伸之(一塁手)と交代。

出典

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  1. ^ 勇者の物語~「虎番疾風録」番外編~田所龍一(365)後任監督 「3条件」にかなう土井監督 産経WEST 2021年12月8日配信
  2. ^ 『日本プロ野球記録年鑑 ベースボール・レコード・ブック1991』ベースボール・マガジン社、1990年。ISBN 4-583-02882-2 
  3. ^ 大修館書店刊「近代体育スポーツ年表1800-1907」272ページ
  4. ^ 週刊ベースボール2011年12月12日36ページ
  5. ^ オリックス・バファローズ Legend Of Bs2013 Miracle!夢が叶ったあの時”. オリックス・バファローズ. 2015年9月22日閲覧。