茅
イネ科、カヤツリグサ科などの草本の総称
茅(かや)は、古くから[いつ?]屋根材や飼肥料などに利用されてきた、イネ科[1][2]あるいはイネ科およびカヤツリグサ科[3]の草本の総称である。
カヤと呼ばれるのは、細長い葉と茎を地上から立てる一部の有用草本植物で、代表種にチガヤ、スゲ、ススキがある[3][4]。
ススキを特定的に意味することもある。総称が本義でススキの意が派生[3]だが、逆に、ススキが本義で意味が広がった[2]とも。
名称
編集語源
編集語源には諸説あり、屋根を葺くことから刈屋あるいは上屋[3][1]、あるいは朝鮮語起源[1]とも。
漢字
編集「茅」は元来はカヤの1種のチガヤの意味で、カヤ全体の意味に広がった[3]。
「萱」とも書くが、この字の本来の意味は「ワスレグサ」であり、「かや」と訓ずるのは国訓である[5]。元来は『和名抄』や『名義抄』で「萓」(下が亘でなく且)と書かれていたのだが、誤って「萱」となった[3]。
特徴
編集利用
編集材料
編集耐水性の高さから、茅の茎は屋根を葺くのに好適な材料となり、明治期以前の日本では重要な屋根材として用いられた。
屋根を葺くために刈り取った茅をとくに刈茅(かるかや)と呼び[6]、これを用いて葺いた屋根を茅葺(かやぶき)屋根と呼んだ。
現在でも、菅笠をはじめとする各種民芸品や、茅の輪(ちのわ)などが茅を編んで作られている。
その他
編集収穫
編集このように重要であった茅を確保するために、往時[いつ?]の農村では、集落周辺の一定地域を茅場とし、毎年火を入れて森林化の進行を防ぎ、そこから茅を収穫することが普通であった。
言葉
編集主な種類
編集カヤが和名に付く種は多く、ほとんどがイネ科である。
カヤが和名に付く代表的な種と、それ以外でもカヤの例とされる種を挙げる。
イネ科
編集- ヨシ Phragmites australis
- ススキ Miscanthus sinensis
- スゲ[3][4] Carex spp.
- オギ[1] Miscanthus sacchariflorus
- イタチガヤ Pogonatherum crinitum
- オカルガヤ Cymbopogon tartilis var. goeringii
- カモガヤ Dactylis glomerata - 帰化植物
- キツネガヤ Bromus pauciflorus
- チガヤ Imperata cylindrica
- ネズミガヤ Muhlenbergia japonica
- メカルガヤ Themeda japonica
- メリケンカルガヤ Andropogon virginicus - 帰化植物