1949年ドイツ連邦議会選挙
1949年ドイツ連邦議会選挙(1949ねん ドイツれんぽうぎかいせんきょ、ドイツ語: Bundestagswahl 1949)は、1949年8月14日にドイツ連邦共和国(当時は西ドイツ)で行われた連邦議会(下院)議員の総選挙(第1期)である。
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選挙区別得票結果 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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概要
編集第二次世界大戦後、アメリカ合衆国、イギリス、フランスの3カ国によって占領されていた西側部分(西ドイツ)において、憲法に該当するボン基本法が議会評議会(各州議会の代表者65名で構成)によって作られた。
議会評議会での選挙制度に関する議論は、ドイツ社会民主党(SPD)と自由民主党(FDP)は比例代表制を、キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)とドイツ党(DP)は小選挙区制をそれぞれ主張していた。最終的に、折衷案として小選挙区比例代表併用制の導入で合意した。
1949年5月にドイツ連邦共和国として再出発することになり連邦選挙法は、同年6月15日に公布された。そして連邦議会の議員を選出するための選挙が同年8月に行われることになった。
選挙データ
編集投票日
編集- 1949年8月14日
改選数
編集- 400
- 小選挙区:240
- 比例代表:160
選挙制度
編集- 総議席数の60%に当たる240議席は小選挙区から選出(実際の選挙区数は242選挙区)。
- 残る160議席は、州毎に比例代表制で選出する。
- 有権者は、小選挙区の候補者にのみ投票する。それを所属政党の比例区得票として計算する。
- 比例代表で議席配分を受けるためには、少なくとも一つの州で5%以上の得票を得るか、小選挙区で1議席を獲得する必要がある。
- 西ベルリンは人口比に応じて議会の間接選挙で議員を選出したが、議案投票権は付与されていない。
なお、フランス保護領となっていたザール地域は総選挙に参加していない。
投票方法
編集- 秘密投票、単記投票、1票制
選挙権・被選挙権
編集- 満18歳以上の西ドイツ国民
有権者
編集- 31,207,620
選挙活動
編集選挙ポスター
編集-
CDU
-
CDU
-
SPD
-
SPD
-
FDP
投票用紙
編集選挙結果
編集シューマッハー率いるSPDは第一党となったものの、アデナウアー率いるCDU/CSUが連携しているFDP、DPを合わせて定数の過半数を獲得した。
議席配分要件を超えた政党は10党で、超過議席は2議席(CDU/CSU:1、SPD:1)であった。
また、西ベルリン議会から間接選挙で選出された議席は1949年に8議席(CDU:2、SPD:5、FDP:1)。1952年2月にさらに11議席(CDU:3、SPD:4、FDP:4)増加した。
党派別獲得議席
編集党派 | 獲得 議席 |
小選挙区 | 比例代表 | 得票数 | 得票率 | 西ベルリン | |||
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キリスト教民主・社会同盟 | CDU/CSU | 139 | 115 | 24 | 7,359,084 | 31.01% | 2 | ||
キリスト教民主同盟 | CDU | 115 | 91 | 24 | 5,978,636 | 25.19% | 2 | ||
キリスト教社会同盟 | CSU | 24 | 24 | 0 | 1,380,448 | 5.82% | 0 | ||
社会民主党 | SPD | 131 | 96 | 35 | 6,934,975 | 29.22% | 5 | ||
自由民主党 | FDP | 52 | 12 | 40 | 2,829,920 | 11.92% | 1 | ||
ドイツ共産党 | KPD | 15 | 0 | 15 | 1,361,706 | 5.74% | 0 | ||
バイエルン民族党 | BP | 17 | 11 | 6 | 986,478 | 4.16% | 0 | ||
ドイツ党 | DP | 17 | 5 | 12 | 939,934 | 3.96% | 0 | ||
中央党 | DZP | 10 | 0 | 10 | 727,505 | 3.07% | 0 | ||
経済再生連合 | WAV | 12 | 0 | 12 | 681,888 | 2.87% | 0 | ||
ドイツ保守党・右翼党 | DKP-DRP | 5 | 0 | 5 | 429,031 | 1.81% | 0 | ||
南シュレースヴィヒ選挙人同盟 | SSW | 1 | 0 | 1 | 75,388 | 0.32% | 0 | ||
無所属 | 3 | 3 | - | 1,141,647 | 4.81% | 0 | |||
急進社会自由党 | RSF | 0 | 0 | 0 | 216,749 | 0.9% | 0 | ||
ドイツ欧州人民運動 | EVD | 0 | 0 | 0 | 26,162 | 0.1% | 0 | ||
ライン川・ヴェストファーレン人民党 | RWVP | 0 | 0 | 0 | 21,931 | 0.1% | 0 | ||
総計 | 402 | 242 | 160 | 23,732,398 | 100.0% | 8 | |||
有効票数(有効率) | 23,732,398 | 96.88% | |||||||
無効票・白票数(無効率) | 763,216 | 3.12% | |||||||
投票総数(投票率) | 24,495,614 | 78.49% | |||||||
棄権者数(棄権率) | 6,712,006 | 21.51% | |||||||
有権者数 | 31,207,620 | 100.0% | |||||||
出典: Federal Returning Officer, Nohlen & Stöver |
州別小選挙区当選者数
編集州 | 定数 | SPD | CDU | CSU | FDP | BP | DP | 無所属 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
バーデン州 | 7 | 0 | 7 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
バイエルン州 | 47 | 12 | 0 | 24 | 0 | 11 | 0 | 0 |
ブレーメン州 | 3 | 3 | 7 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
ハンブルク州 | 8 | 4 | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
ヘッセン州 | 22 | 12 | 3 | 0 | 7 | 0 | 0 | 0 |
ニーダーザクセン州 | 34 | 24 | 4 | 0 | 1 | 0 | 5 | 0 |
ノルトライン=ヴェストファーレン州 | 66 | 25 | 40 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
ラインラント=プファルツ州 | 15 | 4 | 11 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州 | 14 | 6 | 7 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
ヴュルテンベルク=バーデン州 | 20 | 5 | 11 | 0 | 2 | 0 | 0 | 2 |
ヴュルテンベルク=ホーエンツォレルン州 | 6 | 1 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
総計 | 242 | 96 | 91 | 24 | 12 | 11 | 5 | 3 |
選挙後
編集9月15日に行われた首相選出のための議会投票でCDUのコンラート・アデナウアーがSPDのクルト・シューマッハーを破って初代連邦首相に選出され、CDU/CSU、FDP、DPの四党連立の第一次アデナウアー内閣が発足した。
脚注
編集注釈
編集- ^ 西ベルリン議会から選出された8議席を除く。
出典
編集- ^ 西平重喜『各国の選挙』木鐸社、285頁
参考文献
編集- eletion.de
- 西平重喜『各国の選挙』木鐸社